重度の障がいのある人を支えてくれるヘルパーさん。何となく女性が多いようなイメージがありますが、トイレの問題があるので、一般には同性介助が原則、男性のヘルパーさんは大勢います。
外国籍の方も大勢働いています。
一般論でいうことはできませんが、今まで経験した限り、人間としての基礎的なレベルが高く、また一生懸命に仕事に取り組まれている方が多いと思います。
外国籍のヘルパーさんだからといって、最初から距離をつくるのは間違いです。
ヘルパーの事業者、特に小規模な事業者さんは一般に苦労が多いようです。
ヘルパーさんの勤務が安定しない、利用者からの要望が高い、そして利益がでない。
実際、知的あるいはコミュニケーションに障がいのある人とは契約しない、障がいのある子どもは対象外という事業者が、数多くあります。
ヘルパーの利用料金は、一定のガイドラインに従って個別に認められた時間枠分は行政からの助成があります。それを超えた利用分は自己負担になります。
体力のある知的障がい者、コミュニケーション障がい者の家族から、ヘルパーさんが頼まれることは「18時まで外で面倒を見てください」などになります。
毎日通っている特別支援学校や通所施設が休みの日に、家族はヘルパーさんに外出を頼みます。
家族から渡される外出予算は潤沢ではないので、障がい者減免制度がある施設や無料公園、商業施設などで、障がいのある人とヘルパーさんは1日を過ごします。
体力のある知的障がい者、コミュニケーション障がい者は、疲れ知らずの人が多い。多動で自閉傾向の強い子どもと広い公園に行くと、ヘトヘトになります。
重度の身体障がいのある人のヘルパーニーズで多いのは、入浴の介助です。
家庭で男性の介助をしている女性の方にとって、入浴は体力的に難しい介助です。脳梗塞の後遺症のあるご主人を看る奥さん、大人になった重度の身体障がいのある子どもを看るお母さんは、一人で入浴を介助するのは困難です。
一緒にお風呂に入って体も洗うので、ヘルパーさんも水着か、濡れても大丈夫な防水ファッションになります。
上手なヘルパーさんは、本当に上手に身体障がいのある人を入浴させてくれます。
自分よりも体重の重い重度障がいのある家族を、ショートステイ先や通所施設などに外出させるときに、ヘルパーさんをお願いする人も大勢います。自宅ベッドから起して、着替えて、玄関から迎えの車に送り届けるのがヘルパーさんの仕事です。
24時間介護が必要な重度障がいのある家族を抱える人は、自分が休憩をとるためにヘルパーさんに自宅に来ていただきます。ヘルパーさんに任せられる最低限のケアを頼み、わずかな時間の休憩をとります。
重度の身体障がい、知的障がい、コミュニケーション障がいがある人と家族は、ヘルパーさんに支えられて生活しています。
(本稿は2019年11月に執筆しました)