神奈川県の小田原漁港に誕生した「漁港の駅 TOTOCO小田原」は、車椅子への配慮があるバリアフリー設計の施設です。ただし混雑時は車椅子の利用に注意すべきことがあります。現地の状況を紹介します。
早川駅から徒歩10分の案内です。車椅子利用者は車の利用が便利です。身障者用駐車区画は施設前の駐車場に屋根無しで3台分用意されています。混雑時は誘導スタッフがいるので、車椅子利用の旨を相談して誘導を受けて下さい。
3フロア構造の施設です。1Fが「地場物産販売コーナー」で、特産品、鮮魚、農産物など多彩なジャンルの食品が販売されています。アジフライなどがテイクアウトできる小さなコーナーもあります。
2Fはフードコートスタイルの飲食コーナー。お魚和食とイタリアンのお店があります。また地域住民のための施設として「多目的室」があり、有料で貸出されています。
3Fはおさしみ食べ放題が自慢のレストランが入ります。
エントランス周辺から段差がないフラット構造で、館内はエレベーターが1基あります。バリアフリートイレは全フロアに各1つ用意されています。
2Fと3Fにある展望テラスへは、館内からスロープを通り、車椅子で利用することができます。車椅子での利用に配慮がある設計の施設です。
2Fのテラスには巨大な鯵の干物アートが展示されています。
3Fテラスは人気レストランの屋外席でもあります。
空いている状況であれば、車椅子での利用に大きな問題はありません。混雑時の注意点です。
1F店内の通路は、車椅子で通行出来る幅は確保されていますが、混雑時は移動に苦戦する箇所があります。多くの商品に試食が用意され、試食コーナー付近の通路が混雑時は特に苦戦します。
2Fフードコート店舗は通路に行列させる運用で、席へ向かう通路は人で埋まります。そうなると車椅子では通路を通行できません。車椅子の人も一緒に行列に並びます。
現在のところ、3Fレストランは空き待ち行列に並ぶルールです。列が伸びると2Fへ下りる階段に並びます。
館内から2Fと3Fの展望テラスに出るルートは、それぞれフードコート、レストランからのスロープ路になります。現在2F・3Fともたいへん混雑しているので、展望テラスへは外階段を利用する運用になっています。混雑時は、事実上車椅子では展望テラスは利用出来ません。
買い物、食事、小田原の海の幸と山の幸を満喫できます。とても魅力的な品揃えの売り場とお店のメニューです。
開業して間もない時期での取材で「漁港の駅 TOTOCO小田原」は大変混雑していました。車椅子利用者は、出来れば混雑ピークをずらした利用をお薦めします。
小田原産の新鮮野菜が並ぶバリアフリーな農産物直売所「朝ドレファーミ成田店」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2019年12月の取材に基づいています)