足が悪い人のための 赤城自然園 バリアフリー情報

群馬県渋川市赤城町、赤城山の中腹にある「赤城自然園」は、整備された散策路から赤城の自然を楽しめる施設です。少し足が悪いレベルの人ならほぼ全域、車椅子でも部分的には利用できます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

なお赤城山山頂付近のバリアフリー状況は、別稿「赤城山 山頂周辺の車椅子観光ガイド バリアフリー情報」を参照してください。

赤城自然園

自然園の全体概要です。「ここはしあわせを育てる森」、赤城山の中腹に広がる自然のままを楽しむ自然園です。120haの敷地の内、自然のままの林を安全に気軽に散策できるように整備して、現在開放されているのは半分の60haです。

散策路は未舗装の自然路でアップダウンがあります。「足に優しい散策路で、車椅子でも入園できます」というガイドになっていますが、山中の自然公園なので、車椅子での全域の散策は困難が伴います。しかし少し足が悪いくらいの人なら、十分に散策が可能です。

自然園の全体概要

赤城自然園の歴史を紹介します。西武グループがゴルフ場や別荘地を開発するために、1971年からこの一帯の土地の取得をはじめ、1980年にはほぼ現在の自然園全域の土地を取得しました。

この段階で企業メセナ活動として「自然園構想」が生れ、1986年には構想がまとまり、翌1987年には行政認可がおりました。1993年に部分開園。2007年までは年間50日間だけの開園。2009年にクレディセゾンに運営が移り、2010年からは年間150日間の開園になりました。

2018年からは通年開園になっています。ただし休園日があるのでHPなどでスケジュールを確認して利用してください。

赤城自然園の歴史

アクセスは車です。400台程度を収容する無料駐車場があります。駐車場は未舗装路面ですが、デコボコの少ない堅い路面なので、車椅子での利用はなんとか可能です。

駐車場から「総合案内所」に移動します。この間のルートもほぼ未舗装路面ですが、車椅子で頑張れば移動できます。

赤城自然園の近くにはCVSはありません。特に赤城IC方面からアクセスすると、途中に商業施設はほとんどありません。

総合案内所

赤城自然園は有料の施設ですが障がい者減免制度があり、本人と介助者1名の入園料が無料に減免されます。

またクレディセゾンの運営なので、セゾンカードをもっている本人のみ、入園料が半額に減免されます。

入園料の障害者減免制度

入園口近くにトイレがあり、綺麗なバリアフリートイレが用意されています。

「総合案内所」で車椅子の貸し出しサービスがあります。手動車椅子は無料で、電動車椅子は予約制で有料です。

園内はアップダウンがある整備された未舗装の散策路を進みます。利用する方の障がいの状況次第ですが、貸出用電動車椅子の利用が出来るようであれば、電動車椅子は園内散策の強い味方になります。

障害者用トイレと電動車椅子の貸し出し

入園口に近くにある「展示棟」はバリアフリー仕様です。飲食ができる休憩コーナーと、赤城の自然を知る展示などがあります。

展示棟はバリアフリー

園内は3つの区域に分けられています。

出入口に近いエリアが「セゾンガーデン」。アップダウンが少ないので、車椅子で少し無理をすれば散策できるエリアです。

セゾンガーデンは車椅子でも散策可能

2つ目のエリアは「四季の森」。ここにはツリーハウス「樹上小屋」があります。このエリアまで車椅子で行くのは大変です。アップダウンと未舗装路に耐える頑丈な車体の車椅子と、元気な介助者が必要です

3つ目は「自然生態園」。「四季の森」よりはアップダウンが少しは楽です。「昆虫館」などがあるエリアです。

両エリアとも、メイン散策路以外に横道のような散策路があります。横道の方がアップダウンやデコボコ段差はキツイ傾向があります。

四季の森と自然生態園

足が悪い人でも安全に楽しめる大自然が魅力です。美味しい空気、豊かな緑、季節のお花、そして昆虫や野鳥。整備された歩道を歩きながら、これらの自然を楽しめます。

赤城自然園は全域において自然のままですが、「セゾンガーデン」のなかの「シャクナゲ園」付近は、人工的に植生が整備されています。

また園内を流れる水は地下水を組みあげたもので、天然の小川ではありません。

自然の中の人工物

赤城自然園は足が悪い人でも自然を楽しめる施設です。無理が出来ない車椅子利用者でも「セゾンガーデン」内の入園口付近なら散策できます。

昭和ICからすぐの場所にある「道の駅あぐりーむ昭和」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2019年9月に加筆修正しました)

