障がいのある人にもお薦め「オラファー・エリアソン展」東京都現代美術館

東京都江東区にある東京都現代美術館の展覧会「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」は、車椅子でも参加できる体験型の作品が多く、身体障がいのある人、そして知的あるいはコミュニケーション面での障がいのある人にもお薦めできる展覧会です。

会期は2020年6月9日から9月27日まで。観覧料は障がい者減免制度があり、障害者手帳の提示で本人と介助者2名までが無料に減免されます。

車椅子で観覧した展覧会の様子を紹介します。

「オラファー・エリアソン展」東京都現代美術館

東京都現代美術館はバリアフリー施設です。車椅子での利用に大きな問題はありません。

「オラファー・エリアソン展」の会場はB2展示室です。企画展示室の総合受付で障害者手帳を提示して入館します。地階への一般ルートは階段ですが、車椅子利用者用のエレベーターが受付右手の奥にあります。

「オラファー・エリアソン展」東京都現代美術館

重度重複障がいの人にもお薦めできる作品を抜粋して紹介します。「太陽の中心への探索」は、ソーラーエネルギーで光と動きを生み出しています。

「オラファー・エリアソン展」東京都現代美術館

展示室には床にライトが置かれているだけです。その前を観覧者が横切ると、動いているときだけ見える作品が展開されます。会場の皆さん、壁の前で動いて踊って、作品を楽しんでいます。作品名は「あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること」です。

「オラファー・エリアソン展」東京都現代美術館

作品のタイトルは「おそれてる?」。3枚のガラス板はそれぞれ特定の波長を反射または透過させる加工がなされています。色が合わさる瞬間だけ見える世界が展開します。

「オラファー・エリアソン展」東京都現代美術館

展覧会のタイトルになっている作品です。暗幕に囲まれた巨大な空間の中に、水が張られたシャーレが置かれ、12のスポットライトで照らされます。水面が揺れると、さざ波のような光が空間に広がります。東京都現代美術館の空間を生かした、本展のための新作です。

「オラファー・エリアソン展」東京都現代美術館

暗い空間の中に、ミストシャワーがあり、そこに虹がかかります。作品名は「ビューティー」。車椅子で虹の向こうに渡ることができます。本物のミストシャワーなので、その下にいると本気で濡れます。

「オラファー・エリアソン展」東京都現代美術館

主な作品を紹介しました。ほかにも面白い作品が多々あります。幅広い層の方にお薦めできる展覧会です。

東京都現代美術館のバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ご参照ください。

江戸の災害を今に伝える 深川洲崎神社 車椅子参拝バリアフリー情報

創建は1700年。東京都江東区木場にある神社です。境内はフラットな地形ですが、本殿拝殿へは階段がありスロープはありません。車椅子での参拝には制約があります。現地の状況を紹介します。

深川 洲崎神社 車椅子バリアフリー情報

木場駅から徒歩5分程度です。参拝者用の駐車場はありません。江戸時代からの参道は「新田橋」を渡るルートと考えられていますが、この橋は階段があります。車椅子では大通り側からアプローチします。三ツ目通りから、大きな赤い鳥居が見えます。

深川 洲崎神社 車椅子バリアフリー情報

舗装されたフラットな境内です。鳥居から問題なく車椅子で境内に入ることができます。

深川 洲崎神社 車椅子バリアフリー情報

参道の横にある手水舎は、段差があり車椅子では利用しにくい構造です。

深川 洲崎神社 車椅子バリアフリー情報

参道の先の本殿拝殿は、5段+6段の二段階の階段の上にあります。段の手前からの参拝だと、拝殿まではかなり距離がある感覚です。

深川 洲崎神社 車椅子バリアフリー情報

本殿拝殿以外は、ほとんどフラットな地形上にあるので車椅子でお参りできます。

稲荷神社などお末社は、一部未舗装路面を通過しますが、車椅子で参拝可能です。

深川 洲崎神社 車椅子バリアフリー情報

睨みを利かす一対の狛犬は、車椅子で見学できます。

深川 洲崎神社 車椅子バリアフリー情報

将軍綱吉の母が語源になった「玉の輿」。縁のある社なので「たまちゃん」がいます。

深川 洲崎神社 車椅子バリアフリー情報

境内の出入口近くにある碑は、江戸時代1791年の高潮被害に由来します。

当時の当地は誕生して間もない埋立地で、潮干狩り、船遊びができる人気景勝地でした。そこに台風による高潮が発生し、この一帯が壊滅的に被災したことを後年に伝える碑です。

深川 洲崎神社 車椅子バリアフリー情報

深川の洲崎神社は、拝殿は段差があり車椅子では参拝できません。津波警告の碑など、境内の主な施設は車椅子でお参りできます。

近隣の商業施設「深川ギャザリア」の情報を別稿で掲載しています。ご参照ください。

(本稿は2020年5月に執筆しました)

