てんかん診断がなくても起こる、脳性まひの人の大発作

てんかん診断がなくても起こる、脳性まひの人の大発作

障がいのある人と、発作。

脳波検査では「てんかん診断」がないのに発作を起こす、脳性まひなど身体障がい、知的障がいのある人は大勢います。

発作、特に大きい発作は、本人は意識がなく、記憶にも残っていないといわれています。

大発作がおこると、慣れていても家族など周囲の人は大変です。

人が発作を起こしている現場を経験したことが無い人に雰囲気をお伝えすると、突然バタンと倒れて、目はひん剥き、口は痙攣し引きつり、全身が突っ張ったり、あるいはひきつったり・・・・、ここまま死んでしまう、というレベルの切迫した雰囲気になります。

発作の有り様はそれぞれですが、通常は5分以内に収まります。1分2分のことが多いようです。

収まった後は、意識がはっきり戻らない状態で、そのまま寝てしまうケースが多いようです。そして何事もなかったように起きる、これがよくある発作のパターンです。もちろん異なるケースもあります。

脳性まひの人の大発作

一般に、5分以上発作が続く場合は、救急車を呼ぶことが推奨されています。長時間発作が治まらないと、命の危険や重大な後遺症が残る可能性があります。

医師の判断で、強制的に発作を止める薬を使用する場合もあります。強い薬物の使用は副作用として自然呼吸が止まるリスクがあり、一般に人口呼吸器を繋いでから対処します。

発作で第一に気をつけなくてはならないのは、転倒による頭部の損傷や怪我、そして舌や口内を噛み切ったりすることです。

また、おう吐を伴うこともあり、この場合は気管に逆流して窒息する可能性があります。

自立歩行が出来る人で発作の可能性がある人は、ヘッドギアの着用も怪我防止手段の一つです。

発作がでたら、周囲の人間が落ち着くことが重要です。

横たわる姿勢で下あごを引き、気道を確保するのが基本です。

近年は、医師の診断に役立つように、発作の様子を映像で記録することも推奨されています。

頻繁に発作を起こす子どもをもつ、ベテランの保護者になると「明日は台風がくるから今夜は発作かな」などと予測しています。医学的な根拠はありませんが、お天気と発作には重要な関係があると語っているベテランが大勢います。

しっかりとした検査をしても、てんかん診断がでない、それでも大発作が起こる障がいのある人は珍しくありません。

(本稿は2019年11月に執筆しました)

別稿で「医療用ヘッドギアで障がいのある人の頭部を守る」を掲載しています。ご参照ください。