横浜市立金沢動物園 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

神奈川県横浜市の金沢自然公園は、激しいアップダウンがある地形です。中核施設の金沢動物園を中心に、車椅子からみたバリアフリー状況を紹介します。

金沢動物園

「金沢市民の森」や「横浜自然観察の森」などがある自然エリアの一角にある、約60万㎡の広大な敷地の公園が「金沢自然公園」です。金沢自然公園を拠点に、周囲の森まで続く複数のハイキングコースがありますが、これらは未舗装で段差があり車椅子では無理なコースです。

金沢自然公園

金沢自然公園は無料の「植物区エリア」と有料の「動物園エリア」に分かれます。

植物区エリアの半分以上は急斜面で、そこに大型遊具があるコーナーやバーベキュー場、梅林など様々な施設があります。このエリアは舗装された散策路が整備されていますが、急坂なので車椅子向きではありません。どこまで行けるかは、その人や介助者の体力次第です。

動物園エリア内は、すべて舗装された見学通路が整備されています。入口付近はフラットですが、その先はアップダウンがあります。一部傾斜が急な箇所があり、そこをクリア出来ないと園内の周回路を廻ることはできません。

したがって一般的な車椅子利用者の場合、「植物区エリア」の平坦な一部分と、「動物園エリア」を無理のない範囲で利用するのが標準的コースになります。

金沢自然公園

アクセスと駐車場の状況です。徒歩圏内に駅はありません。アクセスは車が便利です。

有料駐車場が2か所用意されています。駐車料金は障がい者減免制度があり、障害者手帳等の提示で無料に減免されます。

高速道路である「横浜横須賀道路」から直結する「高速側駐車場」と、一般道路から利用する「正面口駐車場」があり、車椅子での利用方法が大きく異なります。

「高速側駐車場」は上り線からの入庫、下り線への出庫しかできません。障害者減免を受けるには、入庫時に駐車料金支払い機の横にある緊急電話をかけて指示に従ってください。カメラ付きインターフォンではありません。後続の車が続き、電話連絡で時間がかかるのが迷惑な場合は、いったん前金制度に従って料金を支払い、動物園入口の発券所で返金を受けることも出来ます。駐車場には10台分程度の身障者用駐車区画があります。駐車場から公園入口までは、極端な傾斜路を通らずに移動できます。

高速側車場

一般道路から利用する「正面口駐車場」にはスタッフが常駐しています。駐車料金支払い機の手前で、スタッフに障害者手帳等を提示して車椅子利用を申告します。身障者用駐車区画は一般駐車場とは別に坂の上にあります。車両通行止めの柵をあけていただき、公園スタッフのバイクの誘導に従って坂道を上ります。公園入口とほぼフラットな高さの場所に、身障者用駐車区画が3台分用意されています。

正面口駐車場

一般利用者は正面口駐車場から公園入口まで、無料で利用できる「コアラバス」で上ることができます。現在のところ「コアラバス」は車椅子乗車が出来ない仕様です。

「コアラバス」が運行される正面口駐車場から公園入口までの坂道は、細い舗装路で車のすれ違いが出来ません。そのため来園して坂を上るときは、公園スタッフが運転するバイクの誘導を受けます。帰るときは、坂上のバス停から出発した「コアラバス」の後ろについて坂を下ります。

バリアフリートイレの状況です。園内各所にバリアフリートイレが用意されています。現時点で10カ所あります。バリアフリートイレがないトイレは、動物園エリア内の「アメリカ休憩所」の階段の下にあるトイレだけです。

今回取材時の状況では、トイレによって設備更新の状況がバラバラで、ウォシュレットなど付加設備のあるトイレもあれば、老朽化が目立つトイレもありました。チャック出来た限り、ユニバーサルベッドのあるトイレは見つかりません。

障害者用トイレの状況

植物区エリアのバリアフリー状況です。駐車場から公園入口に向かうと、最初にあるトイレ休憩施設が「にこにこプラザ」です。駐車場からここまでのルートおよび「にこにこプラザ」周辺はほぼフラットで、車椅子で問題なく利用できます。

にこにこプラザ

そのままフラットな舗装通路を進むとカフェやショップが入る「ののはな館」があります。ドアは手動ですが館内はフラットで、車椅子で利用できます。館内にバリアフリートイレがあります。

ののはな館

「ののはな館」から動物園エリアに向かう通路は、多少のアップダウンはありますが車椅子で通行可能です。

動物園エリアに向かう通路

「こども広場」や「梅林」、「うきうき林」などがあるゾーンは、車椅子では辛い急坂を下ります。

動物園エリアに向かう通路

動物園エリアのバリアフリー状況です。横浜市立金沢動物園は有料の施設ですが障がい者減免制度があり、障害者手帳等の提示で本人と介助者2名まで入園料が無料に減免されます。入口の発券所で障害者手帳等を提示して無料入園券を発券していただく運用です。

