サザエさん通り 長谷川町子記念館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都世田谷区桜新町の「長谷川町子美術館」隣接地に、2020年に開館した「長谷川町子記念館」は車椅子で観覧できるバリアフリー施設です。

アクセスは桜新町駅から徒歩7分の案内です。極端なアップダウンはないルートなので、駅から車椅子でアクセスできます。

一般来館者用の駐車場はありませんが、身障者用駐車スペースが1台分用意されています。予約制ではなく、空いてれば利用できる運用です。長谷川町子記念館の敷地内にある駐車スペースで、入口はやや狭く奥が広い台形の駐車スペースです。駐車スペースの奥まで進んで停めると、前後左右スペースに余裕があります。

長谷川町子記念館

長谷川町子美術館のエントランス横に2台分の駐車スペースがあります。長谷川町子記念館の1台分が満車の場合、長谷川町子美術館のエントランス横の駐車スペースも利用できるそうです。現地で美術館スタッフの誘導を受けてください。入館チケットは長谷川町子美術館1Fの窓口で購入します。

長谷川町子記念館

観覧料は美術館と記念館両館が観覧できる料金で、本人と介助者1名の観覧料が100円割引される障がい者減免制度があります。1985年に開館した長谷川町子美術館は、段差構造の施設で車椅子での観覧はできません。車椅子を使用することが理由で記念館のみを観覧する場合は、さらに本人の観覧料が100円減免されます。

長谷川町子記念館はバリアフリー施設です。小さな凹凸がある路面を通行してエントランスに進みます。

長谷川町子記念館

出入口はフラットな構造の自動ドアです。車椅子で問題なく出入りができます。1Fにはショップとカフェが営業しています。

長谷川町子記念館

バリアフリートイレは1Fにあります。スペースは一般的なサイズの個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。綺麗なトイレです。

長谷川町子記念館

長谷川町子記念館は2フロア構造の施設で、エレベーターが1基あります。大型の車椅子でも利用できるサイズのエレベーターです。

長谷川町子記念館

1F常設展示室は「町子の作品」。サザエさん一家が出迎えてくれます。

長谷川町子記念館

意地悪ばあさんもいます。

長谷川町子記念館

常設展示室は段差のないフラットな構造です。

長谷川町子記念館

入口近くの壁面には「登場人物相関図」が掲示されています。車椅子から問題なく観覧できます。

長谷川町子記念館

1F常設展示室はデジタルとアナログが組み合わされています。靴を脱いで上がることができるハイブリットなお茶の間があります。

長谷川町子記念館

ハイテク系デジタル展示があります。壁面や床にもデジタル展示が仕込まれています。

長谷川町子記念館

昭和のお茶の間を再現したアナログ展示があります。このお茶の間は上がることができません。

長谷川町子記念館

2Fは常設展示室「町子の生涯」と企画展示室があります。2F常設展示室も車椅子で問題なく観覧できました。

企画展示室では「町子かぶき迷作集」が開催されていました。

長谷川町子記念館

企画展示室もすべて車椅子から観覧できる展示でした。

長谷川町子記念館

2Fにはお庭を見渡す休憩コーナーがあります。

長谷川町子記念館

長谷川町子美術館は段差構造の施設ですが、長谷川町子記念館は車椅子でサザエさんの世界を楽しめるバリアフリーな施設です。

別稿で「世田谷文学館」の情報を掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2022年7月に執筆しました)

等々力渓谷 車椅子で散策ができるバリアフリースポット観光情報

等々力渓谷は矢沢川が武蔵野台地を侵食して形成した、延長約1㎞ある東京都区内唯一の渓谷です。昭和36年から39年にかけて整備され、渓谷沿いに遊歩道などが造られました。

等々力渓谷

しかしながら遊歩道へ至る道はすべて階段路で、車椅子では渓谷に下りることができません。また渓谷沿いの歩道路面はバリアフリー仕様ではなく、散策路の途中には段差箇所が多数あります。

等々力渓谷

一般的な意味での等々力渓谷の散策は車椅子では出来ませんが、等々力渓谷周辺で車椅子が立ち寄れるスポットが3か所あります。「等々力不動尊」「日本庭園の芝生広場」「玉川野毛町公園」です。それぞれのバリアフリー状況を紹介します。

〇等々力不動尊のバリアフリー状況

創建は平安時代後期と伝えられる古刹です。アクセスは等々力駅から徒歩8分の案内。門前に参拝者用の無料駐車場があり、約20台を収容します。身障者用駐車スペースはありません。

