南房総市富浦町大津にある施設です。一般的な道の駅とは異なり、「花」に特化した構成で、農産物直売所や食事処はありません。
道の駅に登録されたのは2003年ですが、施設としては1993年に開業しています。したがって今どきのバリアフリー設計の施設ではありません。
ユニークな道の駅「おおつの里花倶楽部」の、車椅子からみたバリアフリー状況を紹介します。
冨浦ICから車で5分ほどの距離です。駐車場は20台程度の収容と広くはありません。状況によっては空きスペースを活用します。
身障者用駐車区画は屋根なしで1台分。ブルーの塗装が施されています。
道の駅ではなく、大きな温室がある花畑のイメージです。バリアフリートイレは、24時間利用の独立トイレ棟に1つあります。今回取材時の状況では、シンプルな設備のトイレでした。清掃は行われています。
施設のエントランス周辺は、段差はありません。車椅子で施設内に移動できます。中に入ると左手にお会計やソフトクリームなどのテイクアウトをオーダーするカウンター、そして小規模な物産品のお土産コーナー、フリーテーブルが置かれる休憩コーナーがあります。床面は一部高低差がありますが、スロープ化されているので、車椅子での移動は可能です。
この一角以外は、すべて花のコーナーで、エントランス近くは切り花が販売されるエリア、その奥は花畑です。切り花売り場は車椅子で移動できるフラットな路面です。
屋外に季節のお花が栽培される広場があります。舗装路面があるので、車椅子からお花を観賞することが出来ます。
お花の栽培エリアは舗装路面と未舗装路面があります。未舗装路面でもデコボコが少なく固い路面が多いので、車椅子で広範囲を移動できます。
鉢植えで栽培されている花卉もあり、様々な植栽を鑑賞することができます。
今回取材時は、キンギョソウとポピーの花摘みができました。鋏を受付で借り、摘んでから本数に応じた料金を精算します。
花摘み畑の様子です。キンギョソウの畑は通路が狭く、全体的には車椅子での花摘みは難しい状況です。
ポピーの栽培エリアは、もちろん未舗装路面ですが、その気なれば車椅子で花摘みができそうな状況です。
スタッフの人は、出荷用の切り花の準備に、忙しく手を動かしています。道の駅おおつの里花倶楽部は、一般的な道の駅のイメージではありません。花に特化したユニークな施設です。
(本稿は2021年3月に執筆しました)