千曲市の国名勝 姨捨(おばすて)の棚田 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

松尾芭蕉や小林一茶が訪れ歌を詠み、歌川広重が浮世絵を描いた姨捨の棚田。令和2年には日本遺産に認定されました。長野県千曲市にある姨捨の棚田は、16世紀から造営されてきた棚田です。現地の案内板によると、現在では約1500枚の棚田が展開しているそうです。

姨捨の棚田

姨捨の棚田は傾斜地にあり、バリアフリーな展望台がありません。今回取材で車椅子観光が可能な箇所を探したところ、JR姨捨駅に近い踏切のそばにある駐車場が利用できれば、何とか車椅子で棚田の景観を観ることが出来ることがわかりました。

駐車場は5台程度収容可能な広さで路面は未舗装、快適なバリアフリー駐車場ではありません。また周囲はアップダウンがある傾斜地なので、車椅子では無理のない範囲での見学になります。

姨捨の棚田

また観光案内によると、JR姨捨駅のホームから姨捨の棚田を眺望することが出来るそうです。

(本稿は2024年4月に執筆しました)

千曲市の古刹「智識寺」の情報を別稿で掲載しています。ご参照ください。

創建は室町時代 千曲の古刹 智識寺 車椅子お参りガイド バリアフリー情報

創建は740年。長野県千曲市に建つ、立木仏の十一面観音立像がご本尊の古刹です。本堂の「大御堂」は明治時代国宝に指定されました。現在は国の重要文化財です。

アクセスは車が便利。傾斜地に建つお寺で、参拝者用駐車場は参道より少し高い位置にあります。そこから車道に出て道を下ると、大わらじが奉納された仁王門にでます。

智識寺

仁王門は段差解消されています。舗装された参道を通り大御堂へ進みます。大御堂の手前で参道の中央に香炉があるので、車椅子では香炉の手前からお参りします。少し無理して香炉を避けて未舗装路面に降りて迂回すれば、大御堂の前まで進むこともできます。大御堂の内部へは階段のみ。車椅子での内陣見学は困難です。

今回のお参りは冬季でしたが、境内は紫陽花が植栽され、また秋の紅葉が美しいそうです。千曲市の智識寺はバリアフリーではありませんが、多少のアップダウンとデコボコを乗り越えれば、車椅子でお参りができます。

(本稿は2024年4月に執筆しました)

信州千曲の酒蔵「酒井銘醸と長野銘醸」を別稿で掲載しています。ご参照ください。

信州千曲の酒蔵 酒井銘醸と長野銘醸 車椅子見学ガイド バリアフリー情報

長野県千曲市にある2つの酒藏は、直売所の他にも見所がある老舗です。400年の歴史がある「酒井銘醸」の母屋は築230年の巨大な茅葺屋根の建物。内部で営業している蕎麦処は段差構造ですが、ショップは車椅子で買い物ができます。

酒井銘醸と長野銘醸

母屋の他に宝暦蔵、寛政蔵、慶応蔵、明治蔵、大正蔵などがあり、大正蔵は「酒造資料室」として公開されています。段差構造の箇所もありますが、車椅子で歴史的建造物が見学できます。

酒井銘醸と長野銘醸

公開している施設全体の名称は「酒造コレクション」。伝統ある酒蔵の歴史を学べます。

酒井銘醸と長野銘醸

長野銘醸は元禄2年(1689年)の創業。湧水と棚田でつくるお米を使用した酒蔵です。江戸末期に建てられた木造2階建ての建物で現在も酒造りが行われています。

酒井銘醸と長野銘醸

敷地内はアップダウンがあるので、駐車場から車椅子で直売所まで移動するのは大変です。車椅子の人がいる場合は、直売所の近くまで車で来てかまわないそうです。

酒井銘醸と長野銘醸

見逃せないのは駐車場の近くにある松の巨木です。

酒井銘醸と長野銘醸

嘉永2年の「善光寺道名所図会」に記載された記録が残る「七曲の松」です。車椅子で鑑賞できる銘木です。

酒井銘醸と長野銘醸

信州千曲の酒蔵、酒井銘醸と長野銘醸は古い建物が残る施設なので全面的にバリアフリーとはいえませんが、車椅子で見所が見学できる老舗です。

(本稿は2024年4月に執筆しました)

隣町の長野県坂城町「鉄の展示館」を別稿で掲載しています。ご参照ください。