京都府舞鶴市の「舞鶴港とれとれセンター」は、車椅子で利用できる巨大観光センターです。480坪の海鮮市場を中心に、現地のバリアフリー状況を紹介します。
メインは海鮮市場。そして農産物直売所を併設する道の駅施設。レストラン、団体客用のバーベキュー施設。ガソリンスタンドにCVS。免税カウンターなどがあります。
新しい施設ではありませんが、基本設計はバリアフリー。施設全体にわたって、車椅子での利用に大きな問題はありません。
年間利用者数は80万人ということ。駐車場は普通車で200台収容。身障者用駐車区画は4台分、バス駐車場よりの独立したスペースに設けられています。身障者用駐車区画は近くに屋根があるので、ここに停められれば雨の日でも、あまり濡れずに海鮮市場を利用できます。
海鮮市場は巨大な屋内施設。全体的に床面はフラットで車椅子の利用に問題はありません。屋外に独立棟トイレがありますが、この海鮮市場内にも屋内トイレがあり、バリアフリートイレが用意されています。実用に耐えるレベルのトイレです。
日本海の海の幸が堪能できる「とれとれセンター」です。海産物をお土産として買う、施設内の食事処で食する、そして目玉企画は魚屋さんの店頭での海鮮焼きで「なんでも焼きます」という案内のもと、本当に何でも焼いていただけます。
そして施設内複数箇所に配置された自由飲食スペースで食べます。お皿や、お箸などは、必要に応じて各魚屋さんで用意していただけます。醤油などの調味料はあります。テーブルを拭くタオルは用意されています。おしぼりは自動販売機で売っています。飲料は自動販売機で購入します。アルコール類はビールがあるのは確認できました。
豪快で美味しい、人気の企画です。施設内にある自由飲食スペースの多くは、長いテーブルに、長い椅子です。車椅子で利用する場合、長い椅子をずらしてテーブル前に車椅子が入るスペースを作る必要があります。
今回見た限りでは、施設中央部の「いけす」に面した自由飲食スペースが、車椅子で最も利用しやすいタイプの椅子席でした。どの飲食スペースを利用してもよいので、車椅子で利用しやすい場所を選んでください。食べる場所と買う魚屋さんが離れていても、自分たちで運ぶことが出来れば問題はありません。
テーブルや椅子の設備の問題よりも、車椅子の問題は混雑です。今回取材時はピークアウトした時間帯に行ったので、問題なく利用できました。
豊富な魚介類が並びますが、舞鶴の王様は「サバ」。どの魚屋さんも、「焼きサバ」がメインの食材として押し出されています。「焼きサバ」のように、すでに一度焼いてある食材は、軽く焼き直すだけ。したがって待つほどのこともなく、すぐに熱々を買うことができます。
一番時間がかかるのは何、と魚屋さんに質問したところ、大きな貝類ということ。それでも「15分待ってもらえれば、なんでも用意できます」と言っていました。
「舞鶴港とれとれセンター」が「道の駅」登録になったのは2002年です。海鮮市場はそれ以前から営業しています。したがって新しい施設ではありませんが、車椅子で利用できるバリアフリー施設です。
(本稿は2016年9月の取材に基づいています)