短期的に施設に入所して、介護・支援が受けられるショートステイ。障がいのある人やその家族にとって、身近な存在になっています。
お住まいのエリアによって状況は変わりますが、多くのエリアでは、利用者側で施設を選ぶことが出来る状況になっています。
施設に照会すると、料金、昼間のレクレーション、食事の特徴、その他施設の自慢するサービスについて、説明があります。利用する本人の障がいが重い場合は、家族が確認します。
複数のショートステイ事業者を利用して気がついた、一般に説明されることが少ないチェックポイントを紹介します。
○送迎サービス 自宅内でのルール
重い身体障がいがあり、ベッドの移動から介助が必要な人の場合です。事業者によっては、室内に入り、ベッドから車椅子やストレッチャーに乗せかえるところからやっていただけます。
一方、家から出るところまでは支援できず、玄関から先がこちらの守備範囲です、という事業者もあります。
老老介護など、なんらかの事情で家族では家の外に連れ出せない場合、後者の事業者の場合は、そのために別のヘルパーさんに来てもらうことになります。帰宅時も同じです。
重度障がいの人と家族にとっては、微妙な違いですが大きな違いになることがあります。
○送迎の絶対時間
身体障がいのレベルによっては、車に乗っている時間が一定時間以上かかると、体の負担が重い人がいます。
事業者によっては、小さな車で一人利用者を乗せたら施設に直行するところ、大きな車で何人も利用者をピックアップして回るところがあります。その日によって違う、というところもあります。自宅から施設までの移動時間が、必ずしも距離と比例しない場合があります。
特に自分で意思表示が上手にできない人の場合は、どういう状況なのか、家族が確認する必要があります。
○入浴方法
お風呂好きの障がいのある人にとっては、自宅とは違う、ゆったりとした湯船でくつろぎたいところです。ショートステイ施設の場合、必ず重度身体障がいの人でも利用できる、入浴設備はあるはずです。
入浴設備は、大きく分けて2タイプあります。大きな湯船にリフトなどで入浴するタイプと、シャワー式と呼ばれますが全身に高温ミストやシャワーをあてる、機械に入るタイプです。
どちらが好きかは利用者個人の趣味ですが、湯船が好きな人が多いようです。施設側からみると、シャワー式の方が楽です。この入浴方法の違いは大切です。利用者本人の希望を確認あるいは推測して下さい。
○歯磨きの方法
自分で口腔ケアができない重度の障がいがある人の場合、食後の歯磨きをどうしているのか確認する必要があります。
知的にも重い障がいがある人は、いつもと違う歯磨きをされると、暴れて下手をすると口腔に怪我をするリスクがあります。利用者の障がいの状況や日常的な口腔ケアの方法を踏まえて、ショートステイ先と細かい打ち合せをする必要があります。
○夜間の施設内環境設定
就寝時間や消灯の有無、何時までテレビを見ていられるか、部屋のドアは開けたままか閉めるか、真っ暗か薄明るいか、巡回があるのかなど、ショートステイ先によって、夜間の運営ルールは違いがあります。
利用者にとって、好き嫌いが案外でるのが夜のルールです。聞かないと施設側からは説明はありません。夜のルールは事前に確認してください。
障がいが重い人ほど、利用者にあったショートステイ先を慎重に探す必要があります。
(本稿は2019年11月に執筆しました)