横浜みなとみらい地区の玄関口「日本丸メモリアルパーク」は、「帆船日本丸」と「みなと博物館」があり、その周辺は公園として開放されています。車椅子で行くとどうなのか。現地のバリアフリー状況を詳しく紹介します。
なお本稿は2017年10月の取材に基づいています。
○パークへの傾斜路を下る
日本丸メモリアルパークへの車椅子でのアクセスルートは、みなとみらい大通からのスロープ利用になります。傾斜角度はそれなりにありますが、一般的な車椅子利用者なら通行可能です。
○障害者用駐車場あり
身体障害者だけが利用できる障害者用駐車場が1台分だけあります。予約制で「帆船日本丸」と「横浜みなと博物館」の有料エリアを利用中のみの使用という制限があります。
場所は「横浜みなと博物館」の正面入口前。徒歩ルートと同じ、みなとみらい大通からのスロープが車での進入路です。
○入館料の障害者減免あり
「帆船日本丸」と「横浜みなと博物館」は有料の施設です。どちらも障害者手帳の提示で、本人と介助者1名の入館料が無料に減免されます。
○「帆船日本丸」は段差構造
「帆船日本丸」の内部は段差構造です。車椅子ではスロープで上って甲板に上り、横に移動して下りて戻るだけです。船内部の観覧はできません。
また原則として、車椅子利用者の見学は介助者が必要となっています。
○「横浜みなと博物館」はバリアフリー改修あり
「横浜みなと博物館」は、元々は1989年に開館した「マリタイムミュージアム」。基本設計は段差構造です。2009年に「横浜みなと博物館」へと全面リニューアル。バリアフリー改修が行われました。
後付バリアフリーなので面白い構造です。車椅子用スロープを下り、その先にあるエレベーターの利用で地階展示室に向かいます。
障害者用トイレは1FとB1両方に用意。広くて綺麗なトイレです。1Fトイレは無料ゾーンにあります。多目的シート(大型の介助シート)を備えた身体障害者用トイレもあります。
「横浜みなと博物館」内はバリアフリー。すべての展示を車椅子で鑑賞できます。
○アートミュージアムがオープン
2018年3月、「横浜みなと博物館」1Fに「柳原良平アートミュージアム」がオープンしました。常設展示は博物館の入館料金で鑑賞できます。
○周辺公園部のバリアフリー状況
「帆船日本丸」と「みなと博物館」周辺の公園スペースは、フラットまたはスロープがあるので、車椅子での散策は可能です。
「帆船日本丸」を正面からみる広場は、スロープ傾斜路を上る必要があります。この傾斜路は車椅子には辛い角度。積極的にはお薦めしません。
○「みなとみらい」原点の場所
横浜みなとみらい地区の原点は、ここ「日本丸メモリアルパーク」。元造船所で1985年に公園化されました。日本丸が係留されているのは「一号ドッグ」と呼ばれる産業遺産で国指定重要文化財です。
「帆船日本丸」は車椅子では甲板の見学だけ。「みなと博物館」はバリアフリー。周辺公園部は、傾斜路を上る広場以外はバリアフリーです。