茨城県つくば市の「みずほの村市場」は、バリアフリーではありません。しかし美味しいものに出会える楽しい農産物直売所です。車椅子からみた現地の状況を紹介します。
開業は1991年。全国から同業者の視察が絶えない、大人気の農産物直売所です。駐車場は未舗装路面で身障者用駐車区画の用意はありません。店内は土間で、デコボコがあり一部傾斜面もあります。バリアフリートイレはありません。車椅子への特別な配慮はありませんがマーケティングは一級です。
現時点で出品農家は54人の農産物直売所です。販売面で目に付くのは試食です。ほぼ生鮮全商品に試食があるといって過言ではありません。ただ単に切ってある試食もありますが、こうやって食べると美味しい、という提案型の試食が多いのが面白い。サッと酢漬けに、軽く塩もみ・・・大根やキュウリの試食は珍しい。それも複数の農家の大根を、試食して選ぶことができます。
高品質な農産物を生産し、可能な限り高く売り、利潤は更に産物の品質を上げるための投資に回す。同一商品を出品する後発農家には、先発農家よりも高い値付けをする義務があるそうです。
売上の15%がお店、85%が生産者という単純な運営ルールが基本。これに加え、年間販売目標をクリアした農家には報奨金を支給。逆に最低ノルマを下回った農家からは罰金を徴収するそうです。消費者に選んでいただける生産者が勝ち残るシステムです。
農産物直売所の建物の周辺に、花木を扱う「園芸センター」と、立派な建物の蕎麦屋「蕎舎」がありますが、いずれも車椅子では利用が難しいお店です。「みずほの村市場」一帯に、車椅子で快適な施設はありません。
「みずほの村市場」はJAの施設ではありません。会社は(株)みずほジャパン。社長がいます。つくばの「みずほの村市場」はバリアフリーではありません。それを承知で車椅子で利用してください。
「JAつくば市筑波農産物直売所」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2017年6月の取材に基づいています)