深川ギャザリア・木場千年の森 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京都江東区木場の「深川ギャザリア」は、イトーヨーカドー木場店が核テナントの商業施設で、車椅子で散策ができるビオガーデンとイングリッシュガーデンがあります。現地のバリアフリー状況を紹介します。

アクセス方法です。木場駅から徒歩2分の案内です。身障者用駐車区画が用意されている有料駐車場が3カ所あり、計1,300台以上を収容します。最初の2時間は無料です。地下鉄または車で、車椅子で問題なくアクセスできる環境です。

「深川ギャザリア」は、(株)フジクラの工場跡地再開発事業です。敷地内には「フジクラ本社棟」、オフィスが中心の「タワーN棟」「タワーS棟」「ウエスト1棟」「ウエスト2棟」「ウエスト3棟」「R&Dセンター」などが配置されます。

商業施設棟は「イトーヨーカドー木場店」、専門店街の「プラザ棟」「北プラザ棟」「新北プラザ棟」です。

深川ギャザリア・木場千年の森

一般利用できる有料駐車場は「イトーヨーカドー木場店」の4F・5F・屋上、「プラザ棟」のB1、そして「西立体駐車場」の3カ所です。

深川ギャザリア

道を挟んだエリアに「フジクラ木場千年の森」という名の、ビオトープ+ガーデン=ビオガーデンがあります。敷地内はアップダウンがないフラットな地形で、舗装通路が整備されています。バリアフリートイレは各施設に配置されています。商業施設エリア全体、車椅子での利用に問題はありません。

深川ギャザリア・木場千年の森

「フジクラ木場千年の森」のバリアフリー状況です。関東沿岸部の自然再生を目標にした2,200㎡のビオガーデンです。入園無料で、日中時間帯に開園します。園内の通路はバリアフリーで、車椅子での散策に問題はありません。

深川ギャザリア・木場千年の森

ビオガーデンの基本構造は二つの池とそれを繋ぐ小川です。水はポンプで循環。そこに日本固有種の魚類を放流し、植物を植栽しました。オイカワ、モツゴ、ドジョウ、メダカ、シジミが泳ぎ、スダジイ、エノキ、ヤマツツジ、ヤマブキなどが茂ります。

数百年前の武蔵野台地の自然の再生がテーマです。この「木場」の地のかつての自然の再現ではありません。この地はかつては海だった埋立地です。横を流れる「平久川」は運河で、ドジョウやメダカが遊ぶ川ではありません。

一つの池の周りは保護エリアとして「立入禁止」。もう一つの池の周囲は散策路になっています。「東屋」があり、中にこのビオガーデンに関する解説が掲示されています。

深川ギャザリア・木場千年の森

2010年に完成したビオガーデンです。スダジイなどの巨木になる樹はまだ十分に成長していません。水草やコケ類などは、徐々に定着してきました。

魚類などの水生生物が魅力ですが、池の周囲の散策路から普通に覗くだけでは、その姿を車椅子からはっきりと見ることはできません。

当初はこの「フジクラ 木場千年の森」の場所は、駐車場になる設計案でしたが、公開地として緑化する案に変わり、(株)フジクラが、地域の方が憩い、子供たちの教育の場となるために記念事業として建設しました。

公表されている情報では「フジクラ 木場千年の森」の年間運営費は約1千万円で、(株)フジクラが負担しています。

深川ギャザリア・木場千年の森

「ガーデンコート」のバリアフリー状況です。木場駅方面から「イトーヨーカドー木場店」にかけての通路周辺が、10テーマ130種の植物が植栽されたイングリッシュガーデン「ガーデンコート」として整備されています。

深川ギャザリア・木場千年の森

2010年に屋外スペースのリニューアルで誕生しました。フラットな舗装路で、車椅子で散策できます。

深川ギャザリア・木場千年の森

「ガーデンコート」は、小径によって10のテーマに分類されていて、あまり見かけない植物があります。名称がプレートに表示されている植物は、ごく一部だけです。

深川ギャザリア・木場千年の森

バラのアーチや八重の草木を集めた「ウエルカムガーデン」。風が吹くとそよぐ草木を集めた「風の丘」。白い花、白い葉、白い幹など、白が特徴的な草木を集めた「ホワイトガーデン」。高さ、色、形の違う針葉樹を集めた「コニファーガーデン」。野菜類の「ベジタブルガーデン」。他に「テラコッタガーデン」「スクリーガーデン」など。

深川ギャザリア・木場千年の森

色、形、高さなど、植栽の組み合わせが美しく、ところどころに置かれている「カバの親子」や「アザラシの親子」などのアートオブジェも魅せます。造園の専門会社が手掛けた庭園です。

深川ギャザリア・木場千年の森

深川ギャザリアは車椅子でアクセスしやすいバリアフリー施設です。イトーヨーカドーなど商業施設内はもちろんのこと、「フジクラ木場千年の森」と「ガーデンコート」の屋外施設も車椅子で散策できます。

江戸最大の八幡様「富岡八幡宮」が近くに鎮座しています。別稿で詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。

(本稿は2019年11月に執筆しました)