千葉県松戸市にある「松戸市公設地方卸売市場南部市場」は、かつての築地場内市場のミニチュア版のような市場で、業者だけではなく一般客が買い物、食事に利用できる総合卸売市場です。ただし新しい施設ではありません。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。
徒歩圏内に駅はありません。車椅子利用者は車での来場が便利。100台以上を収容する無料駐車場があります。
駐車場には身障者用駐車スペースの設定はありません。混雑時は入口に誘導スタッフがいます。松戸南部市場の運営会社は、「いちごマルシェ(株)」です。
市場の入口付近が大きな駐車場スペースですが、施設等の周囲も駐車スペースです。松戸南部市場の敷地は約4万6千㎡あります。広い乗降スペースが必要な方は、市場内をまわりながら、使いやすい駐車区画を探してください。
バリアフリートイレは、メイン駐車場の反対側、関連食品棟の東側にあるトイレ棟に1つ用意されています。段差回避スロープを通り利用するトイレです。
トイレはスペースがやや狭い個室で、ウォシュレット付き便器が備えられています。
買い物のバリアフリー状況です。水産棟と関連食品棟の2棟があり、どちらも7割程度の区画で店舗が営業しています。
古い施設なのでバリアフリー仕様ではありませんが、決定的な段差のない舗装路面の施設なので、車椅子で利用できないことはありません。
周囲の路面から2棟への出入口に段差はありません。
棟内の通路幅は車椅子が通行できる幅はあります。ただし商品や荷物、台車などが置かれていることがあります。
買い物客がいると車椅子で移動できない通路幅の箇所があります。
混雑している状況では、車椅子での買い物は苦戦しそうです。
関連食品棟内には、空きスペースを利用した休憩スペースがあります。
店舗内の通路はそのお店次第ですが、菓子、金物、雑貨系のお店は、商品が溢れる店内の通路は狭いお店が多く、車椅子での買い物は苦戦します。魚、肉などの生鮮のお店は、棟内通路に面してワゴン販売をしているので、車椅子で買い物ができます。全般的には車椅子では苦戦するお店があるので、健常な同行者と一緒に買い物を楽しむほうが無難だと思います。
2棟の周囲にも数軒のお店があります。事務所棟1Fの酒屋は、フラットでスペースに余裕がある車椅子で買い物ができるお店です。駐車場の脇にある地場野菜のお店はテントショップで、段差はなく車椅子で買い物ができます。
グルメ店の状況です。寿司店は出入口に段差があり、店内スペースに余裕がありません。カウンター椅子席とテーブル席が1つありますが、車椅子のままで店内を利用することは困難なお店です。つかまり立ちや介助歩行が出来れば、何とかなるかもしれません。
食堂棟で5店舗が営業しています。関連食品棟側に出入口がある店舗が3軒、反対側に2軒あります。
どちらも、舗装路面から高さ数センチの木製デッキに上がり、石が撒かれたラインを超えて、店内に入ります。確認できた限り、食堂棟のグルメ店で、車椅子のまま簡単に利用できるお店はありません。介助歩行が可能な人は、なんとかなります。
グルメ店は市場らしく、安くて美味しいと評判。ほとんどのお店で、テイクアウトメニューが用意されています。
松戸南部市場の物販店は6時頃から昼過ぎ頃までの営業。正午になると片付けが始まるお店が多くなります。
食堂は7時頃から15時頃まで営業する店舗が多いようです。日曜祝日は休場。水曜日も休場日があります。ホームページのカレンダーで開場日を確認して利用してください。
松戸南部市場はバリアフリー施設とはいえませんが、バリアフリートイレがあり、生鮮店の多くは車椅子で買い物ができます。
(本稿は2022年1月に執筆しました)