邸宅・庭園・美術を楽しむ 公益財団法人 遠山記念館 見学ガイド

日興証券の創立者遠山元一氏が昭和11年に再興した生家を公開し、遠山氏が蒐集したコレクションを展示する美術館がある記念館です。

遠山記念館は未舗装路面や凹凸のある路面、階段や段差があり、車椅子での見学は困難ですが、杖を使えばある程度の自立歩行ができるレベル人なら、なんとか見学ができる可能性があります。現地の状況を紹介します。

遠山記念館

場所は埼玉県比企郡川島町。徒歩圏に駅はなく、最寄りのバス停から徒歩15分の案内です。記念館から道路を渡った先に、来館者用の広い無料駐車場が用意されています。

遠山記念館

記念館の前の濠は、蓮の池です。開花の季節は、蓮の花が美しく咲き誇るそうです。

遠山記念館

記念館の入口は立派な長屋門。門の手前の路面は、小粒の石がまかれた深い砂利路面です。

遠山記念館

見学の順路は、美術館、邸宅内、庭園です。長屋門から美術館までは、砂利路面の一部に舗装通路が整備されています。美術館に行く途中に、資料館唯一のトイレがあります。バリアフリートイレはありませんが、洋式トイレです。

遠山記念館

美術館の受付で観覧料金を支払います。遠山記念館の観覧料は障がい者減免制度があり、本人が200円引きになります。

美術館のエントランスは階段です。スロープはありません。

遠山記念館

入口の上にはアートがあります。

遠山記念館

エントランスホール内のアートです。よく観察すると、天井や壁、ドアなどに様々なアートが仕掛けられています。

遠山記念館

美術館はワンフロアで展示室は2室。館内は段差のない構造です。

遠山記念館

今回取材時は「織の世界に遊ぶ心」展が開催されていました。

遠山記念館

美術館の横に休憩所があります。スペースに余裕はありませんが、段差は無い構造の施設です。

遠山記念館

その横の奥に「遠山稲荷」が鎮座しています。参道はデコボコの石畳です。

遠山記念館

次に邸宅に移動します。途中までは舗装通路が整備されています。

遠山記念館

邸宅に近づくと砂利路面の道になります。

遠山記念館

玄関がある東棟は重厚な茅葺き屋根です。家屋内への入口で靴を脱ぎ、段差を上がります。スリッパの用意はないので、気になる方は持参してください。

遠山記念館

邸宅内の見学コースは、多くは段差のないルートですが、とことどころ一段低い箇所があります。建具や家具などに触ってはいけないルールです。各部屋には「奥天井は熊本の楠」など、その部屋に使用されている全国から集められた銘木の産地と銘柄の解説が掲示されています。

遠山記念館

屋内から見た庭園の眺めです。

遠山記念館

部屋の一部は美術館企画と連動したコレクション展示室になっています。

遠山記念館

邸宅内部は周回コースではなく、玄関に戻る見学コースです。次は庭園の見学になります。庭園入口は大きな石が敷かれています。

遠山記念館

庭園から見た中棟。2階には応接室があり、通常は非公開ですが、公開日があります。

遠山記念館

庭園内の多くは飛び石を歩きます。

遠山記念館

庭園からみた手前が西棟、奥が中棟です。

遠山記念館

庭園内の狭い散策路に入ります。小川が流れる緑が深いエリアです。

遠山記念館

その先が出口。段差のある構造です。長屋門の横に出ます。

遠山記念館

以上が遠山記念館の見学コースの状況です。キャッチコピーは「遠山邸の重厚さと典雅。美術館の優雅さと静寂。」。車椅子での見学は困難ですが、自立歩行が可能な人なら、無理のない範囲で見学ができます。

(本稿は2021年10月に執筆しました)

飯田橋駅「史跡展望テラス」車椅子利用ガイド バリアフリー情報

2021年7月、JR飯田橋駅西口に「エキュートエディション飯田橋」がオープンしました。

飯田橋駅「史跡展望テラス」

その2Fに「史跡展望テラス」が誕生。「牛込見附跡」「江戸城外堀跡」の2つの重要文化財を眺望できるテラスで、無料公開されています。テラスは車椅子で利用できるフラットな構造です。

