葉山郷の総鎮守「森戸大明神」は、1180年に頼朝公によって祀られたと伝承される祠です。通称は森戸神社。基本はバリアフリーではありませんが、参拝者用無料駐車場があり、本殿はスロープ対応です。現地のバリアフリー状況を紹介します。
沖に見えるのは「裕次郎灯台」。周囲はデザイナーズハウスの密集地。森戸大明神が鎮座するのは、リゾート地葉山の中心部で、海岸に面し、相模湾越しに江ノ島、富士山を望むロケーションです。
森戸大明神の前を走る県道207号線は、交通量が多く、道幅は狭く、ごく一部にしか歩道がありません。車椅子で通ると、怖い思いをする道路です。しかもこの道は大型の路線バスが通ります。
車椅子利用者の参拝は、車でのアクセスが便利です。収容台数約100台の大駐車場があります。県道から鳥居を抜けて左側の海沿いの広場が未舗装の駐車場です。一般客は有料駐車場、参拝客は参拝中に限り無料で駐車できます。
有料駐車場の料金は季節変動制。隣接する森戸海岸は海水浴場なので、混雑のトップシーズンは夏。海水浴シーズン以外は、駐車場があふれている印象はありませんが、行楽シーズンの休日は、周辺道路が渋滞します。
「本殿」は段差があり、正面から車椅子で上ることは出来ません。「本殿」正面からみて左側に、駐車場から本殿へ昇るスロープが設置されています。

このスロープは車椅子で参道からは行けません。駐車場からだけ利用できます。そして駐車場は未舗装で路面が荒れています。
したがって車椅子で「本殿」へ参拝する場合は、駐車場の奥、本殿のすぐ脇のスロープ入口の近くに車を停めて、車椅子で参拝する方法がベストです。
「本殿」へのスロープ入口周辺の駐車場路面は、ひどいデコボコの状態です。極力スロープ入口に近い場所に車を停めて、車椅子でアクセスすることをお薦めします。

森戸大明神のご利益で有名なのは「子授かり」。このご利益があるのはお末社の「水天宮」で、本殿へ向かう参道の途中に祠があります。
「水天宮」にお参りしたい場合は、「本殿」とは逆に、駐車場のなるべく手前に駐車します。駐車場から参道の途中にショートカットする通路はすべて段差があり、車椅子では通行できません。駐車場から出て、参道の最初からアクセスするしか車椅子での「水天宮」への参拝ルートはありません。
したがって、駐車場の出入口近くに停めた方が便利です。駐車場出入口付近も、かなりのデコボコ状態なので、車椅子の場合は極力参道への移動距離を短くした方が楽です。
参道はややデコボコした舗装路。快適なバリアフリー道ではありませんが、車椅子で通行可能です。
「子授かり」を祈願すると、お札と「子宝石」をいただけるそうです。「子宝石」は、寝室にお祀りし、毎日手で撫でるとご利益があるそうです。
森戸大明神から森戸海岸へは、「みそぎ橋」を渡って車椅子で向かうことができます。

そして森戸海岸の砂浜の大外周辺部には、舗装された周回路が整備されています。ただしこの周回路は、あちこちが砂で埋まり、車椅子での通行は苦戦します。

森戸大明神から葉山元町にかけて、周辺はお洒落なお店、老舗の名店、話題のグルメ店などが、数多くあります。

個店別の詳細は略しますが、バリアフリー面でお薦めできるお店は、現時点ではありません。

森戸大明神は、車利用で、駐車場の停め場所を選べば、車椅子での参拝が可能です。バリアフリーの観点からは、車道を通行するルートでの参拝や、周辺への車椅子での散策は、積極的にはお薦めできません。
「葉山しおさい公園」と「葉山しおさい博物館」のバリアフリー状況を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2016年3月の取材に基づいています)