障がいのある人でも楽しめるハンドサッカーは、東京都の特別支援学校で考案された平成生まれの新しい競技です。
東京都の高等部がある特別支援学校には、全校「ハンドサッカークラブ」があります。一部の学校では、OBOGの「クラブ」が結成されています。「協会」が設立され「大会」が企画され、トーナメント戦が行われています。
まだ全国区の競技とはいえませんが、徐々に東京以外のエリアでも、特別支援学校高等部を中心に広まりつつある競技です。競技の概要を紹介します。
団体球技をやってみたい、という肢体不自由の生徒のために考案された競技です。1チーム原則7名で戦います。ボールをフィールドに入れて奪い合い、ドリブル、パスによりゴールに向かいます。もちろんインターセプトはありです。ゴール前まで行き最後はシュート、決まれば得点です。
競技ルールの詳述は避けますが、ドリブルはボールを持って車椅子を自走するイメージです。パスはボールをとらなくても、一定の要件で車椅子に当たれば成立します。肢体不自由の生徒なので、足でボールをさばくことはほとんどありません。
体育館で行う室内競技です。ボールはサッカーボールではなく「ソフトバレーボール」を使用します。ゴールはハンドボールのゴールに似た仕様です。
上枝にも障がいがあり、ボールをキャッチ出来ない人は、膝の上に「ボールホルダー」を置いてドリブルすることができます。
選手同士の接触による事故を防止するため、車椅子に「フットカバー」を装着します。
障害のレベルによって、ポジションが区分けされているのが特徴です。フィールドプレーヤー4名とゴールキーパー1名。このポジションは通常のサッカーのイメージです。
そしてスペシャルシューターが1名。コート内の右隅にいて、パスを受けるとキーパーに邪魔をされずにシュートができます。
最後にポイントゲッター1名。コート外のエリアにいて、パスを受けると、傾斜版を使ったころがしなど独自設定の方法で、キーパーに邪魔されずにシュートができます。
一般的なポジション配置としては、車椅子を元気に自走させることが出来る人はフィールドプレーヤー。ゆっくり自走できる人はキーパー。車椅子の自走はやや苦戦するが、何らかの方法でボールコントロールが出来る人はスペシャルシューター。補助具を使えばボールコントロールが出来る人がポイントゲッター。こんなイメージです。もっと重度の人は、補助具を使ったボールイン係りなどを担当します。
おそらく一番楽しいのは、本格的な車椅子バスケットボールへの参加は身体能力的に無理でも、ルールが理解できて、コミュニケーションに問題がなく、車椅子自走が出来るような障がいのある人です。

この子、こんなに負けず嫌いだったのか、と驚くほどのファイトを見せる人もいて、日常とは違う姿に驚かされます。
そして「クラブ」活動それ自体に価値があります。障がいのある人は、家庭と学校や施設での決まりきった環境での生活が多くなります。多様な経験ができるクラブ活動は貴重です。「練習」や「大会」には、家族が休日返上で同行して応援します。
ハンドサッカーは、一般的には「重度」とされる障がいのある人が参加できる競技です。
(本稿は2019年11月に執筆しました)