多くの寺院は境内から階段で本堂へ上がります。車椅子で本堂内へのお参りができないお寺は珍しくありません。
参拝者が多い大寺院のなかで、車椅子に乗る一般参拝者が自由に利用できるエレベーターがある、東京の4つのバリアフリー寺院を紹介します。
築地本願寺(中央区)
浄土真宗本願寺派の寺院で、本山は京都の西本願寺です。石造りの建物2Fにある本堂への一般ルートは正面階段を上ります。
本堂を正面からみて左側にある「聞法ホール」入口から建物内に入ると、エレベーターがあります。本堂内はフラットな床面で、可動式の椅子が配置されています。

東本願寺(台東区)
浄土真宗東本願寺派本山の東本願寺です。住所は西浅草、田原町駅から徒歩5分の場所にあります。本堂への一般ルートは正面にある階段です。
本堂を正面からみて左側に、外付けのエレベーターがあります。本堂の高さに上がりエレベーターを下りると、そこから本堂内までのルートは段差解消されています。また本堂への出入口は自動ドアです。
本堂内はフラットな床面で、可動式の椅子が配置されています。

浅草寺(台東区)
浅草の浅草寺です。観音菩薩を本尊とする観音宗の本山です。本堂を正面からみて左側に進むとエレベーターがあります。現地にはエレベーターを案内するサインが大きく掲示されています。
本堂の高さに上がります。その先の段差箇所にはスロープがあり、車椅子で観音菩薩にお参りができます。
ただし内陣は段差構造で土足禁止です。また本堂の右側はスロープがないので、車椅子では外周には出られません。

西新井大師(足立区)
真言宗豊山派の寺院で、名称は「五智山遍照院總持寺(ごちさん へんじょういん そうじじ)」です。真言宗豊山派の総本山は奈良県の長谷寺。同豊山派の大本山は東京の護国寺です。
エレベーターは本堂裏側の見えない場所にありますが、現地には案内サインが複数個所掲示されているので迷うことはありません。自動ドアを開けるとエレベーターがあり自由に利用できます。
本堂の高さに上がり、自動ドアを通るとお堂の裏側に出ます。そのままお堂の周りを車椅子で進むと本堂に入ります。車椅子でお参りができます。ただし祈祷を受ける場所は土足禁止の畳の上です。

築地本願寺、東本願寺、浅草寺、西新井大師は、エレベーターで本堂に上がることが出来るバリアフリー寺院です。
(本稿は2020年5月に執筆しました)