障がいがある児童が特別支援学校に通学する時のバックは、学校から指定されることはありません。その児童の状況に応じて適正なバッグを各家庭で選びます。
自分で荷物を用意することや、出し入れをすることができない、重度重複障がいのある児童でも、小学校に入学する際にランドセルを用意したい保護者は大勢います。そのニーズに応える車椅子用のランドセルが市販されています。
近年商品ラインアップが増えました。セミオーダー出来る車椅子ランドセルもあります。
一般論としては、軽くて、丈夫でロング保障、ワンタッチロックなど開閉が簡単で、カブセが浅く荷物の出し入れがしやすいタイプなどが推奨されています。
身体障がいが重く、自分でランドセルを乱暴に扱う可能性がない児童の場合、丈夫さや6年間保障の有無などは、それほど重視する必要はありません。
自立歩行ができない重い障がいのある児童の場合、通学は公共の交通機関を利用することはなく、スクールバスなどの利用で、ランドセルは車椅子にかけます。
そのため、車椅子のサイズに合うA4が横に入る、横長のランドセルが便利です。
障がいが軽く、自分で背負うことも想定する場合は、一般的な縦型を選びます。
荷物の出し入れを障がいのある子が自分で行う想定をしないなら、開けやすいロック構造や、出し入れしやすい構造などは、重視する必要はありません。
一方、上枝に障がいがあるものの、自分で荷物を出し入れすることを想定するなら、不自由な手で操作しやすい構造であることが重要です。
普通校に準ずる授業を受けないことを想定すると、複数の教科書やノートを日常的に持ち運びすることはありません。ランドセル内部にそのための仕切りがないほうが、むしろ便利です。
一般に障がいのある児童は、着替えやタオルなどで必要な荷物が多くなります。車椅子ランドセルのサイズはある程度は選べますが、大きなサイズを選んでも、収容力はそれほどではありません。
日常的に荷物が多いことが想定される児童の場合は、車椅子にもう一つ別のバックを背負わせることが出来る、なるべく小型の車椅子ランドセルを選ぶのも作戦です。
小学校入学前に、障がいのある子が卒業までにどのように成長するかは、誰にも分かりません。そのため、車椅子用のランドセルに求める機能を絞りきることは難しいことです。
それでも、その子の就学前の障がいの状況に応じて、ある程度は重視する機能を絞ることはできます。
(本稿は2019年11月に執筆しました)