東京国立近代美術館「横山大観展」車椅子バリアフリー情報

東京都千代田区の東京国立近代美術館で、2018年4月13日から5月27日の開催「横山大観展」に車椅子で出かけました。混雑していましたが入場制限はなく、車椅子からでも一部の作品を除き鑑賞が可能でした。

東京国立近代美術館は車椅子での利用に大きな問題はありません。身体障害のある人は、前庭への駐車を許可していただけます。今回訪問時は混雑が予想されるため、健常者が運転する車両は、裏の駐車場へ誘導されていました。

「横山大観展」は障害者手帳の提示で本人と介助者1名の観覧料が無料に減免されます。

会場は1Fに第一会場と第二会場。2Fに第三会場。3つの会場に区分けされて開催される大規模な企画展です。いずれの会場も床面はフラットなので、車椅子での利用は可能です。

ほとんどの作品は壁面に展示され、車椅子からでも鑑賞可能です。一部の小作品は、上から除くタイプのショーケースの中に展示されます。

このタイプの展示は車椅子では苦戦します。特に混雑しているとショーケースに人垣が出来るので、車椅子からの鑑賞はよりハードルがあがります。今回はこの種の展示ケースの作品の鑑賞は、諦めました。

第二会場の展示は重要文化財指定の「生々流転」。全長40mの日本一長い画巻の展示です。この展示が斜め上から覗く40mの長いケースの中。健常者は列をつくり、横に移動しながら鑑賞します。このタイプの展示は車椅子からの鑑賞は厳しい。列の後ろ側から、隙間から覗いて鑑賞しました。できれば壁面の高所に展示していただきたい長い画巻です。

2Fの第三会場へはエレベーターで。この会場は展示品は少数で実質はお土産コーナーです。お土産コーナーの通路幅は狭く、混雑しているので車椅子では素通りするもの大変。ましてやお土産品をゆっくりみるのは至難。お土産に興味の薄い車椅子利用者は、第三会場内には立寄らないのも選択肢です。

会場内の解説で面白かったことを一つご紹介。人体のバランスが悪い人物画の解説が「この作品はデッサンが下手な大観をよく現している・・・」とありました。写実的な描写は実は苦手な画家だそうです。

東京会場の次は京都会場に巡回します。100点近い大観の回顧展。車椅子利用者は、定石通りに空き日を狙ってお出かけください。

国立近代美術館のバリアフリー状況を別稿で掲載しています。ご参照ください。

国立公文書館「躍動する明治」展 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都千代田区にある国立公文書館の特別展「躍動する明治」に車椅子で行きました。一般受けを狙った演出がある公文書館の特別展です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

2018年は明治150年。各地でこれを記念した文化事業が行われています。「躍動する明治~近代日本の幕開け」は、明治150年を記念した公文書館の秋の特別展です。2018年9月22日から11月4日の開催。入場無料の企画です。

展示物は有名資料が並びます。「五箇条の御誓文」「版籍奉還公文録」「富岡製糸場設立公文録」「徴兵令」「大日本帝国憲法」「教育勅語」・・・。国立公文書館の所蔵資料を中心に、明治を代表する資料が展示されています。

国立公文書館のエントランス周辺から展示室である1Fは、フラットなバリアフリー構造です。バリアフリートイレがあります。

車椅子で利用した場合の問題は、展示ケースが車椅子から見にくいタイプのものが多いことです。平面的に展示された資料は、真上から覗きこまないと見えないものが多く、車椅子からの鑑賞は苦戦します。壁掛け展示の資料は、問題なく車椅子から鑑賞できます。

「躍動する明治」では、これまでの公文書館特別展には無い、新しい取り組みがあります。今回訪問時は、前の歩道を通る人に、特別展の呼び込みをしているスタッフがいました。

今風のポップなオリジナル絵画を多数製作。けして下品ではなく、公文書館の公的なイメージを損なわず、且つ新しい魅力を発信するイメージ画です。

インスタ映えする企画が登場。公文書館正面入り口横に「フォトスポット」が設けられました。SNSへの投稿が呼びかけられています。

無料貸し出しの音声ガイドは、人気声優が担当。公文書館の新しいファン層の開拓に挑戦しています。

特別展期間中の木曜日と金曜日の日没後には、正面エントランスでプロジェクションマッピング企画を開催。映像と音楽により「躍動する明治」を表現します。

「躍動する明治」は、国立公文書館特別展として新しい取り組みがあります。そして展示資料は一級品。展示ケースが見にくい欠点はありますが、公文書館特別展は車椅子で観覧できます。

国立近代美術館工芸館「インゲヤード・ローマン展」バリアフリー情報

※2020年に工芸館は金沢市に移転しました。

東京都千代田区にある国立近代美術館工芸館の「インゲヤード・ローマン展」に車椅子で行きました。作品はケース内ではなくテーブルの上。実用的な食器を中心にした展示会です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

日本・スウェーデン外交関係樹立150周年「インゲヤード・ローマン展」は、国立近代美術館工芸館で2018年9月14日から12月9日の開催。イケアの食器デザインも手掛けるローマン氏の、実用性がある食器類を中心にした展示会です。

工芸館の企画展は、障害者手帳の提示で本人と介助者1名が無料に減免されます。工芸館のバリアフリー状況から紹介します。

工芸館の住所は「北の丸公園1-1」。最寄りの竹橋駅は、現時点ではエレベーターは無く昇降機対応。駅からの距離は700mほどあり、上り坂を10分近くかけて上がります。

※2020年にエレベーターが完成し、大手町方面改札からのバリアフリールートが誕生しました。

身体障害者に限り、前庭への駐車が認められます。通常、誘導スタッフはいないので、自主判断で敷地内に車を進めます。駐車区画の整備はないので、その時点で邪魔にならない場所を選び駐車。スタッフがいる場合は指示に従ってください。

工芸館の中へ向かいます。入口には段差があり、スタッフに操作をしていただくタイプの昇降機が設置されています。通常スタッフは館内にいるので、健常な同行者がいる場合は、階段を上がり館内に入り、スタッフに駐車の許可と昇降機の利用を申告してください。

車椅子利用者だけの来館で、スタッフが外にいない場合は、電話をする、他の来館者にスタッフへ連絡する旨を頼むなど、工芸館スタッフになんらかの手段で連絡をしてください。

バリアフリートイレがあり、エレベーターがあります。工芸館の中はバリアフリーです。展示室は2Fなので、スタッフの誘導でエレベーターを利用してください。2Fの展示室内は車椅子で苦戦するほどの段差はありません。

展示室間の仕切りが一部手動ドアで、企画展によっては閉まっていることがあります。展示室内にはスタッフが常駐しているので、車椅子での移動に困った場合は、支援を要請してください。

「インゲヤード・ローマン展」では、多くの作品がガラスケース内ではなくテーブルの上に展示されています。そして遮光することなく窓からは自然の陽光。とても新鮮な印象を受けました。一部の作品は20cm以上の距離からの撮影は可となっています。

テーブルの高さは車椅子目線でみることが出来る、ギリギリの高さ。作品をほぼ横から鑑賞します。あと10cmほど低い方が車椅子からは見やすい。しかしそうすると健常者は見にくくなるので、妥当な高さといえます。

ローマン氏は自分の仕事を「シンプルであること、機能的であること、そして美しさ、それをつなぐ」と定義しています。「インゲヤード・ローマン展」を鑑賞すると、その意味がよく解ります。

工芸館の敷地内に幾つか屋外アートが展示されています。特に建物裏側のアートは存在に気が付かない人が多い。車椅子で鑑賞できるので、建物裏側へ車椅子でまわって鑑賞してください。