栃木県大田原市の古社です。創建は仁徳天皇の時代と伝えられます。中世に建てられた本殿と楼門は国の重要文化財に指定されています。
しかし境内はバリアフリーではなく、車椅子での本殿参拝は困難です。多少無理をすれば楼門は車椅子で見学ができます。現地の状況を紹介します。
○道の駅からアクセス
アクセスは車が便利です。駐車場は隣接する「道の駅那須与一の郷」を利用することを、栃木県神社庁が推奨しています。この道の駅には総計11台分の身障者用駐車区画が用意されています。
道の駅の駐車場を起点にすると、施設の裏側、一般道路を渡った先が那須神社の境内になります。
○社務所横からショートカット
境内は全域が未舗装で、場所によっては凹凸がひどく、砂利が深い箇所があります。
二の鳥居から境内に入ると、一の鳥居まで荒れた未舗装の参道を通行しなくてはなりません。
車椅子では、一般道路を進み社務所の横から境内に入ると、未舗装悪路を最短距離で通過して、一の鳥居と楼門の間に行くことができます。
○段差の手前から楼門を仰ぐ
手水舎は決定的な段差はありませんが、デコボコがきつくて車椅子での利用は苦戦します。
楼門の手前、石塔の横に最初の段差があります。この段差の手前から重文の楼門を仰ぐことができます。
介助者の手を借りて、無理をすれば最初の段差は越えられるかもしれません。その先にある太鼓橋は車椅子での通行は危険です。無理をしたとしても、太鼓橋の手前から楼門を見上げる、門の間から本殿を見るのが、車椅子参拝の限界です。
○本殿の状況
太鼓橋の先は、楼門の下、拝殿の手前まで、決定的な段差はありません。
拝殿の賽銭箱は、2段の上にあります。
本殿側からもる楼門も見事な装飾です。
○おくのほそ道風景地名勝
この地の豪族那須氏が信仰し、那須与一が奉納した太刀が伝えられています。その後、黒羽城主の大関氏の氏神として崇められました。
国指定名勝「おくのほそ道風景地」に指定されています。
歴史ある大田原那須神社は、車椅子での本殿参拝は困難ですが、少し無理をすれば、境内に立ち入り、「おくのほそ道風景」を楽しむことができます。
(本稿は2020年9月に執筆しました)