車椅子で行く真岡市~観光スポットのバリアフリー情報

栃木県真岡市には、車椅子で利用できるユニークな観光スポットがあります。各施設のバリアフリー状況を詳しく紹介します。

初めに、SLが走る真岡鉄道をテーマにした施設を紹介します。

「真岡鉄道SLキューロク館」

2013年に誕生した入館無料のSL展示館です。車両に乗り込むのは階段なので車椅子では無理ですが、施設は1F構造で一部を除きバリアフリー。真岡駅のすぐ横で専用無料駐車場があり、館内にはバリアフリートイレがあります。

蒸気機関車2両に加え、客車や貨車なども展示。館内に入ると、汽車の匂いがします。屋内展示されている9600(キューロク)形SLは、土日祝日に1日3回動きます。

屋外の真岡駅線路のすぐ横には、D51機関車が展示されています。土日祝日は真岡鉄道を走るSLが展示D51の真横を通り、走るSLと展示されているD51の2ショットが楽しめる場所です。

館内には売店とカフェがあり、売店ではSL由来のクッキーや煎餅、地域の養護施設で製作されている商品などが販売されています。

SLキューロク館

「真岡市情報センター SLギャラリー」

外観はSLをモチーフにした真岡駅直結の駅ビル4Fに、「SLギャラリー」と子ども向けの「マルチ体験ゾーン」そして「展望デッキ」があります。隣接する「SLキューロク館」とともに、真岡SL観光の拠点です。

駅直結ですが無料駐車場があり、身障者用駐車区画は2台分あります。駅ビルにはエレベーターが1基あり車椅子で利用可能。バリアフリートイレは3Fで、エレベーターを降りてすぐ右手にあるドアを開けるとトイレがあります。

「SLギャラリー」では、昔の真岡鉄道の様子などが展示されています。

SLギャラリー

「マルチ体験ゾーン」は、プラレールで遊べたり、鉄道系プリクラが撮れたりと、幼児向けの施設です。

「展望デッキ」は屋上広場のようなもの。南向きのデッキなので、下館方面からSLが来るとよく見えます。

車椅子で行く真岡市

次は、2014年にオープンした文化施設を紹介します。

「久保記念観光文化交流館」

旧久保邸を改装し開放した、記念館、美術館、物産館、イベントホール、レストランで構成される施設です。

敷地内の駐車スペースは5台分で、内1台分が身障者用駐車区画。収容台数が少ないので、近隣の「木綿会館」駐車場の利用が薦められています。トイレは独立棟を新設。綺麗なバリアフリートイレが併設されています。

車椅子で行く真岡市

「久保記念館」は明治40年築で、入口からすぐに段差があり、靴を脱いであがります。1Fは久保邸で使用されていた応接セットがおこれた「観光サロン」、特産の木綿を飾った「真岡木綿展示室」など。2Fに階段で上ると、美術家久保貞次郎氏が残した書簡、原稿、写真などが飾られた「久保資料室」。「久保記念館」は車椅子では利用できない施設です。

車椅子で行く真岡市

「美術品展示館」は大正12年築の米蔵。昭和32年に久保貞次郎氏がアトリエに改修。そして1Fだけの小さな美術館に改装されました。バリアフリーに鑑賞できる美術館です。

車椅子で行く真岡市

「観光物産館」はいわゆるお土産屋さん。小さなお店で通路幅はそれほど余裕はありませんが、空いていれば車椅子での利用に問題はありません。

「観光まちづくりセンター」は明治12年築のなまこ壁の土蔵。出入口が段差構造で車椅子での入館は困難です。多目的フリースペースといった位置づけで、真岡の各種観光振興団体の活動拠点になっています。

レストランは「トラットリア ココロ」。「フレンチをベースにしたイタリアン」のお店。テーブル席があるので車椅子での利用は可能です。

真岡には、日本一の大きさを誇る二臂半跏像弁財天が鎮座するお寺があります。

「長蓮寺」

開創は1297年と伝承される時宗のお寺。場所は「観光文化交流館久保記念」の横です。

境内に入ると特徴的な「太鼓櫓」と大きな「本堂」が見えます。「弁財天」は「本堂」の中ではなく「太鼓櫓」1F部のお堂に鎮座しています。

「太鼓櫓」へ向かうと舗装路は途中で終わり、砂利道に飛び石が配置されたゾーンになります。このゾーンが約5m。ここが車椅子での最初の難所です。さらに「太鼓櫓」の1F部のお堂に入るところに、高さ数センチレベルの段差が3段ほどあります。段差間の幅が50cmくらいと、車椅子で乗り越えるのには辛い幅です。

