2023年にリニューアルオープンした横須賀市営公園「長井海の手公園ソレイユの丘」。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。
アクセスは車が便利で有料駐車場があります。車椅子利用者は身障者用駐車区画がある第1駐車場を目指してください。開園以来、駐車場は何度か改良され、現在では広い身障者用駐車エリアが用意されています。
料金はナンバー認証型後払い方式になりました。駐車料金は障がい者減免制度があり、案内所の窓口に障害者手帳等を提示すると、無料減免されるカードを支給していただけます。
駐車場から園内へ向かうルートは、多少傾斜はありますが車椅子で通行可能です。ソレイユの丘は入園無料。観覧車などのアトラクションの利用は有料です。
公園入口の横に売店とマルシェがあり、ソレイユの丘で採れた野菜や地場産品などが販売されます。車椅子で利用できる店舗です。
南フランス、プロバンス地方をイメージした公園です。エントランス付近から観覧車などがあるエリアにかけての通路は一部が石畳風の路面で、車椅子で通行するとガタゴトします。
他のエリアの散策路はすべて普通の舗装路です。アップダウンは少々ありますが、車椅子で園内一周は可能です。
園内を巡る有料のトレインは、最後部に車椅子を乗せるケージが設置されています。
園内にはトイレが8カ所あり、すべてにバリアフリートイレが設置されています。リニューアルでウォシュレット付き便器が導入されました。車椅子なら利用できるスペースは確保されています。
公園入口からすぐ右手はフラワーガーデンで、ひまわり、コスモスなど四季折々のお花が栽培されます。特に有名なのは冬場の菜の花。12月から3か月以上、花畑には菜の花が咲き続きます。花畑周辺の散策路は車椅子で通行できます。
左手は収穫体験が出来る野菜畑。奥に温室がありトマトやイチゴが栽培されます。冬場の大根収穫体験は1本100円など。畑なので車椅子での体験は困難です。
サービス施設のバリアフリー状況です。レストラン、日帰り温泉、売店などがあります。レストランはバイキングレストランとアラカルトのレストラン。週末は浜焼きバイキングが営業します。いずれも一般的な車椅子利用者なら、なんとか利用できるお店です。
日帰り温泉は、車椅子のための特別な設備はありませんが、最近の一般的なバリアフリー仕様で、介助歩行が可能な方なら利用できます。売店は車椅子で問題なく利用できます。
アトラクションのバリアフリー状況です。有料の遊具は観覧車、メリーゴーランド、ゴーカート、芝そりなど。大型遊具などは無料で利用できます。いずれも車椅子での利用は制約があります。
有料の「アニマルビレッジ」は、未舗装路がありますが車椅子での利用はなんとか可能です。
キャンプ場があり、フリーサイト、オートキャンプサイト、バンガローが整備されています。トイレは公園のトイレを使用し、炊事は共用コーナーを利用します。
バンガローはエアコン付きで、一部の棟の入口はスロープ仕様です。
公園の高台に入館無料の「ホタル館」があります。1Fはホタルに関する資料展示、2Fが展望台です。
エレベーターがあるので、車椅子で2F展望台に上がることができます。ただし展望台の壁が高いので、一般的な車椅子からの目線では外が見えません。
車椅子での「ソレイユの丘」の楽しみ方は、なんといっても公園内の散歩。天気が良ければ、相模湾越しに富士山が望めます。
散歩の途中でお菓子やお弁当をいただくときは上空を注意してください。上空でトンビが回遊しながら、獲物を狙っています。本当に襲われるので真剣に注意してください。
この地の歴史を紹介します。この地は長年にわたって軍事的な拠点でした。最初は旧日本軍。終戦からは米軍。その後は自衛隊。それが今では平和なバリアフリー公園になりました。
「長井海の手公園ソレイユの丘」は体験型施設で、車椅子向きではないサービスメニューが多々あります。しかし園内の散策は車椅子でバリアフリーに楽しめます。
JAよこすか葉山の大型農産物直売所「すかなごっそ」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2023年6月に加筆しました)