長野県千曲市にある2つの酒藏は、直売所の他にも見所がある老舗です。400年の歴史がある「酒井銘醸」の母屋は築230年の巨大な茅葺屋根の建物。内部で営業している蕎麦処は段差構造ですが、ショップは車椅子で買い物ができます。
母屋の他に宝暦蔵、寛政蔵、慶応蔵、明治蔵、大正蔵などがあり、大正蔵は「酒造資料室」として公開されています。段差構造の箇所もありますが、車椅子で歴史的建造物が見学できます。
公開している施設全体の名称は「酒造コレクション」。伝統ある酒蔵の歴史を学べます。
長野銘醸は元禄2年(1689年)の創業。湧水と棚田でつくるお米を使用した酒蔵です。江戸末期に建てられた木造2階建ての建物で現在も酒造りが行われています。
敷地内はアップダウンがあるので、駐車場から車椅子で直売所まで移動するのは大変です。車椅子の人がいる場合は、直売所の近くまで車で来てかまわないそうです。
見逃せないのは駐車場の近くにある松の巨木です。
嘉永2年の「善光寺道名所図会」に記載された記録が残る「七曲の松」です。車椅子で鑑賞できる銘木です。
信州千曲の酒蔵、酒井銘醸と長野銘醸は古い建物が残る施設なので全面的にバリアフリーとはいえませんが、車椅子で見所が見学できる老舗です。
(本稿は2024年4月に執筆しました)