開創は1297年と伝承される時宗のお寺

「太鼓櫓」の1F部のお堂の入口ドアはタッチ式自動ドアで段差なし。お堂の中は車椅子が1台入るには十分な広さがありますが、2台でギリギリの広さです。

本尊は高さ3.45mの「弁財天」像。脇侍には「毘沙門天」と「大黒天」。さらに従者として使える「十五童子」像が鎮座します。

開創は1297年と伝承される時宗のお寺

「太鼓櫓」の「櫓」はとても大きく特徴的。また境内にある「鐘楼」もとても立派です。

最後に特産の「いちご」に特化した道の駅を紹介します。

「道の駅にのみや」

真岡市は「いちご生産量日本一」。道の駅のコンセプトはいちご。ワンランク上の「プレミアムとちおとめ」などが人気です。

道の駅にのみや

2020年春に、商業棟がリニューアルオープンしました。バリアフリーな施設に生まれ変わっています。

道の駅にのみや

農産物・いちご販売コーナー、お土産コーナー、パン工房、スイーツ工房、ジェラート販売コーナー、食堂があり、車椅子で利用できます。

道の駅にのみや

伝統の真岡木綿をテーマにした「真岡木綿会館」は、2019年1月現在、増築改装工事中です。

また隣接する「岡部記念館金鈴荘」は、車椅子では外観の見学すら利用が難しい観光スポットです。

岡部記念館金鈴荘

バリアフリー情報を参考に、車椅子での真岡観光をお楽しみ下さい。

(本稿は2020年6月に加筆しました)

車椅子で行く諏訪~バリアフリー観光情報

数多くの観光スポットがある諏訪。その中から、車椅子でのドライブで立ち寄りたい観光スポットのバリアフリー状況を、上諏訪方面から下諏訪方面へ行くルート順に紹介します。

諏訪大社のバリアフリー情報は、別稿「諏訪大社 四社を車椅子で参拝 現地のバリアフリー状況」をご参照ください。(クリックするとリンクします)

○諏訪市博物館

1990年開館。諏訪大社上社本宮前に建ち、諏訪の象徴である「御柱祭」と「御神渡り」を中心に諏訪の歴史と民俗を紹介します。

観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名の入館料が半額に減免されます。2階建て構造でエレベーターあり、段差はスロープ有り、バリアフリートイレ有り。駐車場は無料で、身障者用駐車区画の用意があります。

メインの展示場は2Fです。展示室1は諏訪の歴史、展示の中心は「諏訪大社」と「御柱祭」です。展示室2は民俗で展示の中心は諏訪湖の「御神渡り」です。

1Fには「世界の蝶」の展示室があります。その数約2,000頭。長野の蝶の標本もあります。

諏訪~バリアフリー観光情報

○SUWAガラスの里とJAショップ

「SUWAガラスの里」は、美術館、土産ショップ、レストランからなる複合施設です。美術館は1992年の開館当時は「ルネ・ラリック美術館」。次は「北澤美術館新館」と変遷しています。駐車場は無料で、身障者用駐車区画はあります。

SUWAガラスの里

館内への入口は、レストラン寄りと美術館正面の2か所。レストランは1Fの高さで、入口からそのまま車椅子で利用可能です。

SUWAガラスの里

1Fにバリアフリートイレがあります。

SUWAガラスの里

SUWAガラスの里

お土産ショップは半地下構造で、車椅子では係員に操作していただく昇降機を利用します。2012年に改装オープンした美術館は2Fで、エレベーターがあります。

隣接してJA系産直ショップ「さざなみ新鮮市」と、同じくJA系の蕎麦屋兼惣菜屋の「さざなみ味工房」があります。

SUWAガラスの里

どちらも木造平屋建ての小さな独立店舗。品揃えは良く、安くて旨いものに出会えるJA系のショップです。

SUWAガラスの里

場所は諏訪湖畔。外の眺めは絶景です。諏訪湖の南岸は、諏訪湖の中で最も静かなエリア。上諏訪や下諏訪ほどの交通量はありません。自然の風景として諏訪湖を眺めるには、とてもよい場所です。

○蔵元ショップ セラ真澄

お酒好きの方にお薦めの施設です。欧州のワイナリーに触発された「蔵元ショップ セラ真澄」は1997年の開店。店舗内はバリアフリー。中庭へ自動ドアから出て、樹齢300年の松の横を抜けた店舗の裏手にバリアフリートイレがあります。お店のコンセプトは「酒のある和やかな食卓」です。