等々力渓谷

参拝者専用駐車場で16時半には閉められます。

等々力渓谷

不心得な車には「警告」書が挿まれていました。駐車場は正しく利用してください。

等々力渓谷

門前の道路歩道から、大きな段差はない舗装路面を通行して山門に行くことができます。等々力不動尊は霊場です。

等々力渓谷

お堂への参道はフラットな舗装通路です。車椅子で問題なく移動できます。

等々力渓谷

参道横の浄水は使用できないようになっていました。浄水までの路面はデコボコの石畳みです。

等々力渓谷

お堂前の香炉は車椅子でお参りできます。

等々力渓谷

拝殿に向かい両脇に段差回避スロープが設置されています。等々力不動尊は、段差なく車椅子でお参りができます。

等々力渓谷

正面からみてお堂の右側にテイクアウト喫茶「四季の花」が営業しています。段差迂回スロープを通行して車椅子で利用できます。コーヒー100円、ソフトクリーム300円でした。

等々力渓谷

正面左側に寺務所があります。拝殿前の路面からフラットにそのまま移動できます。事務所の奥の方面が等々力渓谷です。

等々力渓谷

境内に等々力渓谷を見下ろす展望台がありますが、階段を上がらなくてはなりません。

等々力渓谷

上がらなくても、展望台の付近からある程度は等々力渓谷を見渡すことができます。車椅子で無理なくできる等々力不動尊の参拝はここまでです。

等々力渓谷

横をみると、少し低い位置に等々力不動尊の施設の一部が見えます。等々力不動尊は等々力渓谷の不動の滝に不動明王を安置したのが始まりです。バリアフリーな境内から階段を下りるルートで行く等々力渓谷まで、等々力不動尊です。

等々力渓谷

ここから先は階段路を通行するので車椅子でのお参りは困難ですが、どのような施設があるのか、概要を紹介します。階段を下りるとすぐに手水舎があります。今回参拝時が浄水は止まっていました。水面はウクライナカラーのお花が浮かべられています。

等々力渓谷

階段路の途中に祠などがあります。階段を下りきった場所に、等々力渓谷の有名店「お休み処雪月花」があります。靴を脱いで上がるお座敷席のお茶屋さんです。

等々力渓谷

「雪月花」から傾斜路を進むと、不動の滝と等々力不動尊発祥の社があります。

等々力渓谷

現在の不動の滝は、龍の口から細々と水が流れ落ちています。

等々力渓谷

不動の滝の横から段差のある橋を渡ると、等々力渓谷の遊歩道にでます。

等々力渓谷

車椅子でお参りができる「世田谷山観音寺」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

〇日本庭園芝生広場のバリアフリー状況

日本庭園は等々力不動尊の対岸に、昭和36年に造営された施設です。等々力渓谷の崖を階段路で巡る庭園なので、車椅子では散策できません。

等々力渓谷

唯一、等々力渓谷の崖の上に位置する正門から芝生広場のエリアは、車椅子で立ち寄れる場所です。正門から庭園内に入った場所に、身障者用駐車スペースが1台分あり、隣接してバリアフリートイレがあります。

等々力渓谷

バリアフリートイレはスペースに余裕がある個室で、設備はシンプルなトイレです。

等々力渓谷

正門付近から芝生広場付近は、ほぼフラットな地形です。

等々力渓谷

芝生広場の路面はほぼフラットな芝生です。芝が乾いていれば、車椅子で移動できます。限定的な範囲ですが、日本庭園の植栽を上から眺めることができます。車椅子で無理なく利用できる範囲はここまでです。

等々力渓谷

芝生広場の横にある書院は、デコボコが激しい路面を通行するので、車椅子での利用は困難です。

等々力渓谷

〇玉川野毛町公園のバリアフリー状況

玉川野毛町公園は、「野毛大塚古墳」がある公園です。荏原台古墳群の中心となる5世紀初頭に築かれた帆立貝形古墳で、等々力渓谷の観光スポットの一つになっています。古墳の上部に階段で上がることができますが、車椅子では周囲から大型の帆立貝形古墳を見学する観光になります。

等々力渓谷

玉川野毛町公園はテニスコートや遊具広場などがある公園で、18台を収容する来園者用の駐車場があり、身障者用駐車スペースは1台分設けられています。駐車料金の障がい者減免制度があり、公園事務所で手続きをすると無料に減免されます。

