渡良瀬渓谷 高津戸峡 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

渡良瀬川の中流、群馬県みどり市にある高津戸峡は、歩行者専用の「はねたき橋」などから、車椅子で渡良瀬渓谷の景観を楽しめるバリアフリーな観光地です。周辺の施設を含めて、車椅子からみた高津戸峡のバリアフリー状況を紹介します。

〇「はねたき広場」から「はねたき橋」へ

高津戸峡はわたらせ渓谷鐡道の大間々駅の近くにあります。駅から徒歩でのアクセスが可能です。車椅子観光でお薦めしたい「はねたき橋」までは、駅から約500ⅿです。

高津戸峡

車利用の場合、「はねたき橋」に便利な無料駐車場は、「はねたき広場」の駐車場です。身障者用駐車スペースが用意されています。

高津戸峡

広場から「はねたき橋」までは、約150ⅿです。

高津戸峡

「はねたき広場」の公衆トイレには、バリアフリートイレが用意されています。

高津戸峡

舗装路面を通行して「はねたき橋」まで行くことができます。最後の直線路に入る下の写真の地点に、高津戸峡遊歩道まで100ⅿという案内板があります。高津戸峡遊歩道は車椅子では無理な段差路です。

高津戸峡

下り坂を進むと「はねたき橋」が見えてきます。

高津戸峡

「はねたき橋」の入口は車止めがありますが、左から2番目の間隔が少し広く開いています。車椅子への配慮だと思われます。普通サイズの車椅子は通過できます。

高津戸峡

橋面はフラットな構造で、すれ違いができる幅があります。

高津戸峡

橋の中央部に、渓谷を観覧するスペースが用意されています。

高津戸峡

そこから観た下流方面の景観です。車椅子からこのような渓谷美を楽しめるバリアフリースポットは希少です。

高津戸峡

下の写真は、上流方面の景観。ゴツゴツの岩がありますが、すぐ先が高津戸ダムで、一部はコンクリートです。天然と人口が交じり合った姿が眼下にあります。

高津戸峡

〇はねたき道了尊のバリアフリー状況

「はねたき橋」の近くにある「はねたき道了尊」は、「どうりゅうさん」の呼び名で親しまれている、250年以上の昔から地元で信仰されている「ねじりん棒のほとけさま」です。

境内は砂地に舗装通路が整備されています。通路上から車椅子でお参りができます。

高津戸峡

「はねたき道了尊」のお姿は、白狐の背に乗り、右手に子供の心に宿ろうとする悪鬼を懲らしめる「ねじり棒」を持っています。子供がまっすぐに育ってほしいと思う、親の願いを聞き入れてくださいます。

高津戸峡

境内には他に「ねじり棒」の祠、天狗の大下駄、不動明王の祠などが祀られています。

高津戸峡

天狗の大下駄は、天狗のように健脚でいられることを触って祈ります。少し無理をして砂路面に乗り込めば、車椅子から大下駄に手が届きます。

高津戸峡

〇神明宮のバリアフリー状況

「はねたき広場」の南側に、大間々の鎮守様「神明宮」が鎮座しています。参道付近はやや荒れていますが、舗装路面が整備されています。

高津戸峡

鳥居から社殿までは、舗装された参道です。

高津戸峡

手水舎は砂利路面に下りた先の段差の上にあるので、車椅子でのお浄めは苦戦します。

高津戸峡

創建は1347年、この地に遷座したのは1597年と伝えられる古社です。現在の社殿は2000年に再建されました。

高津戸峡

〇ながめ駐車場と高津戸橋のバリアフリー状況

高津戸峡の観光駐車場として「ながめ北駐車場」と「ながめ西駐車場」が用意されています。神明宮の南側に隣接しているのが「ながめ北駐車場」です。身障者用駐車スペースが設定されています。

高津戸峡

駐車場の公衆トイレにはバリアフリートイレが用意されています。

高津戸峡

「ながめ西駐車場」は北駐車場から道を挟んだ反対側にあります。駐車場の最も奥に、身障者用駐車スペースが設定されています。その先にみえる赤い橋が高津戸峡に架かる「高津戸橋」です。車道と歩道が整備されています。

高津戸峡

「高津戸橋」の歩道からも、車椅子で高津戸峡の景観を楽しめます。

高津戸峡

車椅子では行けませんが、渓谷沿いの遊歩道から観た赤い「高津戸橋」は、絶景ポイントとして人気です。

高津戸峡

〇ながめ公園のバリアフリー状況

「ながめ西駐車場」に隣接して、高台に広がる公園「ながめ公園」があります。「ながめ」とは、眺めがよいことが語源ということです。

高津戸峡

今回取材時は、ながめ公園で「関東菊花大会」が開催されていました。パンフレットをみると、例年は有料展のようですが、2021年は無料で観覧できました。

高津戸峡

ながめ公園北口です。公園内ではここがもっとも低い場所。この先は上り坂が続きます。車椅子では園内の移動に体力が必要です。無理のない範囲で園内を散策してください。今回取材時は、園内の約半分を散策しました。

