昭和9年に開隊された「筑波海軍航空隊」の跡地を活用した茨城県笠間市にある施設です。2018年から笠間市の施設として一般公開されるようになりました。太平洋戦争末期には特攻の訓練が行われた同隊に関する記録の保存公開が行われています。
現在はグランド、病院、あるいは住宅街などになっている広大な範囲に、当時の施設が点々と現存しています。
メイン施設は、新設された「筑波海軍航空隊記念館」と「旧指令部庁舎」です。どちらも2F構造で階段のみ。車椅子では1Fだけの見学になります。この2棟を中心にバリアフリー状況を紹介します。
アクセスは車が便利。友部ICから約6分の案内です。記念館の案内板はありますが、「県立こころの医療センター」の敷地内にあるので、医療センターを目指してください。来館者用の無料駐車場があります。
筑波海軍航空隊の古い施設と、グランド、病院などが建ち並ぶ不思議な空間を進み、「筑波海軍航空隊記念館」に向かいます。
筑波海軍航空隊記念館は入館料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。記念館1Fの受付で障害者手帳等を提示して減免措置を受けます。
記念館のエントランスには段差回避スロープが設置されています。傾斜角度は緩く、エントランスに車椅子で上がることができます。
入口は横開きのドア。段差はありません。
展示室は1Fと2F。1Fに2つの展示室があり、一つ目の展示室の手前にバリアフリートイレがあります。
バリアフリートイレはスペースがやや狭い個室で、ウォシュレット付き便器が備えられています。新しくて綺麗なトイレです。
記念館1Fの展示の一部を紹介します。映画のロケで使用された機材の展示。
映像コンテンツの放映コーナー。
各種資料の展示などです。
2Fは階段で上がります。
2Fのパネル展示。
各種の資料展示。
制服などの展示があります。
次は旧指令部庁舎の見学です。記念館で庁舎入館用のストラップを受け取ります。退館後にまた記念館にストラップを戻しに来る運用です。
一般見学者のコースは段差を上がり、庁舎の1Fに入ります。車椅子利用者は、スタッフの誘導に従い庁舎の正面入口に移動します。
スロープがある正面のドアは通常は閉められています。車椅子利用者の見学のために、スタッフが同行して開錠し、ドアを開けていただきました。退館する際にはスタッフに声をかけて、施錠していただく運用です。
庁舎1Fの通路です。
展示室には様々な戦争遺品が展示解説されています。
魚雷やプロペラ。
写真パネルもあります。
庁舎2Fへは階段で上がります。
再現された司令室。
司令官の席です。
再現された隊員の部屋。
2Fの通路。
映画関連の展示もあります。車椅子での見学ができないことが残念な2F展示です。
以上が「筑波海軍航空隊記念館」と「旧指令部庁舎」の状況です。記念館のテーマは「歴史を体験する」。車椅子では1Fだけの見学になりますが、それだけでも筑波海軍航空隊の史実と戦争の記録を、体感することができます。
茨城県阿見町にある「予科練平和記念館」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2021年11月に執筆しました)