飯田橋駅「史跡展望テラス」

車椅子での利用方法です。JR飯田橋駅西口のエレベーターを利用します。改札フロアより一段低い駅前の路面地点から、改札フロア、そして2Fをつなぐエレベーターです。

飯田橋駅「史跡展望テラス」

下の写真は駅の外側から利用する場合の乗降場所です。

飯田橋駅「史跡展望テラス」

次の写真は2Fの乗降場所。手前に写っているのは5枚の解説版です。

飯田橋駅「史跡展望テラス」

「甲武鉄道市街線の誕生」。明治22年に開業しました。

飯田橋駅「史跡展望テラス」

「牛込駅」。明治27年に開業しました。

飯田橋駅「史跡展望テラス」

「甲武鉄道国有化・複々線化と飯田橋駅」。昭和3年に飯田橋駅が開業しました。

飯田橋駅「史跡展望テラス」

「牛込門・牛込駅周辺の変遷」。このエリアの江戸時代からの変遷が紹介されています。

飯田橋駅「史跡展望テラス」

「牛込門と枡形石垣」。展望できる史跡の解説です。

飯田橋駅「史跡展望テラス」

下の写真が、テラスから眺望する史跡「牛込見附跡」です。

飯田橋駅「史跡展望テラス」

史跡を臨む側にある解説版は「外堀の土塁」。お堀の構造の解説があります。

飯田橋駅「史跡展望テラス」

下の写真がテラスからみた現在の外堀です。

飯田橋駅「史跡展望テラス」

「エキュートエディション飯田橋」の2Fは、「プレッセ飯田橋デリマーケット」と「ゴディバカフェ」が営業しています。

飯田橋駅「史跡展望テラス」

その奥にはバリアフリートイレが用意されています。スペースに余裕がある、設備はフル装備のトイレです。ユニバーサルベッドはありません。

飯田橋駅「史跡展望テラス」

飯田橋駅「史跡展望テラス」は、車椅子で利用できるバリアフリーなテラスです。

近隣の商業施設「飯田橋サクラテラス」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2021年8月に執筆しました)

奥日光 イタリア・英国大使館別荘 車椅子見学ガイド バリアフリー情報

奥日光の中禅寺湖畔にある「イタリア大使館別荘記念公園」と「英国大使館別荘記念公園」は、バリアフリー施設ではありませんが、車椅子で一部を見学することができます。車椅子からみた現地の状況を紹介します。

イタリア・英国大使館別荘

両大使館の歴史を紹介します。イタリア大使館別荘と英国大使館別荘は、直線距離では200ⅿ程度離れた場所にあります。中禅寺湖の先には男体山、そして遠景には白根山を眺望する立地の湖岸です。

イタリア大使館別荘は昭和3年に建てられ、平成9年まで歴代大使が使用しました。そして栃木県に寄贈され、復元整備して平成12年から一般公開されています。

英国大使館別荘は明治29年に外交官アーネスト・サトウの個人別荘として建てられ、平成20年まで英国大使館別荘として使用されました。そして栃木県に寄贈され、復元整備して平成28年から一般公開されています。

イタリア・英国大使館別荘

両大使館別荘の内覧は有料で、料金が割引になる共通入館券があります。「イタリア大使館別荘記念公園」と「英国大使館別荘記念公園」の観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。どちらかの受付で障害者手帳等を提示し、両館の見学を希望すると、無料の共通入館券を発行していただけます。

イタリア・英国大使館別荘

交通手段とおもいやり駐車場の状況です。アクセスは船か車。夏季は路線バスも運行されています。渡航する場合は、中禅寺湖遊覧船に乗り「大使館別荘記念公園桟橋」で下船。そこから徒歩5分の案内です。

車の場合、もっとも近い駐車場は「歌ヶ浜おもいやり駐車場」です。ここに駐車できれば、英国大使館別荘まで200ⅿ程度、イタリア大使館別荘まで500ⅿ程度の距離です。

イタリア・英国大使館別荘

「歌ヶ浜おもいやり駐車場」は、障がいなどにより外出に配慮が必要な人のための駐車場とされ、健常者は少し遠い「歌ヶ浜第二駐車場」の利用が求められています。しかしながら監視する人はいませんし、システム的なガードもない利用者の良心に任せた運用です。身障者用駐車スペースとしてはっきり区画されているのは4台分。他のスペースを利用してさらに3台から4台が駐車可能な小さな駐車場です。駐車できるかは運次第です。遠い「歌ヶ浜第二駐車場」からも舗装歩道は整備されています。

イタリア・英国大使館別荘

「歌ヶ浜おもいやり駐車場」を起点にした、両大使館別荘までのアクセスルートの状況です。おもいやり駐車場からスロープで大使館別荘に向かう歩道に下ります。

イタリア・英国大使館別荘

このスロープは傾斜角度が緩いバリアフリースロープです。

イタリア・英国大使館別荘

舗装された歩道は、路面の経年劣化が目立ちます。ところどころにデコボコがあるので、慎重に車椅子を進めてください。そして途中にアップダウンがあります。元気な介助者がいれば何とか通行できる傾斜路です。