高津戸峡

階段路には段差回避スロープが設置されています。

高津戸峡

見事な菊花を観賞しながら、坂道を上がりました。

高津戸峡

公園の高台から、高津戸峡の景観を楽しめます。

高津戸峡

高台に飾られた見事な菊花の一つです。

高津戸峡

「ぐんまちゃん」菊花がありました。バックにあるのは、いまも生きる芝居小屋、昭和12年築の「ながめ余興場」です。地下資料室があり有料で見学できますが、段差構造のため車椅子では見学できません。

高津戸峡

高津戸峡は「はねたき橋」と「高津戸橋」から、車椅子で渡良瀬渓谷の景観を楽しめます。特に「はねたき橋」はお薦めです。

わたらせ渓谷鐵道の駅にある列車のレストラン「清流」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2021年11月に執筆しました)

吾妻峡 十二沢パーキング 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

群馬県東吾妻町にある吾妻峡は、吾妻川にある約3.5㎞にわたる渓谷。国指定名勝です。そのハイライトは「八丁暗がり」と呼ばれる川幅が狭まった900ⅿの区間。「鹿飛び」と呼ばれる箇所は川幅が2ⅿから3ⅿになります。

吾妻峡を楽しむハイキングコースは、車椅子では全く近づけない本格的な未舗装のアップダウンコース。登山靴の装用が推奨されているレベルです。

その吾妻峡の一端を車椅子で楽しめるポイントが「十二沢パーキング」から「猿橋」に向かう短いコースです。現地のバリアフリー状況を紹介します。

「十二沢パーキング」は無料の観光駐車場で30台弱を収容します。吾妻川の南側を走る県道からアクセスします。

吾妻峡 十二沢パーキング

駐車場の東側に身障者用駐車スペースが2台分設定されています。奥に見える建物は公衆トイレです。

吾妻峡 十二沢パーキング

トイレにはバリアフリートイレが1つ用意されています。

吾妻峡 十二沢パーキング

駐車場から吾妻川に架かる猿橋まで、約100ⅿの舗装された傾斜スロープ路が整備されています。

吾妻峡 十二沢パーキング

傾斜は見た目よりもきつくはありません。一般的な車椅子利用者と介助者であれば、走行可能なスロープ路です。傾斜路を折り返しながら川に向かいます。

吾妻峡 十二沢パーキング

スロープからか眺めた本流の手前に流れる沢。良い雰囲気です。

吾妻峡 十二沢パーキング

ほどなく猿橋が見えてきます。

吾妻峡 十二沢パーキング

猿橋までの最後の下りヘアピンカーブです。

傾斜路を折り返しながら川に向かいます。

江戸時代から大正時代まで実在した猿橋が、平成29年に復元されました。「十二沢パーキング」側の岸の岩盤に穴をあけて、はねぎを斜めに差し込み、片側からだけで橋を支える構造です。

傾斜路を折り返しながら川に向かいます。

車椅子から猿橋の全景を楽しめます。

傾斜路を折り返しながら川に向かいます。

猿橋の上から下流方面を見下ろした写真です。秋は紅葉が美しい絶景スポットです。

傾斜路を折り返しながら川に向かいます。

猿橋を渡ると、吾妻川沿いの道は、今回取材時は工事中でした。現時点では、車椅子散策は猿橋までです。

傾斜路を折り返しながら川に向かいます。

名勝吾妻峡を楽しむハイキングコースは、車椅子では歯が立たない道ですが、「十二沢パーキング」から「猿橋」までは車椅子で散策可能。吾妻峡の一端を車椅子で楽しめます。

吾妻渓の玄関口にある「道の駅あがつま峡」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2021年9月に執筆しました)

那須高原八幡つつじ園地 バリアフリー木道 車椅子散策ガイド

日本を代表するリゾート地の一つ、栃木県那須町の那須高原。20万本のヤマツツジ群落がある「那須八幡つつじ園地」では、老朽化したバリアフリー木道の整備工事が進んでいます。ここは大自然の中を車椅子で散策できる観光スポット。2021年6月時点で「なす高原自然の家」の駐車場から「中央展望台」までの区間が整備されました。現地のバリアフリー状況を紹介します。

那須高原八幡つつじ園地 バリアフリー木道

那須高原八幡自然研究路の概要です。本稿で紹介するバリアフリー木道は、那須高原に整備されているハイキングコース、トレッキングコースのごく一部です。フルコースは全長3㎞前後で、健脚の人で走破に3時間程度かかる本格的なルート。自然路なので車椅子での走破は困難です。