駐車場は10台ほど収容する小さな駐車場が3カ所。お店の並びに2か所とお店の対面に1カ所です。いずれも身障者用駐車スペースの設定はありません。

大規模な店舗ではありません。そのため、「店内・駐車場のスペース」の問題で、団体の予約は「16名様まで」となっています。障がい者の団体利用を検討する場合は、お店に事前相談を入れて下さい。

諏訪~バリアフリー観光情報

○丸高味噌之蔵

信州といえば味噌。酒蔵の次は車椅子で利用できる味噌蔵の紹介です。

大正年代に造られた味噌蔵を活用したお店で、有形文化財に登録されています。駐車場は砂利路面で、店内へのアプローチはフラットとはいいがたい木製のスロープです。店内への車椅子での移動はやや苦戦します。

店内はフラットで通路幅もそれなりにあり、車椅子での売り場回遊は可能です。店舗を裏から出た外に、バリアフリートイレがあります。

食事処は一段上がったお座敷スペースと、テーブルスペースがあります。テーブルスペースの中でも、車椅子で利用可能な可動式のテーブルと椅子の席は、2テーブルです。

ちなみに諏訪の味噌店で観光スポットとして有名なのは、豚汁で有名な「タケヤ味噌会館」ですが、施設は建物の2Fにあり、階段しかないので車椅子では利用できません。

諏訪~バリアフリー観光情報

○諏訪湖間欠泉センター

1日5回、5分間ほど最大で5mの間欠泉が吹き上がります。温泉の採掘により、自然に間欠泉が吹き始めたのが1983年です。当時は世界第一位、最大50mの高さまで吹き上がりました。「諏訪湖間欠泉センター」が造られたのが1990年。施設完成後、温泉の自然噴出は停まってしまい、現在は人工的な間欠泉です。

駐車場は道を挟んだ反対側で、車椅子での利用は可能です。信号のある横断歩道を渡り、湖畔に建つセンター側へ移動。車道から1F入口へはスロープがあります。入館は無料です。

「諏訪湖間欠泉センター」1Fは、土産売店になっています。そして1Fの湖寄りが「温泉玉子作り」が体験できるコーナーですが、この温泉玉子コーナーに入るところは段差があり、スロープ板が置かれていますが、車椅子での移動は困難です。

1Fから湖畔に出るインとアウトの指定があるドアがあります。このドアの箇所に20㎝はある段差があり、車椅子では出入り出来ません。

車椅子では2F、3Fの諏訪湖を臨む展望コーナーから、間欠泉を見ることが出来ます。2Fからなら5mの高さの間欠泉が目の前。3Fからだと見下します。エレベーターは小型タイプですが普通の車椅子での利用は可能です。

この他にロケ地コーナー、花火紹介コーナー、オルゴールコーナーなどがあり、車椅子での見学に大きな問題はありません。

諏訪~バリアフリー観光情報

○万治の石仏(諏訪大社下社春宮)

岡本太郎氏が絶賛したことで有名になった石仏です。「万治3年(1660年)」と刻まれているのが名前の語源。巨大な石仏で胴回りは11m85cmということ。お顔は巨石からの削り出しで、石仏の背中は削りが入っています。作者は名もない石工ということ。太郎氏が称賛するまで、約300年間全く注目されなかった石仏です。

石仏に車椅子で会いに行くことが出来ます 駐車場は「下社春宮」の参拝者用無料駐車場を利用します。駐車場入口すぐの場所に身障者用駐車区画があります。

「境内から万治の石仏に行くことが出来ます」という掲示がありますが、アップダウンに加えて段差のある橋を通るルートです。「万治の石仏」へは境内に入らずに左手に進みます。ここから50mほどが狭い車道で歩道無しの生活道路で、車がかなり通る道を進みます。ここを抜ければ歩道のある道になります。

途中に「おんばしら館よいさ」という、御柱祭に関する資料館があります。2016年4月にオープンした有料の施設で、この施設の敷地内に無料で利用できる公衆トイレがあり、バリアフリートイレがあります。

その先、川沿いの遊歩道へと右折。やや上り坂の遊歩道ですが、車椅子での移動が困難なほどの傾斜ではありません。途中に岡本太郎氏揮毫の碑があり、ほどなく「万治の石仏」に到着します。最後の直線10mがキツイ坂になりますが、それでも普通の車椅子利用者なら移動可能です。

ここまでは全て舗装路ですが「万治の石仏」の周囲は未舗装。この未舗装の周囲を廻って願掛けをします。未舗装なので雨上がりや雪霜の季節は悪路の可能性あり。舗装路からでも、正面からお顔を拝むことは出来るので、折角行ったのに車椅子では全く「万治の石仏」が拝めなかったということはありません。

