自動ブレーキなど主要メーカー福祉カーに装備される先進安全装置

自動ブレーキなど主要メーカー福祉カーに装備される先進安全装置

各メーカーがカタログモデルとして販売している福祉車両には、軽自動車からフルサイズミニバンまで、今やすべての車両にカメラとレーダーが装備され、自動ブレーキなどの先進安全システムが実装されています。

このようなシステムがある車両は、規定に基づき「サポカー」と表示され、もっとも装備が充実している車両は「サポカーSワイド」と表示されます。

2020年現在、新車で発売されている「サポカー」にはどのような機能があるのか、分かりやすく解説します。

〇走行時の衝突回避機能

走行している車両、歩行者、自転車、動かない障害物に対して、走行中に衝突する可能性を検知し、警告音、警告表示、ブレーキ作動、ハンドル作動、シートベルトの締め付けなどを機械的に行います。夜間の歩行者を認識できるシステムはありますが、夜間の自転車はまだ認識できません。

制動可能な速度は、速度差で時速30kmから50km程度まで。この速度はあくまで目安であり、衝突の角度、路面の状況、タイヤなど車両のコンディションにより変わります。

また後方から接近してきた車両を検知して、アラートを発するシステムもあります。

〇踏み間違いによる衝突軽減機能

ブレーキとアクセルの踏み間違い事故対策の機能です。前後のカメラで障害物を認識し、障害物が3m以内にあるのに、アクセルを強く踏み込んだ場合、警告音や警告表示を発し、同時にエンジン出力を低下させ、徐行速度に落とします。

それでも衝突が避けられない場合は、ブレーキを作動させる機能がついているシステムもあります。

ドライバーがアクセルを踏み続けた場合は、衝突を回避することは出来ません。

〇車線逸脱防止機能

走行車線からはみ出さないように、警告がでるシステムです。警告音、警告表示、そしてハンドルアシストが行われます。

自働車専用道路での利用を想定したシステムなので、一般的には時速60km以上から機能します。システムによってはもっと低速から機能するタイプもあります。

〇自動追従機能

設定した速度以内で、設定した車間距離で、交通の流れに乗って自動で速度調整を行う機能です。主に高速道路での利用が想定されたシステムです。

システムにより可動する最低速度と設定可能な最高速度が異なります。居眠り運転防止のため、停止状態からは自動発進しません。

〇車線変更時の死角警告機能

車の斜め後ろは死角です。主に車線変更時の事故を防止する目的に、斜め後ろの走行車両を検知して、光や音で警告するシステムです。

〇標識認識機能

最高速度、一時停止、車両進入禁止などの標識をカメラで認識して、インパネなどに表示するシステムです。

〇ハイビーム自動切替機能

夜間、カメラやレーダーで周囲の状況を認識し、ハイビームとロービームを自動で切り替えるシステムです。

〇駐車支援機能

ソナーで周囲の障害物を感知してアラームを発するシステム。

カメラで車の後方あるいは周囲すべてを映像化してモニターに映すシステム。

そして映像で駐車場所を指定すると、自動でハンドルが作動するシステムなどがあります。

〇視覚支援機能

まだ搭載車両は少ないシステムですが、カメラで写すリアルタイムの映像を、夜間など視界が悪い状況でも見やすい画像に変換して、バックミラーやドアミラー、または運転席前のフロントディスプレイに投影するシステムです。

〇先行車発進お知らせ機能

安全システムではありませんが、信号待ちや渋滞時など、停車している状態から前の車が動くと、アラームを発する機能です。

現在の福祉車両は、様々な安全システムが標準装備され、あるいはオプション装着できます。福祉車両選びの際は、安全システムの装備状況も考慮してください。

(本稿は2020年4月に執筆しました)

別稿で「福祉車両の快適装備 消費税が非課税になる純正オプション」を掲載しています。ご参照ください。