東京都港区愛宕の「愛宕グリーンヒルズ」の一般商業施設や公園は、一部を除き車椅子で利用できます。現地のバリアフリー状況を紹介します。
なお本稿は2019年11月の取材に基づいています。
○愛宕グリーンヒルズの概要
「アークヒルズ」に続く森ビルによる大規模再開発物件で、竣工は2001年です。地権者は70軒以上で、構想から完成まで約20年かかりました。「愛宕山エレベーター」も、この再開発の一環で設置されました。
「愛宕グリーンヒルズ」は、周辺の寺院や愛宕山の自然との一体化を目指した施設で、外観は蓮の花のイメージということです。
ツインタワーと2階建てのプラザ棟で構成されます。
ツインタワーは、賃貸のレジデンスが「フォレストタワー」、オフィス棟が「MORIタワー」。
一般商業施設は飲食店やスーパー、CVS他で、MORIタワーの2Fから4Fと最上階42F、そしてプラザ棟に入店しています。
○アクセスと駐車場のバリアフリー状況
愛宕山に隣接していますが、虎ノ門方面または芝公園方面からは、ほぼフラットなルートです。
機械式時間貸し駐車場がMORIタワーとプラザ棟の1Fにあります。
プラザ棟1Fは有人ですが小規模な駐車場です。プラザ棟にはエレベーターがなく、エスカレーターがあります。
車椅子利用者は、スペースに余裕があるMORIタワー1Fの駐車場の方が利用しやすい施設です。こちらも機械式で有人対応です。
やや古いタイプの機械式で、同乗者は入庫前に先に下りる運用ルールです。運転者が車椅子利用者の場合、入庫してからの降車はスペースが狭くなりますが、出来ないことはありません。出庫時も同様で、運転者だけで出庫し、同乗者はホールで乗車するルールです。
MORIタワー1F駐車場から、同タワー1Fへは屋内フラット通路で直結します。
○MORIタワーのエントランス
MORIタワーのエントランスは、エスカレーター利用を前提にした設計です。MORIタワーは2Fがエレベーターの起点で、1Fからエスカレーターで2Fへ上ります。
車椅子では、1Fホールのやや見えにくい箇所にある1基のエレベーターを利用します。1Fから4Fを繋いでいます。
2Fから4Fの商業施設ならこのエレベーターを利用します。オフィスや42Fレストランの利用なら、2Fで高層階行きのエレベーターに乗り換えます。
1Fにはお洒落な休憩スペースがあり、自由に利用できます。
○トイレの状況
バリアフリートイレは「MORIタワー」の2Fと3Fにあります。
○公園のバリアフリー状況
MORIタワー3Fの裏側に「屋外庭園」があります。3Fから車椅子でバリアフリーに利用できます。
個性的な装飾物が配置されたアジアンテイストな日本庭園という趣で、自由に散策できます。
隣接する青松寺や愛宕山方面へのルートは、段差があり車椅子では利用できません。
エスカレーターしかないプラザ棟の2Fへは、この公園から段差のない通路を通り車椅子で行くことができます。
○グルメ店のバリアフリー状況
車椅子で利用しやすい店舗が多くありますが、一部店内に段差のある店舗もあります。
MORIタワー最上階のレストランは、店内に段差がある構造で利用にはスタッフのサポートが必要です。また最上階にはバリアフリートイレはありません。
愛宕グリーンヒルズの一般商業フロアと公園は、車椅子で利用できます。日曜祝日は休業する店舗が多いので注意して下さい。