東京ミッドタウンの一角にある港区立檜町公園は、バリアフリーに整備された周回路があり、車椅子で散策できる日本庭園です。檜町公園のバリアフリー状況を紹介します。
東京ミッドタウン全体のバリアフリー情報は、別稿「六本木 東京ミッドタウン 車椅子利用ガイド バリアフリー情報」を参照してください。

公園の周回路は傾斜があるルートですが車椅子で散策できます。周回路を外れると東屋の池を挟んだ反対側のビュースポットには、車椅子では苦戦するデコボコがあります。また一部に「飛び石」を移動するルートがあります。

周回路の傾斜の状況です。檜町公園は傾斜地にあり、東京ミッドタウン側が高台、池を挟んだ東屋側が低地です。東京ミッドタウン側を起点に車椅子で公園を一周すると、前半は下り坂、後半は上り坂になります。
東屋の横にトイレにバリアフリートイレがあります。
東京ミッドタウンの建設に伴い、港区立檜町公園はバリアフリーに整備されました。ミッドタウン開業にあわせて再公開されたのが2007年です。入園無料の公園ですが、メンテナンスが行き届いています。
港区立檜町公園の歴史を紹介します。元々は萩藩、毛利家の麻布下屋敷の庭園の一部で、現在の檜町公園よりもはるかに広い敷地のお庭があり、「清水亭」と呼ばれ江戸の名園として名高かったそうです。

御屋敷にはヒノキが多く植栽されていたため、麻布下屋敷の俗称が「檜屋敷」。そこで地名も「檜町」。町名改称でその名はなくなりましたが、公園の名称に名を残しています。
明治になり帝国陸軍の駐屯地になり、終戦後にGHQに接収されました。そして返還後、敷地の大半は防衛庁になり、防衛庁が市ヶ谷に移転し、東京ミッドタウンが開発されました。
檜町公園として最初に公開されたのは1963年です。防衛庁が市ヶ谷に移転したのが2000年なので、その間の40年近くは、一般的な知名度は高くはない公園でした。
今ではミッドタウン・ガーデンと一体になった、都心の癒しスポットとして人気です。周回路は東京ミッドタウン公式認定ジョギングコースの一部に指定されています。

春夏秋冬、季節のお花が庭を飾ります。桜の名所で、ミッドタウン・ガーデンに103本、檜町公園に44本の桜があるそうです。港区立檜町公園は、車椅子で春夏秋冬のうつろいを楽しめる公園です。
(本稿は2022年4月に加筆修正しました)