都立砧公園「みんなの広場」車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京都世田谷区の砧公園内に2020年に誕生した、インクルーシブな遊具がある児童公園です。車椅子を利用する障がいのある子供を連れて利用する際に、知っていると役立つ情報を紹介します。

都立砧公園 インクルーシブ「みんなの広場」

用賀駅から徒歩20分の案内です。身体障がいのある子供を連れて行くなら、車の利用が便利です。有料駐車場が用意されています。身障者用駐車区画は屋根なしで4台分、公園側に用意されています。

都立砧公園 インクルーシブ「みんなの広場」

駐車料金は障がい者減免制度があり、障害者手帳の提示で無料に減免されます。砧公園の駐車場では、昼間の利用の際は、出庫時の混雑緩和のために、管理事務所で事前に減免手続きを行うことが推奨されています。駐車場脇の管理事務所で、駐車券と障害者手帳を提示すると、無料処理された駐車券に交換していただけます。

問題は混雑です。駅から距離があるためか、車での来園者が多く、好天の週末などは午前中の早い時間に満車になることが多いようです。路上待ちは原則禁止です。

そうなると車椅子の子供を連れての来園は、とても苦労します。隣接する世田谷美術館には、2台分の身障者専用駐車場があり、事前予約制で無料利用できますが、あくまで美術館来館者用です。

車で混雑ピーク時に来園する場合は、お子様の障がいの状況に応じて、利用できそうな近隣の有料駐車場を、事前に探しておくことをお薦めします。

「みんなの広場」は公園駐車場の近くにあります。駐車場内の公衆トイレにバリアフリートイレが1つ用意されています。このトイレが「みんなの広場」に一番近いバリアフリートイレです。

都立砧公園 インクルーシブ「みんなの広場」

屋内トイレなら、世田谷美術館内のバリアフリートイレが利用できます。展覧会を観覧しなくても、トイレの利用は可能です。トイレは各階にありますが、最も近いのは1Fミュージアムショップ奥のトイレです。ユニバーサルベッドは用意されていません。

インクルーシブな遊具がある「みんなの広場」は、昼間のみ利用できます。4月から8月は9時から17時まで。9月から3月は9時から16時までです。

広場の周りはフェンスで囲まれ、出入口には手動門があります。この門を開けて、車椅子で広場内に入ります。

都立砧公園 インクルーシブ「みんなの広場」

移動ルートや遊具の下の路面は、弾力性のある素材が利用されています。車椅子で問題なく移動できます。

都立砧公園 インクルーシブ「みんなの広場」

芝生面もありますが、大きなデコボコはありません。その気になれば、車椅子で通行できます。

都立砧公園 インクルーシブ「みんなの広場」

園内の各所にベンチなどがあり、荷物置き場など、来園者ファミリーの陣地として利用されています。

都立砧公園 インクルーシブ「みんなの広場」

どの遊具で遊べるかはその子の障がいの状況次第です。「ぐるぐるマウンテン」は、他の誰かが押して回さないと動きませんが、回転が怖くなければ利用できます。下肢に障がいがあっても、上肢や知的には大きな問題の無い子供なら、「迷路」「楽器遊具」「おはなしフラワー」などで遊べます。

都立砧公園 インクルーシブ「みんなの広場」

「みらい号」はロングスロープで、車椅子で上部に上がることができます。ただし上部からの滑り台は、車椅子では危険な角度があります。

都立砧公園 インクルーシブ「みんなの広場」

「大型ぶらんこ」内に1つある、円盤状のブランコは、座位確保が難しいレベルの重度障がいがある子供でも、ユラユラと遊べるかもしれません。

都立砧公園 インクルーシブ「みんなの広場」

今回の取材は日曜日の午前中でした。「みんなの広場」は大賑わいです。ブランコは10人以上の子供が、順番を待っていました。遊んでいる大多数の子供は、障がいのない元気な子なので、園内を走り回っています。

都立砧公園 インクルーシブ「みんなの広場」

幼児に特化した広場なので、来園者はほぼ全員が親子連れです。混雑していても、大人が一緒なので、秩序良く遊んでいます。大人の目が行き届いているので、車椅子の子供が一緒に遊んでも、ハプニングは起きにくいのではないかと思われます。

都立砧公園 インクルーシブ「みんなの広場」

「みんなの広場」は、元気な幼児が走り回っている公園です。その中で車椅子の子供も、一緒に遊べる遊具があります。

(本稿は2021年2月に執筆しました)

