群馬県高崎市の独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園には、「みどり香るまちづくり企画コンテスト」で環境大臣賞を受賞した施設「ふれあいゾーン」があり、誰でも自由に散策できます。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

のぞみの園施設の概要です。高崎の白衣観音に近い山中の施設です。敷地面積は約70万坪。森の中に施設内の道路が走り、様々な施設が点在しています。全ての建物の総面積は約1万1千坪。1971年の開園以来、施設が整備されてきました。
誰でも自由に散策できる「ふれあいゾーン」は、2011年から2014年にかけて整備された施設です。

アクセスは車が便利です。国立のぞみの園の敷地に入るところに正門があります。通常は開放されていて、一般車両はそのまま通行できます。
そのまま進むと「バス停」があります。バス停の横に6台を収容する来客用駐車場があり、内1台分が身障者用駐車スペースです。ここに駐車します。

そしてこの来客用駐車場の周辺が「ふれあいゾーン」です。この先に守衛所があり、そこから先は関係者以外進入できません。
屋外散策施設の状況です。「ふれあい彩り広場」と「ふれあい香りガーデン」があります。今回取材時は、季節が悪いのか、あまり手入れが行き届いていない状況でした。

車椅子で散策できないことはありませんが、整備されて数年しか経過していない施設としては、全般的に劣化しています。

広場やガーデンから、正門方向に少し坂を下ると、屋内で休憩できる施設「ふれあい御休所」があります。出入口は手動ドアです。

エントランスからフリーテーブルが配置される休憩スペースへは段差があり、段差回避スロープがあります。

短いスロープですが、角度は急です。車椅子では慎重に移動してください。

休憩スペースには大きな窓があり、日本庭園として整備された庭を眺めることができます。

休憩スペースの横に、無料のお茶サービス器と紙コップが用意されています。
エントランスの横のトイレには、スペースに余裕があるバリアフリートイレが1つあります。ユニバーサルベッドはありません。

国立のぞみの園ふれあいゾーンは、それほど広いゾーンではなく、短時間で散策できます。「ふれあい御休所」はバリアフリートイレがあるフリー休憩施設です。
国立のぞみの園が取り組んでいるテーマ「強度行動障害」について別稿で取り上げています。ご参照ください。
(本稿は2020年11月に執筆しました)