車椅子で走破できるもう一つのルートは、「つつじ吊り橋」です。身障者用駐車スペースがある「つつじ吊り橋駐車場」から、吊り橋まで車椅子で散策できます。このルートも自然に触れ合う素敵なバリアフリーコースです。吊り橋からは「那須八幡のつつじ園地」の遠景を楽しめます。吊り橋の先は自然路になるので、車椅子通行は吊り橋までです。

那須高原八幡つつじ園地 バリアフリー木道

本稿で紹介する「なす高原自然の家」からのバリアフリー木道ルートは、「那須八幡のつつじ園地」内を走破するルートで、「中央展望台」は「那須八幡のつつじ園地」の中にあります。展望台の先は自然路になるので、車椅子通行は困難です。

「つつじ吊り橋」と「中央展望台」は、バリアフリー歩道ではつながっていません。したがって車椅子では、それぞれの駐車場から、それぞれのバリアフリー歩道の最終地点までの散策になります。

自然路を歩ける健脚の人なら、「つつじ吊り橋」と「中央展望台」を巡る「那須八幡のつつじ園地」一周コースは、30分程度で走破できます。

那須高原八幡つつじ園地 バリアフリー木道

「なす高原自然の家」の駐車場は分かりやすい場所にあります。「なす高原自然の家」は利用者しか中に入れませんが、駐車場の横にある公衆トイレにバリアフリートイレが用意されています。

那須高原八幡つつじ園地 バリアフリー木道

駐車場からのバリアフリー木道への入口は、目立つサインがありません。迷うとすると、ここです。公衆トイレの前に身障者用駐車スペースがありますが、トイレ付近からではありません。また「つつじ吊り橋」へというサインがある箇所は、自然段差路への入口です。

那須高原八幡つつじ園地 バリアフリー木道

バリアフリー木道への入口は、駐車場から「なす高原自然の家」をみて、その左奥にあります。

那須高原八幡つつじ園地 バリアフリー木道

バリアフリー木道の路面状況です。2020年8月から、傷んだ木道の再整備工事が始まりました。

那須高原八幡つつじ園地 バリアフリー木道

駐車場からしばらくの間は、古い状態の木道が残されています。

那須高原八幡つつじ園地 バリアフリー木道

この再整備されていない区間の木道の路面は、板のつなぎ目などに小さな段差があります。慎重に車椅子を進めてください。

那須高原八幡つつじ園地 バリアフリー木道

まもなく、再整備された木道の区間に入ります。ここから先は快適なフラット路面です。

那須高原八幡つつじ園地 バリアフリー木道

舗装路面のようなフラットな木道です。多少の傾斜がある区間もありますが、問題なく車椅子で大自然の中の散策が楽しめます。

那須高原八幡つつじ園地 バリアフリー木道

中央展望台の横、下の写真箇所がバリアフリー木道の終点です。この先は整備された、未舗装砂利路面の段差路です。

那須高原八幡つつじ園地 バリアフリー木道

中央展望台は階段で上がる展望台です。車椅子では上がることができません。展望台の下からは、ヤマツツジ群落に囲まれているので、遠方を眺望することはできません。車椅子で見晴らしの良い景色を楽しむなら、「つつじ吊り橋」ルートがお薦めです。中央展望台ルートは、森の中の散策が魅力のコースです。ちなみに中央展望台の上からは、以下の写真の景観が楽しめます。

那須高原八幡つつじ園地 バリアフリー木道

中央展望台ルートの森の中の散策。その魅力の一端をご紹介します。初夏のツツジ、秋の紅葉は有名です。ただしピーク時は、有名なだけに混雑することは覚悟してください。

那須高原八幡つつじ園地 バリアフリー木道

ツツジと紅葉のピークを外せば、那須高原八幡つつじ園地は空いています。ミズナラなどが生きる豊かな森に、高山植物が咲き、野鳥が飛び、虫たちの天国が広がります。出会ったことはありませんが、動物も生息しているはずです。5月から7月ごろにかけては、エゾハルゼミの大群が木立で鳴きます。知識がないとセミの声とは思えないほどの喧騒。ここでしか出会えない、自然の大合唱です。

駐車場からバリアフリー木道に入ってすぐの地点には、清らかな水と草木のコントラストが美しい小さな池が佇んでいます。

那須高原八幡つつじ園地 バリアフリー木道

那須高原八幡つつじ園地のバリアフリー木道は、短い区間ではありますが、車椅子で大自然の中に飛び込める、貴重な観光スポットです。

那須高原の観光スポットのバリアフリー情報を別稿でまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2021年6月に執筆しました)