関電PR館「エル・マールまいづる」車椅子見学ガイド バリアフリー情報

京都府舞鶴湾「舞鶴親海公園」内に係留された船の関西電力PR施設です。日本初の海上プラネタリウムなどがあります。車椅子からみた施設のバリアフリー状況を紹介します。

アクセスは車が便利です。舞鶴湾を代表する橋梁「クレインブリッジ」を通り、舞鶴火力発電所の手前まで、東舞鶴駅から車で20分強かかります。ここまでのドライブルートは、天然の良港である舞鶴湾の景観が楽しめます。

無料駐車場が「エル・マールまいづる」の目の前の岸壁にあり、約70台を収容します。

岸壁に繋がれた「エル・マールまいづる」の入口までは階段です。その横につづら折りのロングスロープがあり、車椅子ではこのスロープを上ります。傾斜は緩やかなスロープです。介助者がいれば、一般的な車椅子利用者なら通行できます。駐車場からロングスロープにかけて屋根はありません。

船内は全館バリアフリー仕様で、バリアフリートイレ、エレベーターがあります。車椅子での利用に大きな問題はありません。海に浮かぶ、比類ない施設です。

入船は無料です。プラネタリウムは有料ですが、障がい者減免制度があり、本人と介助者1名の観覧料が無料に減免されます。

舞鶴 船の関電PR館「エル・マールまいづる」バリアフリー情報

船内は4フロア構造です。

最上階の3Fは、展望室と展望デッキのフロア。船の内外から舞鶴湾の眺望を楽しめます。

2Fは船の体験館。20世紀初頭の豪華客船時代の船長室をイメージした小部屋と、船内の談話室をイメージした広々とした大部屋があります。いずれもブリティッシュ・トラディショナル仕様。当時の世界の船旅気分を味わえる展示空間です。バリアフリートイレは2Fにあります。

1Fは入口正面に受付。正面左側がプラネタリウム。右側は舞鶴体験館です。プラネタリウムは平日3回、休日4回の上映。車椅子席は2席用意されています。1Fの半分を占める舞鶴体験館は、舞鶴の5000年の歴史、自然、文化などの紹介コーナーです。お薦め観光コースの案内展示もあります。

B1は、エネルギー体験館。関西電力のPRコーナーです。船の機関室をイメージした空間の中、電気エネルギーの歴史や技術、関西電力の取り組みなどが展示されています。一部階段がありますが、緩やかな段差回避スロープがあります。車椅子での見学に大きな問題はありません。

関西電力PR施設「エル・マールまいづる」は、車椅子で利用できます。

(本稿は2016年9月の取材に基づいています)

別稿で「舞鶴港とれとれセンター」を掲載しています。ご参照ください。

舞鶴 赤れんが博物館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

京都府舞鶴市の「赤れんが博物館」は、世界のレンガを集めたテーマ博物館です。明治時代の倉庫を活用していますが車椅子で観覧できます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

海軍の町舞鶴に数多く残る、旧海軍が建てた赤レンガ倉庫の一号館。有料博物館として一般公開されています。明治36年に魚雷の倉庫として建てられた倉庫ですが、スロープ対応、エレベーター設置、バリアフリートイレがあり、車椅子で観覧できる博物館です。

博物館として1993年に開館。2008年に国指定重要文化財に指定。2016年には、舞鶴の旧鎮守府全体が日本遺産に認定され、この博物館がある赤レンガ倉庫の一号館は、主要構成文化財の一つとなっています。

舞鶴 赤れんが博物館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

駐車場は無料。身障者用駐車場は、やや解り難いのですが、博物館敷地入口に設置されています。駐車場から博物館の建物までは、最短でも30mほど距離があり、屋根はありません。

建物の入口付近は階段ですが、段差回避スロープがあります。建物に入るとすぐに受付があります。入館料の障がい者減免制度があり、障害者手帳の提示で、本人は半額、介助者1名が無料に減免されます。

博物館は2フロア構成。エレベーターは1基、バリアフリートイレは1Fにあります。バリアフリートイレはやや狭く、介助者と一緒に利用すると苦戦するスペースです。

展示スペースは1F、2Fともにフラットな構造です。車椅子での展示の見学に大きな問題はありません。

舞鶴 赤れんが博物館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

展示内容です。1Fの最初のコーナーは「古代のれんが」。エジプトやメソポタミアの日干レンガなどが展示されています。

次のコーナーは「世界のれんが」。古代ローマのレンガ、古代中国のレンガなどが展示されています。これらのレンガは、開館担当スタッフが、エジプトやローマ現地に直接交渉して、この博物館のために譲っていただいたレンガです。

