重度障がいがある人からの写真入り年賀状は家族からのメッセージ

重度障がいがある人からの写真入り年賀状は家族からのメッセージ

障がいのある人やそのご家族から、年賀状をいただきます。重度の障がいがある子どものいるご家族からの年賀状は、ほぼ例外なく子どもの写真付きの年賀状です。

一般的な傾向としては、子どもの写真付き年賀状は、子どもが小学生くらいまで。それを過ぎると、親にその気があっても、写真付き年賀状は子どもが嫌がるようになります。

重度障がいの子どもの場合は、自分で嫌がることも出来ないので、20歳を過ぎても、親にその気がある間は、写真付きの年賀状が続きます。障がいのある本人の意思ではありません。あくまで家族の趣向です。

日常的に会うことがなくなった障がいのある子どもの写真をみると、一目瞭然、その子の今の様子が解ります。

選りすぐられた写真です。どこのどんな場面で、どのような服装で、どんな車椅子に乗って、どんな表情をしているかで、その子の健康状態、知能や精神の発達の状況が、おおよそ推察できます。

就学年代の重度障がいの子どもの年賀状の写真でよく選ばれるのが、学校の文化祭での発表シーンのスナップです。文化祭の出番は、その子の障がいの状況、個別課題の設定内容によって決まります。したがって障がいに対する知識があると、文化祭の出番のスナップ一枚で、その子の昨年の状況がおおよそは把握できます。

家族でのお出かけ先の写真も多く使用されます。海外旅行の写真が付いた年賀状もよくいただきます。重度障がいの家族を連れての海外旅行は大変です。家族の思い出に、お父さん、お母さんが頑張ったことが伝わってきます。

重度障がいの子どもの近況を、1行2行のコメントで伝えるのは難しいことです。写真があると、それだけで伝わります。本人だけではなく、家族をはじめ周囲の支える人たちの気持ちも、写真に表れます。

年の初めに、成長が案じられる障がいのある人の、笑顔の写真を見るのは良いものです。重度障がいのある家族のいる家庭は、素敵な写真をたくさん撮っています。

(本稿は2019年11月に執筆しました)

別稿で「大人になった重度重複障がい者と共に生きる親の想い・悩み・希望」を掲載しています。ご参照ください。