諏訪~バリアフリー観光情報

○門前ひろば食祭館

諏訪大社下社秋宮から徒歩5分程の旧中山道沿いに、2010年に開業したドライブインです。下諏訪町の所有地に隣接する私有地も加えた1,600㎡の敷地に、地元民間団体が出資した施設。官民一体型の町興し施設です。2F構造で1Fの半分ほどがお土産コーナー、1F半分と2Fが食事処です。施設内に足湯と公衆トイレがありますが、これは下諏訪町が建設した公立施設です。

敷地内に駐車場があります。大型バス優先の駐車場で、普通車の収容台数は10台。身障者用駐車スペースもあるので、車椅子利用者はとりあえず敷地内駐車場を目指して下さい。満車の場合は、他の駐車場に誘導していただけます。

バリアフリー上の大きな問題はありません。お土産、食事に、車椅子で利用できます。

諏訪~バリアフリー観光情報

諏訪周辺の観光スポットは、車椅子で利用できない施設があります。事前に現地の状況を確認して、行動計画を立てることをお薦めします。

(本稿は2018年12月に執筆しました)

軽井沢タリアセン 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

塩沢湖の周囲に広がる複合リゾート「軽井沢タリアセン」。軽井沢らしい素敵な景観、洒落た洋館・美術館などからなる施設です。

しかしながら園内通路はオフロードで坂道があり、一部の施設は土足厳禁で階段構造、車椅子での利用は苦戦します。主な施設の状況を紹介します。

軽井沢タリアセン バリアフリー情報

アクセスは車が便利です。駐車場は無料ですが、夏休みなどトップシーズンは有料で駐車料金の障がい者減免制度はありません。

入園は有料で「ペンネ美術館」など別に入館料が必要な施設があります。料金は障がい者減免制度があり、本人のみ半額に減免されます。オフシーズンの12月と1月は入園無料になり、別料金の施設の利用料も割引価格になります。

軽井沢タリアセン バリアフリー情報

ショップやレストランがある中央ゲート付近はバリアフリーです。バリアフリートイレは「レストラン湖水」の中にあります。

このバリアフリーエリアからの眺めだけでも、軽井沢らしい素敵な景観を楽しむことができます。

軽井沢タリアセン バリアフリー情報

以下、車椅子では苦戦する主な施設を紹介します。

中央ゲートほど近くから始まる「ことりがよぶ道」。素敵な名称の遊歩道ですが、車椅子では苦戦するデコボコが激しいルートです。「睡鳩荘」までの道のりは、車椅子では無理をする通行になります。ゆっくり慎重に車椅子を進めてください。

軽井沢タリアセン バリアフリー情報

タリアセンの景観を引き締める素敵な洋館「睡鳩荘」は、昭和6年築のヴォーリス建築です。

軽井沢タリアセン バリアフリー情報ここは土足禁止でスリッパに履き替えて入館します。1Fエントランス部はスロープがあります。車椅子を拭いて手動ドアを開けて入館します。

軽井沢タリアセン バリアフリー情報

館内1Fには、ヴォーリス建築風のバリアフリートイレがあるので必見です。2Fのバルコニーからの眺望は素晴らしいのですが、階段のみで車椅子では上れません。

軽井沢タリアセン バリアフリー情報

「野の花美術館」と「レストランソネット」がある「明治四十四年館」は、明治44築の元軽井沢郵便局です。ここへのアクセスは「睡鳩荘」横の「近道」からは階段路、「遊園地」経由のルートは急坂路、車椅子では近づくことが難しい場所です。

夏休みなどピーク時は隣接する「北口」がオープンします。ただ「北口」から入ると、逆に車椅子で他のエリアに向かうのが困難です。

軽井沢タリアセン バリアフリー情報

「ペイネ美術館」は軽井沢に最初に建てられた別荘を利用した施設で、入口は段差があり、館内は土足禁止です。館内の中二階へはスロープですが、車椅子には辛い急坂スロープです。館内1Fの通路も狭いので、車椅子では苦戦する美術館です。

軽井沢タリアセン バリアフリー情報

6月から9月の間バラが咲き続ける「イングリッシュローズガーデン」は、散策路を進むと段差路に誘導されますが、周回路なので平路を進んで下さい。帰りも同じルートです。

軽井沢タリアセン バリアフリー情報

未舗装路もありますが、ここは車椅子でもなんとか通行できるデコボコレベルです。

軽井沢タリアセン バリアフリー情報

軽井沢タリアセンは、車椅子では苦戦する箇所が多いリゾート施設ですが、中央ゲート付近は無理なく車椅子で利用できます。

「軽井沢ムーゼの森」の情報を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2017年8月の取材に基づいています)