なんでそんなことが出来たのか、と思ってしまいますが、交渉を担当したスタッフによると、レンガ獲得交渉は案外簡単だったという話。壊れてころがっているレンガを譲り受けるだけなので、ハードルは低かったそうです。

1F展示の目玉は「ホフマン窯コーナー」。かつてレンガ製造の主流であったホフマン窯内部を再現し、レンガの製作方法などを紹介しています。

1Fには事務所やトイレなどもあるので、展示スペースは1F全体の半分ほどのスペースです。

2Fはフロア全体が展示場。展示スペースは1Fの倍の面積があります。「日本のれんが」、「舞鶴市とれんが」「耐火れんが」「歴史を証言するれんが」と展示が流れます。

「歴史を証言するれんが」コーナーには、広島の原爆ドームのレンガ、アウシュビッツ強制収容所のレンガなどが展示されています。これらのレンガも、開館担当スタッフが現地で交渉して譲り受けたということです。

明治の遺産である赤レンガ倉庫が、レンガの博物館になりました。「赤れんが博物館」は車椅子で観覧できるバリアフリー施設です。

(本稿は2016年9月の取材に基づいています)

別稿で「関電PR館エル・マールまいづる」を掲載しています。ご参照ください。

京都 舞鶴港とれとれセンター 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

京都府舞鶴市の「舞鶴港とれとれセンター」は、車椅子で利用できる巨大観光センターです。480坪の海鮮市場を中心に、現地のバリアフリー状況を紹介します。

メインは海鮮市場。そして農産物直売所を併設する道の駅施設。レストラン、団体客用のバーベキュー施設。ガソリンスタンドにCVS。免税カウンターなどがあります。

新しい施設ではありませんが、基本設計はバリアフリー。施設全体にわたって、車椅子での利用に大きな問題はありません。

年間利用者数は80万人ということ。駐車場は普通車で200台収容。身障者用駐車区画は4台分、バス駐車場よりの独立したスペースに設けられています。身障者用駐車区画は近くに屋根があるので、ここに停められれば雨の日でも、あまり濡れずに海鮮市場を利用できます。

海鮮市場は巨大な屋内施設。全体的に床面はフラットで車椅子の利用に問題はありません。屋外に独立棟トイレがありますが、この海鮮市場内にも屋内トイレがあり、バリアフリートイレが用意されています。実用に耐えるレベルのトイレです。

京都 舞鶴港とれとれセンター 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

日本海の海の幸が堪能できる「とれとれセンター」です。海産物をお土産として買う、施設内の食事処で食する、そして目玉企画は魚屋さんの店頭での海鮮焼きで「なんでも焼きます」という案内のもと、本当に何でも焼いていただけます。

そして施設内複数箇所に配置された自由飲食スペースで食べます。お皿や、お箸などは、必要に応じて各魚屋さんで用意していただけます。醤油などの調味料はあります。テーブルを拭くタオルは用意されています。おしぼりは自動販売機で売っています。飲料は自動販売機で購入します。アルコール類はビールがあるのは確認できました。

豪快で美味しい、人気の企画です。施設内にある自由飲食スペースの多くは、長いテーブルに、長い椅子です。車椅子で利用する場合、長い椅子をずらしてテーブル前に車椅子が入るスペースを作る必要があります。

今回見た限りでは、施設中央部の「いけす」に面した自由飲食スペースが、車椅子で最も利用しやすいタイプの椅子席でした。どの飲食スペースを利用してもよいので、車椅子で利用しやすい場所を選んでください。食べる場所と買う魚屋さんが離れていても、自分たちで運ぶことが出来れば問題はありません。

テーブルや椅子の設備の問題よりも、車椅子の問題は混雑です。今回取材時はピークアウトした時間帯に行ったので、問題なく利用できました。

豊富な魚介類が並びますが、舞鶴の王様は「サバ」。どの魚屋さんも、「焼きサバ」がメインの食材として押し出されています。「焼きサバ」のように、すでに一度焼いてある食材は、軽く焼き直すだけ。したがって待つほどのこともなく、すぐに熱々を買うことができます。

一番時間がかかるのは何、と魚屋さんに質問したところ、大きな貝類ということ。それでも「15分待ってもらえれば、なんでも用意できます」と言っていました。

京都 舞鶴港とれとれセンター 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

「舞鶴港とれとれセンター」が「道の駅」登録になったのは2002年です。海鮮市場はそれ以前から営業しています。したがって新しい施設ではありませんが、車椅子で利用できるバリアフリー施設です。

(本稿は2016年9月の取材に基づいています)

別稿で「舞鶴 赤れんが博物館」を掲載しています。ご参照ください。