動物園エリアのバリアフリー状況

入口から「なかよしトンネル」を通ります。トンネル内はフラットで、車椅子で通行できます。

なかよしトンネル

トンネルの先「わくわく広場」の周辺や「アフリカ区」は、ほぼフラットです。車椅子で問題なく利用できます。

アフリカ区

「オセアニア区」に行くには坂道を上ります。元気な介助者がいれば何とかなる坂道です。

オセアニア区

「オセアニア区」内のカンガルー舎に近づく見学ルートは、カンガルーの移動を防止するための2枚の手動ドアを開閉して出入りします。見学路はフラットな舗装路です。

「オセアニア区」内のカンガルー舎

コアラ舎内はフラットな構造です。車椅子で問題なく見学できます。

コアラ舎内はフラット構造

「ユーラシア区」と「アメリカ区」は、車椅子ではつらい急坂があります。

「ユーラシア区」と「アメリカ区」

急坂が始まる箇所の路面にサインがあるので、体力の範囲で無理なく利用して下さい。

「ユーラシア区」と「アメリカ区」

金沢自然公園は整備されていますが、車椅子では辛いアップダウンがあります。車で来園して、急坂を避けた無理のない移動範囲だけでも、車椅子で自然や動物を楽しむことが出来ます。

近隣にある豊かな自然に囲まれた山の中の施設「上郷森の家」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2019年10月の取材に基づいています)

吉祥寺駅北口 ゾウのはな子像 バリアフリー情報

東京都武蔵野市、吉祥寺駅の北口にゾウのはな子像はあります。現地のバリアフリー状況とはな子の歴史を紹介します。

2016年に亡くなった井の頭自然文化園のゾウのはな子。2017年5月に像が完成しました。設置場所は吉祥寺駅北口ロータリーの一角です。それほど大きな像ではないので、駅北口に降り立っても、パッと目に入りません。

北口のバス停群を東に進み、信号のある最初の横断歩道でロータリーを北上してください。そこに像があります。車椅子での鑑賞に大きな問題はありません。

井の頭恩賜公園は2017年で開園100年。「はな子像」の設置には100周年記念の意義もあります。

井の頭公園は未だにあまりバリアフリーではなく、ルートを下調べしないと車椅子では苦戦します。トイレの新設など少しずつ改良は行われていますが、現在のところ大幅なバリアフリー改修はありません。

はな子には3つのストーリーがあります。タイの王国および篤志家による戦後日本の復興支援の象徴であったこと。事故により殺人象と批判されたこと。そして動物園での劣悪な飼育環境が国際的に問題になったこと。「はな子像」には、何もそのような解説はありません。

戦争による国家の破たんと復興への国際援助。娯楽と動物愛護の価値観の変遷。環境意識の高まり。学ぶことが多々ある「はな子」の物語です。

(本稿は2017年12月に執筆しました)

よこはま動物園ズーラシア 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

神奈川県横浜市の「ズーラシア」は、車椅子で利用できる動物園です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

ズーラシアは施設全体傾斜地が少ない動物園

施設の全体概要です。アップダウンがある動物園が多い中、ズーラシアは施設全体傾斜地が少ない動物園です。見学路を車椅子で比較的楽に移動できます。

そして、車椅子目線からも見やすい動物の展示、触れる動物のレプリカの配置、動物名の点字紹介、点字ガイドシートの用意、補助犬の入園ができます。

すべてのトイレにバリアフリートイレが用意され、内4か所のトイレにはユニバーサルベッドが備えられています。

施設の全体概要

入園料は障がい者減免制度があり、本人と介助者2名まで無料に減免されます。チケットセンターで手帳を提示して無料入園券を発券していただく運用です。

園内バスも同様に本人と介助者2名まで無料で乗車できます。低床式のバスで、車椅子での利用は可能です。

駐車場料金の障がい者減免制度はありません。

障害者減免制度

駅からは徒歩圏ではありません。バスの利用になります。

来園者用の駐車場は2,200台を収容。身障者用駐車区画が用意されています。正門駐車場が満車になると、北門駐車場が開放されます。

アクセス方法

一周すると約3kmあります。「アジアの熱帯林」「オセアニアの草原」「アマゾンの密林」など展示エリアが9カ所あり、ほとんどのエリアに飲食ができる休憩所やショップ、レストランなどの施設があります。これらの施設はスペースに余裕があり車椅子で利用できます。

園内の歩き方

体力のある方は、ゆっくり園内を車椅子で周るのがお薦めです。入口から遠い地点で疲れたら、園内バスを利用することも出来ます。

園内の歩き方

なるべく動物本来の動きや生活状況を観察できるように、考えられた展示になっています。そのため、柵の向こうに遮るものもなく動物がいる単純な展示に比べると、理解が難しい面がややあるかもしれません。

自然な行動を重視した動物展示

園内のショップでは、ユニークな各種オリジナル商品が、車椅子ユーザーでも手が届きやすい高さを中心に陳列されています。

多彩なオリジナル商品

よこはま動物園ズーラシアは、車椅子で利用しやすい動物園です。

「横浜市立金沢動物園」のバリアフリー状況を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年8月に加筆修正しました)