等々力渓谷

車椅子で駐車場から出るには、「通り抜け禁止」用パイロンをどかす必要がありました。

等々力渓谷

公園の公衆トイレには、バリアフリートイレがあります。スペースは余裕がある個室で、設備はシンプルなトイレです。

等々力渓谷

野毛大塚古墳は全長104ⅿ、墳丘長82ⅿ、後円部幅28ⅿ、前方部幅28ⅿと大きく、この地の大首長の墓と推定されています。

等々力渓谷

車椅子では見学できませんが、古墳の上部には古墳内の状況を解説する石板が用意されています。

等々力渓谷

古墳内部の実寸大の様子を解説する石板もあります。

等々力渓谷

等々力渓谷の周辺は古墳エリアです。車椅子では見学できませんが、等々力渓谷には3つの横穴墳墓があります。一号横穴と二号横穴は分かりにくい状況ですが、現地に碑があります。

等々力渓谷

完全な形で現存している横穴墳墓は三号横穴で、等々力渓谷の観光スポットの一つです。現地には解説版が設置されています。

等々力渓谷

等々力渓谷は基本的にはバリアフリーではなく、車椅子での散策はできません。「等々力不動尊」「日本庭園の芝生広場」「玉川野毛町公園」の3か所は、限定的ではありますが、車椅子で等々力渓谷観光を楽しむことができます。

(本稿は2022年4月に執筆しました)

世田谷文学館(セタブン)車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都世田谷区にある博物館です。前庭は日本庭園。2Fで企画展、1Fでコレクション展が開催されます。他に1Fにはライブラリーと喫茶がある、車椅子で利用できる施設です。

世田谷文学館

アクセスは蘆花公園駅から徒歩5分の案内。来館者用の地下駐車場が用意されています。地下駐車場の利用方法はHPなどで積極的に説明されていないので、初めての利用だと戸惑うと思います。

駐車場の入口は文学館エントランスの反対側にあります。駐車場入口が面している道路は狭い道ですが、一方通行ではありません。

地上から地下駐車場へは、自動車用エレベーターで移動します。スタッフの誘導に従い、エレベーターに頭から車を入れます。そしてドライバーが窓から手を出して昇降操作ボタンを押します。

世田谷文学館

エレベーターは途中で90°回転して地下に下ります。地下に到着するとゲートが開くので、自走して地下駐車場に出ます。

世田谷文学館

10台以上を収容する文学館利用者専用の地下駐車場です。駐車料金は無料。地下駐車場のスタッフから渡されたチケットを受付に提示して、利用確認印を押してもらい、出庫時にスタッフに提出します。

世田谷文学館

身障者用駐車スペースは1台分設定されています。エレベーターの近くにあります。

世田谷文学館

世田谷文学館はB1から2Fの構造です。エレベーターは1基あります。かごは普通の車椅子なら問題なく収容するサイズです。

世田谷文学館

バリアフリートイレは1Fにあります。

世田谷文学館

個室のサイズはやや狭いトイレで、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。

世田谷文学館

文学館1Fのエントランスはスペースに余裕があるフラットな構造です。入口にはアートが飾られています

世田谷文学館

受付は1Fです。世田谷文学館は観覧料の障がい者減免制度があり、本人は半額、介助者1名が無料に減免されます。受付で障害者手帳を提示して減免措置をうけてください。

世田谷文学館

今回取材時は2Fで企画展「描く人 谷口ジロー展」が開催中。会期は2021年10月16日から2022年2月27日までです。

世田谷文学館

1Fのコレクション展は「セタブン大コレクション展PART1」が開催中。会期は2021年10月16日から2022年3月31日までです。どちらも車椅子で問題なく観覧できる展覧会でした。

世田谷文学館

1Fの中央部にあるイベントスペース「文学サロン」には、記念撮影スポットが設置されていました。文学サロンはフラットな構造で、車椅子で利用できます。

世田谷文学館

文学サロンから中庭の横を通り利用する「喫茶どんぐり」は、フラットな構造で可動式のテーブル席があるお店です。

世田谷文学館

1F館内から日本庭園が鑑賞できます。

世田谷文学館

2Fの企画展会場にエレベーターで上がります。2Fもフラットな構造で、車椅子で問題なく利用できます。入口でチケットを提示して入室します。

世田谷文学館

企画展会場はフラットでスペースに余裕があります。

世田谷文学館

ほぼすべての展示を車椅子から観覧できました。

世田谷文学館

一部を除き、ケース内展示も車椅子から鑑賞できる高さです。

世田谷文学館

記念撮影スポットが用意されています。

世田谷文学館

漱石の記念撮影スポットは、靴を脱いで座敷に上がり、座布団に座ることができます。ここだけは車椅子では参加できない企画でした。

世田谷文学館

今回取材時は企画展の観覧に事前予約は不要でした。観覧するときは最新情報を確認してください。

世田谷文学館

世田谷美術館は車椅子で観覧できるバリアフリー施設です。地下駐車場を利用すれば、雨天でも濡れずに利用できます。

別稿で「世田谷美術館」の情報を掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2022年2月に執筆しました)