茨城県ひたちなか市の「那珂湊おさかな市場」は、公的な施設ではなく多くのお店が集まって形成された商業集積です。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。
駐車場のバリアフリー状況です。那珂湊漁港駐車場が整備されています。駐車場は有料で、買物金額応じたサービスや障がい者減免制度はありません。メインの駐車場は港沿いの一段高い区画に広がります。
身障者用駐車区画は駐車場入口のすぐ左側にあります。
駐車場からは緩い傾斜路の歩行者用通路を通り市場へ向かいます。
土日祝日などに開放される臨時駐車場は、市場と同じ高さでフラットな舗装路面。身障者用駐車区画は、市場側の場所に2台分用意されます。
市場内通路のバリアフリー状況です。以前は車椅子に衝撃がくるデコボコのある舗装路でしたが、市場内通路の約80%は一般的なフラット舗装路に改修されています。
今回取材時の状況では、臨時駐車場方面から市場へ向かう通路の一部区間に、デコボコ舗装路が残っていました。
店舗のバリアフリー状況です。ほとんどの魚屋は特別なバリアフリー対策はありませんが、店内は段差の無いフラット構造で、車椅子通行が可能な通路幅があります。お店にもよりますが、多くの魚屋は車椅子で買い物が出来ます。
ただし、床面が濡れている、ところどころにデコボコがある、物が置かれて通路が狭いなど、多くは快適なバリアフリーショップではありません。
食事処のバリアフリー状況です。市場内には寿司屋など7店舗の食事処があります。また市場周辺にも数店舗の食事処があります。
1F店舗でフラット構造、可動式のテーブル席が中心のお店があります。また固定席やカウンター席が中心のお店があります。2Fで階段しかないお店もあります。
車椅子での利用可否は店舗それぞれです。利用者の障がいの状況に応じて、事前にお店の状況を確認されることをお薦めします。
バリアフリートイレの状況です。駐車場の端にある公衆トイレにバリアフリートイレが1つ用意されます。このトイレには駐車場内から行くと最後に段差があるので、車椅子では駐車場の外側、市場から続く通路を進んで下さい。
公衆トイレ以外は、各店舗のトイレの利用になります。現時点で確認出来る限りでは、来客用のトイレがある魚屋は見当たりません。食事処は店内にトイレがあるお店が多いようですが、バリアフリートイレがあるお店は確認出来ていません。
那珂湊おさかな市場は、路面のフラット化が進みました。ほとんどの魚屋は車椅子で利用できます。食事処はお店によります。そしてバリアフリートイレは公衆トイレにあります。
「国営ひたち海浜公園」の詳しいバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2021年10月に加筆修正しました)