2020年12月に誕生した複合施設です。小田原城下町をイメージした低層棟と、ホテルが入る高層棟で構成。小田原らしい食事やお土産選びを楽しめるお店、コンベンションホール、図書館、ハローワーク、保育所、クリニックなどが入ります。
新しい施設なのでもちろんバリアフリー仕様ですが、凝った設計のために、車椅子での利用に注意すべき点があります。知っていると役立つ、ミナカ小田原の車椅子利用情報を紹介します。
小田原駅東口の駅ビル「ラスカ小田原」の隣です。駅からは徒歩1~2分の距離。車椅子でのアクセスに問題はありません。
駅から地上ルートでミナカ小田原に向かうと、低層棟「小田原新城下町」の1F「城下町市場」や飲食店が並ぶエリアに出ます。1Fのお店の多くは車椅子で利用できるフラットな構造です。
複数のショップが入る「城下町市場」内には、人力車の展示があります。
駅からアクセスする1Fから、2F以上へのメインルートは、階段またはエスカレーターです。エレベーターはやや見えにくい場所2ヵ所にあります。「小田原みなと食堂」の奥と、「ローソン」の裏です。また1Fにはバリアフリートイレはありません。
B1が有料駐車場で、一部の店舗の利用で駐車料金のサービスがあります。
駐車場へのアクセスルートは、国道1号線の早川口交差点から小田原駅方面へ向かいます。駅側からはアクセスできません。交差点などポイント地点に案内掲示があるので、ルート不案内の人は見逃さないように注意して下さい。
駐車場内には、身障者用駐車区画が2台分あります。この内、エレベーターに近い駐車区画は、後部にビルのパイプ設備が配管されていて、後部スペースにほとんど余裕がありません。後ろに十分なスペースが必要な人は、このスペースは避けることをお薦めします。
地下駐車場からエレベーターに乗ります。このエレベーターで利用できるフロアは、3F以上です。建物の構造上、「小田原新城下町」の1Fと2Fは利用できません。2Fは通過階の設定で、1Fは停止ボタンがあり乗降できます。ただし1Fは「バスターミナル」に直結する場所で、「小田原新城下町」の1F「城下町市場」へはアクセスできません。「小田原新城下町」の1Fと2Fへは、3Fか4Fまたは14Fへ移動して、別のエレベーターに乗り換えます。駐車場を利用した場合は、この点に注意して下さい。
2Fのバリアフリー状況です。2Fは低層棟「小田原新城下町」で、4店の飲食店と1店のショップ、そしてコワーキングスペースがあります。前述通り、車椅子の場合、このフロアには1Fまたは3Fか4Fから、エレベーターで移動します。バリアフリートイレは1つ用意されています。
このフロアは通路が広くはありません。車椅子2台は横に並べない幅です。したがって混みあうと、車椅子でのフロア内移動に苦戦します。4店の飲食店と1店のショップは、一般的な車椅子利用者なら利用できるフラットな構造です。
3Fのバリアフリー状況です。ミナカ小田原の商業施設としてのメインフロアは3Fです。低層棟と高層棟の両方に商業店舗があり、2棟をつなぐ空間が「金次郎広場」です。
フロア全体バリアフリーで、車椅子での移動に大きな問題はありません。
金次郎広場は周囲に店舗が並ぶフラットな舗装広場で、フリーテーブルが配置され、飲食ができます。
低層棟「小田原新城下町」側には、6店舗が入り、階段の踊り場横には「小田原提灯」がかかります。
高層棟の3Fには、テイクアウト店舗や回転寿司店、そしてフードコート「西湘フードスタジアム」が入ります。バリアフリートイレは「西湘フードスタジアム」の奥に1つ用意されています。このトイレは、ユニバーサルベッドはありません。
「西湘フードスタジアム」の線路側は、やはりフードコートですが「小田原ちょうちん横丁」という名称です。
「西湘フードスタジアム」と「小田原ちょうちん横丁」は、各所にテーブル席があり、ほとんどの席は車椅子で利用できる構造です。ほぼすべてのテーブルに、アクリル板が用意されています。
高層棟の4Fから9Fはコンベンションホールや図書館他、10F から13Fはホテル客室です。一般商業フロアは14Fに飛びます。
14Fはホテルが運営する展望レストランと、フラットな構造の展望デッキ、そしてデッキには足湯があります。
車椅子で小田原の海を眺望する展望デッキです。足湯は車椅子利用者のための特別な配慮はありませんが、移動および座位がとれるレベルの運動能力がある人なら、利用できます。
14Fと1Fをつなぐシースルーエレベーターが用意されています。かごのサイズは十分あり、大型の車椅子を収容します。
買い物、食事、そして展望デッキ。ミナカ小田原は車椅子で利用できるバリアフリー施設です。
小田原漁港の観光拠点「漁港の駅 TOTOCO小田原」を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2021年1月に執筆しました)