世田谷観音 車椅子お参りガイド バリアフリー情報

東京都世田谷区の「世田谷山観音寺」は、昭和26年に創建されたお寺です。しかしながら境内は古寺の趣があり、お参りすべきお堂や像が数多くあります。境内はバリアフリー仕様ではありませんが、決定的な段差は回避でき、車椅子でのお参りは可能です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

世田谷の住宅街にあります。三軒茶屋駅から徒歩20分の案内です。バス停「世田谷観音」があります。

参拝者用の無料駐車場があります。駐車区画のない未舗装路面の駐車区画で、HPでは5台分と案内されていますが、整理して駐車すれば10台近くは収容できるスペースはあります。未舗装ですが、固くてフラットな路面なので車椅子で利用可能です。

お寺の参道はバス通り側ではなく、反対側の一方通行路から入ります。ルートは分かりにくいので注意してください。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

参道に入るとすぐに様々な施設があります。参道は舗装路、車椅子で移動できます。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

一対の狗犬は1691年製。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

参道の脇の立派な門は「旧小田原代官屋敷」を移築。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

そして「地蔵菩薩」。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

その横に「さざれ石」があります。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

参道の先にある門は「仁王門」で、段差がありますがスロープが設置されています。ただし参道からいったん未舗装路面に下りて利用します。ここが車椅子の難所です。それでも、一般的な車椅子利用者と介助者なら、クリアできる小さな段差です。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

スロープを上がり「仁王門」に上がります。一対の仁王像は「密迹力士」と「金剛力士」です。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

そして天井には「鳴き龍」があり、現地にある解説版にしたがって手を打つと鳴きます。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

門の反対側にも段差回避スロープがあります。このスロープは舗装路に着地できます。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

舗装された参道の正面に本堂がありますが、まずはその手前や周辺にある数々のお参り先を紹介します。

「六角堂」には国の重要文化財「不動明王」などが納まります。最後に小さな段差がありますが、車椅子でお参りができます。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

その横の池に建つのは「夢違観音」。法隆寺の夢違観音を拡大模写したお姿です。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

池の周りは未舗装ですが、無理のない場所から車椅子でお参りができます。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

「阿弥陀堂」には都の有形文化財「五百羅漢」像が九躰、ほかに「韋駄天神」や左甚五郎の「鬼念仏」などが納まります。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

「阿弥陀堂」は京都二条城から移築された木造三層構造の建物です。最後に段差がありますが、車椅子で近づいてお参りができます。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

本堂方面に向かい、弘法大師由来の「三鈷の松」、「水屋」、「馬頭観音」や「八方睨みの達磨様」などが並びます。この中で「水屋」は、段差があり車椅子では利用しにくい構造です。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

そして本堂の「観音堂」の前まで舗装参道は続きます。本堂は段差がありスロープはありませんが、香炉の手前からなら車椅子で問題なくお参りが出来ます。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

お堂の正面には見事な一本彫りの竜神様が飾られています。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

参道から本堂をみて、左奥側に「特攻観音堂」があります。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

ここへの参道は石畳風で、車椅子での移動はなんとか可能です。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

その先に「鐘楼堂」。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

そして「多宝塔」周辺の通路は、車椅子での利用が難しい石畳です。周囲の未舗装路面を無理して車椅子で進みます。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

本堂の右側奥には、ご神木と裏門に続く「百八煩悩減除階段」があります。この方面も、デコボコがある石畳の通路で、なんとか車椅子で移動できます。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

108枚の板石で作られている階段は、車椅子では上からのぞくことになります。

世田谷観音 車椅子でお参り バリアフリー情報

世田谷観音はお参り先が多々あるお寺です。そしてそのほとんどは、多少無理をすれば車椅子でお参りができます。

別稿で「三軒茶屋の街歩き 車椅子利用者のためのバリアフリー情報」を掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2020年6月に執筆しました)

三軒茶屋の街歩き 車椅子利用者のためのバリアフリー情報

東京都世田谷区の三軒茶屋は、1970年代に整備された都市環境が残るエリアで、バリアフリー面での課題が残る街です。世田谷区では2019年に「まちづくり基本方針」を策定し、都市整備に取り組んでいます。現時点の車椅子で快適に利用できる三軒茶屋の主なバリアフリー施設の状況を紹介します。

○地下鉄三軒茶屋駅

地下鉄駅からは、キャロットタワー方面の「パティオ口」しかエレベーターがありませんでしたが、三軒茶屋駅の真上「南口」方面に出るエレベーターが、2019年に供用されました。

