科学万博記念公園は、1985年に開催された「つくば科学万博」会場跡地を活用した公園です。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。
アクセスは車が便利です。50台程度を収容する無料駐車場がありますが、身障者用駐車区画はなく、舗装面は傷みがあり、園内への出入口は小さな段差があります。
休日の日中は満車の場合が多く、駐車場外に路上駐車が目立ちます。そのような状況では、車椅子で乗降する十分なスペースの確保に苦労する可能性が高い駐車場です。
駐車場から園内に入れば、車椅子での散策に大きな問題はありません。バリアフリートイレは、園内の公衆トイレに併設されています。
公園の名所「ぽっちゃん湖」は低地にあり階段ルートになりますが、迂回スロープルートが用意されています。
湖中央には車椅子で通行可能な小橋があり、そこから湖をみると大きな鯉が数多く生息。水鳥も棲んでいます。
やや長い迂回スロープになりますが、体力に問題がない車椅子利用者は「ぽっちゃん湖」まで進むことが出来ます。
中央部は自由に使える広い芝生広場で、その周囲は約300本の桜並木。テニスコートもあります。
駐車場の横の直線歩道は銀杏並木。この銀杏並木は200mほどある見事な並木です。もともとウォーキング・ジョギングコースとして設計されている直線歩道なのでバリアフリー。車椅子で快適に移動ができる銀杏並木です。
公園のシンボルは「科学の門」。高さ10mの四柱門の中央部に金属ボールが下げられ、4方面から見るとそれぞれ、アルキメデス、ガレリオ、ニュートン、エジソンの顔にみえるモニュメントです。車椅子での見学は可能です。
「科学の門」は万博の展示物ではなく、万博閉幕後にこの公園のために新設された門です。
ここは「つくば科学万博」の「Dブロック」。「緑と水のあふれる休憩場所」と位置付けられたエリアです。
ここにソニーの「ジャンボトロン」が設置されていました。25m×45mという、とんでもなく大きな画面をもつテレビ。科学万博のシンボルでした。現在テニスコートになっている地点が「ジャンボトロン」があった場所です。
アクセスは車が便利なのですが、駐車場のバリアフリーレベルは低い公園です。「科学万博記念公園」の園内は、車椅子で利用できます。
国立科学博物館の研究施設「筑波実験植物園」、通称「つくば植物園」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2017年6月の取材に基づいています)