イタリア・英国大使館別荘

駐車場から150ⅿほど進むと、イタリア大使館別荘と英国大使館別荘の岐路があります。右に進むとすぐに英国大使館別荘、左に進むと約400ⅿ先がイタリア大使館別荘です。

イタリア・英国大使館別荘

ここから英国大使館別荘までは緩い下り坂。車椅子で問題なく移動できます。

イタリア大使館別荘までは、荒れた路面のアップダウンがある舗装路が続きます。坂道が苦手な車椅子利用者は、英国大使館別荘だけの見学にするのも作戦です。

なお両大使館間を200ⅿで移動できるショートカットコースがありますが、このルートは砂利路面と段差箇所がある未舗装路で、車椅子では通行できません。車椅子ではどちらかの大使館別荘にいってから、もう一度この岐路地点に戻り、もう一つの大使館別荘に移動します。したがって、両大使館別荘を見学する場合、健常者は「歌ヶ浜おもいやり駐車場」から約1㎞の歩行距離ですが、車椅子では約1.5㎞の走行距離になります。

イタリア・英国大使館別荘

イタリア大使館別荘記念公園のバリアフリー状況です。本邸、国際避暑地歴史館の副邸、公衆トイレ棟、広場、湖畔のウッドデッキなどがあります。ウッドデッキは階段構造で、車椅子で湖畔に近づくことはできません。

イタリア・英国大使館別荘

公衆トイレ棟には、バリアフリートイレが1つ用意されています。猿の侵入を防ぐために、重いドアを開閉して利用するトイレです。

国際避暑地歴史館は出入口に段差があります。そこを乗り越えられれば、内部はほぼフラットな構造です。

イタリア・英国大使館別荘

そして問題は本邸です。入口まではやや急な段差回避スロープ路を通行します。

イタリア・英国大使館別荘

そして玄関が下の写真のような段差構造です。迂回スロープはありません。ここで靴を脱いで、スリッパに履き替えて内覧します。

イタリア・英国大使館別荘

この段差を何らかの方法で乗り越えることができれば、イタリア大使館別荘本邸の1Fは車椅子で見学できます。1Fには売店があり、その奥にバリアフリートイレが用意されています。

イタリア・英国大使館別荘

2Fへは階段のみ。車椅子では見学できません。

イタリア・英国大使館別荘

寝室などが再現されています。

イタリア・英国大使館別荘

様々な杉の皮が使用された素敵な内装です。

イタリア・英国大使館別荘

1Fは居間や食堂の様子が再現されています。

イタリア・英国大使館別荘

イタリア・英国大使館別荘

床板、建具、家具などは、ほとんどが復元して再利用されたものです。

イタリア・英国大使館別荘

広縁からは、中禅寺湖を正面からみます。

イタリア・英国大使館別荘

外壁面にある暖炉煙突は迫力があります。

イタリア・英国大使館別荘

次に英国大使館別荘記念公園のバリアフリー状況です。下の写真が英国大使館別荘記念公園入口です。左側の道がエントランスまでのバリアフリールートです。右は砂利道で、テラス前の公園スペースにつながります。

イタリア・英国大使館別荘

下の写真の手前にある平屋内に受付があります。

イタリア・英国大使館別荘

出入口に段差はありません。英国大使館別荘も土足禁止で、靴を脱いでスリッパに履き替えて内覧しますが、段差箇所にスロープがあるので車椅子で問題なく入館できます。車椅子のタイヤを拭いて館内に入ります。

イタリア・英国大使館別荘

1Fに綺麗なバリアフリートイレがあります。

イタリア・英国大使館別荘

スペースは一般的なサイズの個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイトが備えられています。

イタリア・英国大使館別荘

1Fの展示テーマは「アーネスト・サトウとサトウが愛した奥日光の紹介」です。

イタリア・英国大使館別荘

二つの展示室で資料が展示されています。

イタリア・英国大使館別荘

広縁から中禅寺湖の眺望を楽しめます。

イタリア・英国大使館別荘

英国大使館別荘も2Fへは階段のみです。車椅子では見学できません。

イタリア・英国大使館別荘

2Fの展示テーマは「サトウが活躍した時代の英国文化の紹介と体験」です。資料の展示と、紅茶やスコーンなどの英国文化が楽しめるティールームが営業しています。

イタリア・英国大使館別荘

2Fの広縁から、中禅寺湖の眺望が楽しめます。

イタリア・英国大使館別荘

車椅子でのアクセスは必ずしもバリアフリーではありません。またすべての内覧は車椅子ではできません。その点を割り引いても「イタリア大使館別荘記念公園」と「英国大使館別荘記念公園」は、訪れる価値のある魅力的な文化遺産です。

バリアフリーな散策コースが整備されている「霧降高原キスゲ平園地」の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2021年7月に執筆しました)