○三軒茶屋銀座商店街

茶沢通り沿いに並ぶ150店ほどの商店街で、日曜祝日は歩行者天国になります。茶沢通りの歩道は、世田谷区のバリアフリー化整備事業の第一号に指定され、2010年から2013年にかけて3期に分けて整備されました。車椅子で通るとはっきりと解るバリアフリー歩道です。

バリアフリー歩道は、三軒茶屋交差点から北に約360mの区間です。歩道の路面材は「透水性インターロッキングブロック」という、滑りにくい素材です。歩道上の急こう配や段差が解消されています。「茶沢通り」に交わる細い横道が多数ありますが、この横道を横断する際に、勾配や段差のない歩道になっています。勾配を解消した細い横道との交差部には点字ブロックがあります。また商店街のお店の出入口を、緩やかな勾配で歩道の高さに合せる改良も行われました。このようなバリアフリー化整備事業によって、三軒茶屋銀座商店街は、傾斜がほぼなく、商店への出入りも楽なバリアフリー歩道になりました。

日曜祝日は歩行者天国になる「茶沢通り」。車道にもバリアフリー化整備が施されています。車道の舗装は低騒音の排水性舗装。車道の脇には雨水の排水能力を高める円形側溝を設置。更に太陽光によるアスファルトの温度上昇を抑制する遮熱性舗装を施工。これらにより、静かで、涼しく、排水のよい車道に改良されています。

三軒茶屋銀座商店街

○世田谷区民会館別館

三軒茶屋銀座商店街にある施設で、「三茶しゃれなあどホール」などが入ります。世田谷区民会館別館は、土日祝も開館します。

1Fの奥に、広いスペースで綺麗なバリアフリートイレがあります。車椅子での三軒茶屋散策途中のトイレ休憩にお薦めします。同じ通りにある「三軒茶屋ふれあい広場」奥の「世田谷区役所太子堂出張所」にも、バリアフリートイレがあります。開庁中は利用できます。

世田谷区民会館別館

○キャロットタワー

1996年竣工の三軒茶屋のランドマーク。外壁が「にんじん色」なので「キャロットタワー」と名付けられました。

キャロットタワー

元々の設計はあまりバリアフリーではありませんが、改装されてバリアフリーが進み、現在ではほぼ全館を車椅子で利用できます。

地下鉄駅に直結、世田谷線駅は横、地下駐車場があります。世田谷区の半官営施設ですが、駐車場料金の障がい者減免制度はありません。

1Fエントランスはバリアフリー改良済みです。B1と地下鉄駅を結ぶ通路に階段がありますが、見えにくい場所に段差迂回スロープが設置されています。ここ以外にも段差箇所は多々ありますが、迂回ルートが用意されています。

スーパーやグルメ店などの商業施設、「パブリックシアター」などの世田谷区の文化施設と行政窓口施設、賃貸オフィス、展望室などから構成される複合施設です。

26Fは無料展望ロビーです。夜景スポットとして有名です。2012年に改装されてバリアフリーになりました。車椅子で安心して利用できる展望ロビーです。

キャロットタワー

展望ロビーへのエスカレーターは2Fから乗ります。車椅子利用の場合は、地階や1Fから別に1基あるエレベーターに乗って2Fに行き、乗り換えます。この2Fの乗り換え通路の途中に、バリアフリートイレが設置されています。エレベーターは2Fから26Fへ直行します。大型の車椅子でも乗り込める大きさです。

キャロットタワー

26F展望ロビーにはレストラン「スカイキャロット」があります。決定的な段差は無くスペースに余裕があるので、車椅子で利用できるレストランです。

スカイキャロット

「FM世田谷」のサテライトスタジオ「スタジオキャロット」があり、午後の時間帯によく使用されています。

キャロットタワー

無料の展望ロビーは、夜23時まで開放されています。26F展望ロビーは、正式には「世田谷区民会館第二別館」という施設です。

「世田谷区民会館」は、区役所に隣接した場所。「世田谷区民会館別館」は、茶沢通り沿い。ここキャロットタワー26Fが「第二別館」。区民施設の一つに位置付けられますが、世田谷区民以外の人も自由に利用できます。

キャロットタワー

車椅子で三茶を散策して、なにか困ったら「キャロットタワー」へ行けば、トイレ、食事、休憩、買い物・・・、とりあえず車椅子でも何とかなります。

キャロットタワー

人気タウンの三軒茶屋ですが、三角地帯など三茶らしいエリアは、車椅子にあまり優しくありません。車椅子で利用できる飲食店は少ない街です。最新のバリアフリー情報を確認して、車椅子での街歩きに出かけて下さい。

三軒茶屋からアクセスする世田谷の名刹「世田谷山観音寺」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2019年12月に執筆しました)