茨城県常陸大宮市の「山方淡水魚館」は、特別天然記念物「オオサンショウウオ」が展示されるミニ水族館です。とても狭い空間ですが、車椅子での利用は可能です。現地のバリアフリー状況を紹介します。
なお本稿は2016年7月の取材に基づいています。
○水族館の成り立ち
住所は常陸大宮市山方。合併前の山方町の町営施設として、1986年に開館しました。
当初は奥久慈に生息する「オオサンショウウオ」だけが展示されている水族館で、現在よりも更に小さい施設でした。
○駐車場とトイレの状況
アクセスは車が便利です。
駐車場は水族館の前の道を挟んだ反対側です。未舗装路面で、駐車場というよりは空き地という印象です。
施設にはバリアフリートイレはありません。
同一敷地内に隣接して公営の高齢者福祉施設があります。困った時はこの施設のトイレを借りれば、何とかなると思われます。
○館内のバリアフリー状況
有料施設ですが、入館料の障がい者減免制度はありません。
建築面積は約220㎡で平屋構造。水槽は総計21槽。敷地内屋外には小さな池があります。
施設の入口は自動ドアで、狭いながらも車椅子で入館できます。
入口の先に窓口があり、そこで入館料を支払います。
窓口から2歩進むと、特別天然記念物「オオサンショウウオ」の水槽が3槽並びます。それぞれの水槽に「オオサンショウウオ」が一匹と数匹の金魚が泳いでいます。
「オオサンショウウオ」の水槽ゾーンを抜けると、円形の建物内に入ります。
円形建物の約半分に大型水槽があります。傾斜に段差をつけて、川の上流には「岩魚」、下流には「雷魚」など、生態系に合せた淡水魚の区分展示をしています。
車椅子では段差の下から全体を監察します。距離がないので、問題なく水槽を見学することができます。
円形の残り半分は小さな置き水槽が10槽ほどあり、淡水魚が展示されています。
円形の中心部には「タッチ槽」と掲示がある、手が入れられる小プール状の水槽があり、金魚系の魚が泳いでいます。
展示はこれですべてです。所要時間はゆっくり観察して「オオサンショウウオ」で5分、円形の建物内で5分、計10分程度。展示されている淡水魚は「40種類以上」という案内になっています。
○ミニSLやミニ新幹線の運転
土日だけですが、福祉施設の前庭部で、5mほどの線路を動く、幼児向けのミニSLやミニ新幹線の運転が行われています。
水族館の入館者は無料で利用できます。6歳未満の水族館への入館料は無料なので、実質幼児は無料で遊べます。
山方淡水魚館は、車椅子で特別天然記念物「オオサンショウウオ」が観察できる施設です。