伊豆半島最南端の石廊崎にあるバリアフリー施設です。ただし石廊崎灯台への散策路は、急なアップダウンがあります。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。
石廊崎オーシャンパークは2019年4月1日にオープンしました。これまで車椅子では全く近づけなかった石廊崎灯台に、バリアフリーに接近することができます。新設された休憩棟は、バリアフリー仕様です。
車椅子でのアクセス方法です。石廊崎オーシャンパークのために道路が再整備され、休憩棟の前に有料駐車場が新設されました。駐車料金の障がい者減免制度はありません。身障者用駐車区画は2台分用意されています。
身障者用駐車区画から歩道に上がる段差解消箇所は不完全で、車椅子に衝撃がくる程度の段差が残ります。慎重に段差を越えてください。
歩道に上ると休憩棟のエントランスまでは、フラットな構造です。車椅子での移動に問題はありません。
休憩棟のバリアフリー状況です。休憩棟にはガイドツアーを主催する「南伊豆ジオパークビジターセンター」が入ります。また南伊豆の自然を紹介する展示コーナーがあります。
土産品を扱う売店、軽食を用意するテイクアウトコーナー、そしてフリーテーブル席があります。
バリアフリートイレは1つ用意されます。休憩棟の中はフラットでスペースに余裕があり、車椅子で問題なく利用できます。
全面ガラスの先に海を向いたバルコニーがあり、館内、またはバルコニーから車椅子で眺望を楽しめます。
石廊崎灯台へのルート状況です。灯台へは、休憩棟の駐車場とは反対側の出入口から外に出ます。そこからオーシャンパークの敷地内は、新しく舗装されたフラットな路面です。
敷地を出ると、やや荒れた路面の舗装路になり、緩やかな下り坂が始まります。坂を下ると「石室神社」の鳥居があります。ここまでは、一般的な車椅子利用者なら通行可能です。
やや荒れた舗装路は石廊崎灯台まで続きます。鳥居の先は急な上り坂、その先はもっと急な下り坂になり、灯台につながります。
石廊崎灯台の敷地内は立入禁止でしたが、オーシャンパークのオープンにあわせて立ち入ることが出来るようになりました。灯台の内部には入れません。
距離的にはたいしたことはありませんが、鳥居から先のアップダウンを車椅子で進むのは、相当無理をします。灯台まで行くか否かは、障がいの状況に応じて判断して下さい。
石室神社と熊野神社へのアクセスルートです。石廊崎灯台の先に「石室神社」、その先に「熊野神社」があります。灯台の先からは階段路になります。車椅子では通行できません。階段は急ですが距離的には近いので、健常な人なら苦労少なく両神社に参拝することが出来ます。
車椅子では問題がありますが、石廊崎灯台、石室神社、熊野神社に歩いて簡単にアクセスできるようになったことが、一般的にはオーシャンパークの魅力です。
石廊崎灯台の先、あるいは石廊崎最先端の熊野神社の前からは、雄大な太平洋が広がります。気象条件が良い日は、想像よりも近くに伊豆七島が見えます。
その景観に比べると迫力は少々落ちますが、オーシャンパークのバリアフリーなバルコニーからも、伊豆七島がよく見えます。
近くには絶景が評判の「あいあい岬」があります。無料駐車場があり、南伊豆ジオパークの絶景を楽しむことができます。
あいあい岬の売店が、石廊崎オーシャンパークに移転しました。あいあい岬の売店は、現在閉鎖されています。
石廊崎オーシャンパークの休憩棟はバリアフリー仕様です。石廊崎灯台までは、無理をすれば車椅子で行くことが出来ます。石室神社、熊野神社へは、車椅子では行けません。
美しい白砂海岸が1,200m続く遠浅のビーチ、南伊豆町の「弓ヶ浜」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2019年12月の取材に基づいています)