三浦半島の西岸、相模湾沿いの荒崎海岸一帯は、「荒崎公園」として整備され、限界はありますが車椅子で荒々しい磯の景観を見ることができます。現地のバリアフリー状況を紹介します。
アクセスは車が便利です。国道134号線の荒崎入口から海沿いの道に入るのが一般的なルートで、その突き当りに荒崎公園の駐車場があります。
駐車場は、オフシーズンの平日は無料ですが、週末や夏休みシーズンは有料になります。障がい者減免制度があるので、駐車場入口のスタッフに障害者手帳等を提示してください。駐車料金が無料に減免されます。
駐車場には身障者用駐車区画があります。磯の方面に行く遊歩道は、駐車場右手奥から始まるので、その近くに駐車すると便利です。
駐車場の近くに公衆トイレがありますが、バリアフリートイレはありません。
公園内メインの遊歩道は、アップダウンはありますが、一般的な車椅子利用者なら通行可能な舗装路です。
荒崎公園内には「夕日の丘」「ピクニックの丘」「潮風の丘」が整備されています。
それぞれ美しい眺望や自然が楽しめますが、丘へのルートは傾斜が強く、未舗装路もあり、車椅子には不向きです。
メインの遊歩道を進むと、「どんどんびき」という細長い入江が右手に見えてきます。波が打ち寄せて、どんどん引いていく様子が語源ということ。
その手前の入り江は、健脚の方なら磯遊びが楽しめます。車椅子利用者は、無理のない範囲で、入江の鑑賞を楽しみます。
その先には「憩いの広場」があり、ベンチやテーブルが設置されています。広場はデコボコが激しい未舗装路面なので、車椅子での移動は快適ではありません。そのまま横を通過して、磯を目指すことをお薦めします。
更に進むと、相模湾に突き出た荒崎、つまり海岸線にでます。静かな相模湾ですが、凪の時でもそれなりの波が打ち付けます。時化の時は更に迫力があります。あまりに激しい時化の時は、危険なので近づかないようにしてください。
海の方を眺めると、迫力のある打ち寄せる波の姿ですが、陸の方に目を向けると、長い年月、波に打たれた奇岩や洞窟などをみることができます。迫力のある光景を車椅子から観ることができる、希少なスポットです。
この遊歩道の先は、海岸線を貫くトレッキングルートとして人気ですが、車椅子ではここまでです。遊歩道の終点、柵の内側から荒崎の景観を楽しみます。
荒崎公園は、遊歩道のアップダウンをクリアできれば、車椅子から荒磯の光景を観ることが出来る公園です。
横須賀市営公園「長井海の手公園ソレイユの丘」を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2018年10月に執筆しました)