神奈川県横須賀市に、アーティストの若江夫妻が1994年に創設した、三浦半島の真ん中にある私設現代美術館です。当時は三浦半島に美術館はなく、カスヤの森現代美術館は、三浦半島初の美術館として開館しました。約2000坪の「森」の中で、現代アートを楽しめます。

衣笠駅から徒歩15分の案内。来館者用の無料駐車場が用意されています。美術館へは狭い道路を通るので、気を付けて運転してください。駐車場は美術館エントランス前と、新館側の2か所に分かれ、合計で10台を収容します。エントランス前に4台から5台が駐車できます。

カスヤの森現代美術館のエントランスは階段です。両手でつかまることが出来る手すりが設置されています。メインエントランスのドアノブは、アート作品です。出入口付近には段差はありません。

階段が利用できない人は、新館側の駐車場方面に進み、傾斜舗装路を通行して、本館の裏側に廻ります。

このルートで本館のラウンジ裏まで行くことができます。

通路とラウンジ裏の出入口は20㎝程度の段差があります。車椅子利用者の場合は、車椅子ごと持ち上げてもらうなど、何らかの手段で段差を越えて館内に入ります。

近距離なら歩ける人であれば、ラウンジのデッキを移動して、エントランスの反対側にある、お庭への出入口から入館することもできます。この出入口も小さな段差はありますが、介助歩行でもなんとかなりそうです。

館内には2つトイレがあります。男女兼用の1室がスペースに余裕があり、手すりが設置されているトイレです。普通サイズの車椅子がギリギリで入ります。

館内の状況です。本館にそびえる塔はヨーロッパの教会がモチーフ。塔の下がラウンジで、カフェ、ミュージアムショップ、イベント会場として利用されています。ラウンジの壁面にはアート作品が展示されています。
本館にはラウンジの他に、第1企画展示室と第2展示室、図書室があります。第1企画展示室は高い天井の広いアートスペース。自然光が入ります。
第1企画展示室の奥にある階段を上がったスペースが、ヨーゼフ・ボイスの常設展示コーナーです。
第2展示室は「KASUYA Collection」の常設展示室。大きな展示室ではありませんが、通路の壁面も含めて、多種多様なコレクションが展示されています。
別棟の新館は、お庭から引き戸を開けて入ります。3名のアーティストの作品が常設展示されています。

お庭の状況です。傾斜のある未舗装路面に段差のある散策路が整備されているお庭です。散策する人の障がいの状況に応じて、無理のない範囲での鑑賞になります。

自立歩行が困難な車椅子利用者は、前出の本館裏側の舗装通路からお庭を楽しめます。また館内のラウンジには大きな窓があるので、室内からお庭を鑑賞することができます。今回取材時は、水仙が咲いていて、梅がほころび始めていました。

お庭には驚くほどの数の石仏が祀られています。

竹林の中には石仏群があります。250体の羅漢像です。

お釈迦様もいらっしゃいます。

お庭の奥まで、石仏群は続きます。カスヤの森は、野鳥の楽園です。

アート作品の展示があります。竹林に展示されている、宮脇愛子氏の「うつろい」です。

お庭の上からも「うつろい」を鑑賞できます。

ヨーゼフ・ボイスの「足跡」が展示されています。

「誰でもない誰か」の碑と石仏。

ご神木があります。

その奥には祠が祀られています。

カスヤの森現代美術館は、現代アートと森のお庭を楽しめる美術館です。
観音崎公園エリアに2007年に開館した「横須賀美術館」を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2022年2月に執筆しました)