茨城県笠間市福原の「常陸国出雲大社」は、小高い山にある社で参道は急坂です。車椅子や足の悪い人は、坂道の通行が問題です。現地の状況を紹介します。
1992年に創建された新しい神社です。島根の出雲大社の大国主命の分霊を祀ります。この笠間の地は、出雲大社、諏訪大社と直線上に結ばれる縁があります。
出雲大社との包括関係が解消され、現在の名称「常陸国出雲大社」となり単立神社となったのは2014年です。
アクセスは車が便利です。無料駐車場が、P1からP3まで3カ所用意されます。
国道50号から大社に入ると、すぐに坂道になります。もっとも低地にあるのがP2、次にP3、最高地にある駐車場はP1です。確認できた限り、身障者用駐車区画の用意はありません。
本殿・拝殿があるのは、P1よりも更に高地です。通路は舗装路ですが、どの駐車場からも急坂を上ります。
駐車場の中では最高地にあるP1から、本殿・拝殿へ向かうルートの状況です。一般参道は大鳥居をくぐり、階段路を上ります。鳥居の左側に舗装された傾斜路があります。車椅子ではこの坂道を上ります。
段差はありませんが、急坂です。一般的な車椅子利用者は通行が困難な傾斜、元気な介助者が2名欲しい坂道です。今回取材時、足の悪いお年寄りが、何度も立ちどまりながら通行していました。
帰りの下り坂は、車椅子を後ろ向きにして下りることをお薦めします。
P2は最も低地で、本殿・拝殿まで遠い駐車場です。
P3から本殿・拝殿へ向かう道は、P1からのルートよりも距離はありますが、傾斜は少し楽な角度です。移動距離が苦にならない方なら、P3からのアクセスの方が楽かもしれません。ただしそれなりの角度の坂道を長く通行します。P3からのルートも、快適なバリアフリールートではありません。
拝殿周辺のバリアフリー状況です。手水舎は段差があり、車椅子での利用は難しい構造です。
さらに坂道を通過して、拝殿の近くまで来ます。拝殿への一般ルートは階段路です。混雑時は階段上で参拝の列をつくる設定です。
段差回避ルートは正面左側にあります。この拝殿前の坂道は、それほどの角度はありません。ここまで来ることが出来た人なら、通過できる傾斜路です。
拝殿の参拝所は、一段上になります。車椅子では段の手前からの参拝になります。
拝殿の見どころです。大しめ縄は16mで重さは6トン。コインを下から投げて突き刺す賽銭が流行っています。
拝殿天井には60畳の大きさがある絵画「常陸の雲」。
そして大国主大伸ご神像があります。参拝作法は「二礼・四拍手・一礼」です。
車椅子での常陸国出雲大社参拝は、急坂が問題です。自信がある方は参拝ください。
石の産地、茨城県笠間市の「石の百年館」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2020年1月の取材に基づいています)