観光吊橋を車椅子で渡る 上野スカイブリッジ バリアフリー情報

群馬県上野村の「上野スカイブリッジ」は、車椅子で利用できる観光吊橋です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

上野スカイブリッジ

スカイブリッジの概要です。全長225m、高さ90mの観光吊橋です。吊橋上はほぼフラットで車椅子での通行に大きな問題はありません。車椅子同士のすれ違いも可能な幅があります。

上野スカイブリッジ

場所は日航機墜落事故の御巣鷹山にも近いエリア。大自然の山の中です。

なお日航機墜落事故追悼施設「慰霊の園」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

アクセスは車です。国道からはずれ、大型車両通行禁止の見通しの悪い山中の道路を通ります。

橋の両方からアクセスが可能ですが、車椅子利用者にお薦めなのは、川和自然公園側からのアクセスです。こちらからならスカイブリッジの横まで車で進めます。

川和自然公園側の無料駐車場は3つあります。一番先にある3つ目の駐車場がスカイブリッジの目の前です。ここに車を停めると、フラットに吊り橋に移動できます。

上野スカイブリッジ

スカイブリッジは有料です。しかし無人の施設で「一人百円を払って・・・」という音声案内が流れ、料金箱が置かれています。

上野スカイブリッジ

吊り橋に入るところが、3㎝くらいの段差と門扉のスライド用レールがあり、見た目はたいしたことがないのですが、車椅子で通行すると引っかかりました。吊り橋への最初の一歩は注意してください。

上野スカイブリッジ

スカイブリッジの床面には、ところどころに下がのぞける網穴があります。もちろん安全で、車椅子が引っかかるようなことはありません。

上野スカイブリッジ

30分毎に10分間、スカイブリッジにジャボン玉が舞う演出があります。初回が10時、最終が15時30分です。

上野スカイブリッジ

期間は4月から11月。荒天の日と冬季は、シャボン玉演出はおこなわれません。

上野スカイブリッジ

近隣施設のバリアフリー状況です。川和自然公園側の対岸は「まほーばの森」というアウトドア施設があり、バリアフリートイレがあります。ただし冬季は休日でもクローズすることがあります。

上野スカイブリッジ

川和自然公園の先には鍾乳洞「不仁洞」がありますが、当然ながらバリアフリーではありません。

「上野スカイブリッジ」は、車椅子で眼下に渓谷と森が広がる景観を楽しめる観光吊橋です。

(本稿は2020年9月に加筆しました)

車椅子で訪ねる桐生 観光スポットのバリアフリー情報

群馬県桐生は、古い建物が残る織物の街です。車椅子からみた市街地の主な観光スポットのバリアフリー状況を紹介します。

有鄰館はバリアフリー

織物産業で栄えた桐生の歴史を伝える、古い建物が残る本町1・2丁目と天神町の一部は、2012年に国の「桐生市桐生新町重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。

有鄰館はバリアフリー

「桐生市有鄰館」

その観光ポイントが「桐生市有鄰館」です。無料駐車場とバリアフリートイレがあり、建物内は車椅子で見学が出来ます。

有鄰館はバリアフリー

身障者用駐車区画は一般駐車場とは離れた場所、本町通りから有鄰館敷地内に入って右側に1台分あります。その区画の隣がバリアフリートイレがあるトイレ棟です。バリアフリートイレにユニバーサルベッドはありません。赤ちゃん用のシートはあります。

隣接する「桐生市歴史文化資料館」の無料駐車場にも身障者用駐車区画があり、有鄰館観光にも利用できます。

桐生市歴史文化資料館」の無料駐車場にも障害者用駐車区画があり

「桐生市有鄰館」は古い倉庫群を一般開放している施設です。米蔵、酒蔵などの内部を車椅子で見学することが出来ます。

桐生市有鄰館」は古い倉庫群を一般開放している施設

桐生市有鄰館」は古い倉庫群を一般開放している施設

「桐生市歴史文化資料館」は小さな資料館ですが、車椅子での見学は可能です。資料館にはトイレはありません。

桐生市歴史文化資料館」は小さな資料館ですが

桐生市歴史文化資料館」は小さな資料館

隣接する「矢野本店」の看板がかかる古い商店は「喫茶有鄰」が入る土産店です。店内はフラットな部分が多く、売り場は車椅子で利用できます。

矢野本店」の看板がかかる古い商店

「矢野本店」から道を挟む「三越」は、越後屋時代からこの地にある店舗です。「桐生市有鄰館」を拠点に、段差の無い舗装路だけを通り、伝統的建造物群保存地区を車椅子で散策できます。

伝統的建造物群保存地区を車椅子で散策

「絹撚記念館」

桐生市近代化遺産の「絹撚記念館」は、2フロア構造で1Fは車椅子で見学できます。

絹撚記念館

建物は「旧模範工場桐生撚糸合資会社事務所棟」で有料施設です。

絹撚記念館

無料駐車場があります。建物の正面入口は階段ですが、駐車場からスロープがあり、裏口から入館することが出来ます。スロープにあるインターフォンで館内スタッフに連絡をして、裏口を開錠していただきます。

絹撚記念館

1Fの展示室内は段差解消スロープがあり、車椅子で見学できます。2F展示室へは階段のみです。主要な展示は1Fにあるので、1Fだけでも見学する価値はあります。

絹撚記念館

絹撚記念館

トイレは1Fにありますが、一般用だけでバリアフリートイレはありません。

絹撚記念館

「桐生織物記念館」

「桐生織物記念館」は、昭和9年に建てられた「桐生織物同業組合」の事務所棟で、国の登録有形文化財に指定されている建物です。

桐生織物記念館

前庭部が無料駐車場です。エントランスは正面が階段、両横からはスロープ。スロープ路の上部は両横とも建物の劣化による「頭上注意」という案内があり、通行しないように簡易な柵が置かれています。頭上を注意しながら車椅子で通行してください。

桐生織物記念館

その先、エントランスに2か所段差があり、段差解消簡易スロープが置かれていますが、車椅子では苦戦する段差です。

エントランスに2か所段差があり、段差解消簡易スロープ

入館は無料。1Fが「桐生織物販売場」で2Fが「織物資料展示室」です。2Fへは階段のみです。

桐生織物販売場

1Fの売場は左右2か所に分かれています。どちらも出入口はドアノブを回す手動ドアです。

桐生織物販売場

1F売場内はフラットで通路幅もあり、車椅子での利用は可能です。

桐生織物販売場

1Fにトイレがありますが、バリアフリートイレはありません。

桐生織物販売場

「大川美術館」

素晴らしいコレクションが魅力の「大川美術館」は、郊外の水道山傾斜地に建ちます。

駐車場は水道山公園の無料駐車場を利用します。駐車場には身障者用駐車区画はありません。駐車場から美術館までは舗装された傾斜路を通ります。

素晴らしいコレクションが魅力の大川美術館

エントランスは美術館の最上階になります。

エントランスは美術館の最上階

大川美術館の観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。受付で手帳を提示して減免措置を受けます。

大川美術館は車椅子不可

車椅子で移動できるのは、受付のある最上階のフロアだけです。その先はすべて階段を利用しての移動になります。足が悪く、階段の利用が辛い方も、利用が難しい美術館です。トイレは途中階に1カ所ありますが、バリアフリートイレはありません。

「桐生市有鄰館」及びその周辺の「桐生新町重要伝統的建造物群保存地区」は、車椅子で観光できます。

桐生市にある「道の駅くろほね・やまびこ」の情報を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2019年8月の取材に基づいています)