茨城県鹿嶋市の旧大野村にある「大野潮騒はまなす公園」は、1990年に開園した鹿島灘を見渡す入園無料の公園です。
開園当初は「大野村」の村営公園でした。大野村は「はまなす」の自生南限の地。園内に「はまなす」の花壇などを整備して「大野潮騒はまなす公園」としました。
最寄駅は鹿島臨海鉄道の「長者ヶ浜潮騒はまなす公園前駅」です。公園の開園に併せて駅名を改名した当時は、日本一長い駅名の駅でした。また鹿島灘に向って滑るローラー滑り台の長さは、開園当時は日本一でした。
5年後の1995年に大野村は鹿島町と合併し「鹿嶋市」になり現在に至ります。
アクセスは車が便利です。普通車205台を収容する無料駐車場がありますが、身障者用駐車区画の設定はありません。
園内には展望塔、郷土資料館、プラネタリウムがある有料の「宇宙展望塔」があります。入館料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名の入館料が無料に減免されます。
鹿島灘を望む高台の公園です。起伏の激しい立地で園内の散策路はアップダウンがあります。坂道に強い車椅子利用者であれば園内を散策できますが、一般的な車椅子利用者は、宇宙展望塔およびその周辺を無理のない範囲で散策することをお薦めします。
駐車場から宇宙展望塔への移動箇所は段差解消されています。
有料の展望塔館への入口はスロープがあります。緩やかな傾斜なので、車椅子での通行に問題はありません。
エントランスは段差のない自動ドアです。車椅子で問題なく入館できます。
1Fに受付があります。ここで障害者手帳を提示して入館手続きを行います。1Fの美術館エリアは無料で利用できます。
バリアフリートイレは1Fにあります。設備は古くかつシンプルなトイレです。他の階にはバリアフリートイレはありません。エレベーターは1基あります。
展望塔施設の1Fと2Fに「郷土資料館」があります。旧大野村の民俗と文化、現在に続くお祭りなどが紹介されています。
「郷土資料館」内の上下階移動は階段を利用する設定です。車椅子での上下階移動は一般とは異なる動線になります。
2Fのプラネタリウムでは1日数回、1回30分程度の番組が放映されます。展望塔への入館料金だけでプラネタリウムが鑑賞できます。
エレベーターでは3F表示になる「展望室」は、海抜77mの高さから360度の眺望が楽しめます。ただし展望塔の「展望室」の窓の高さは、床面から1.5m上にある構造で、車椅子からの目線では空しか見えません。展望窓には手すりが付いているので、つかまり立ちが出来る人なら眺望を楽しめます。
1995年に大野村は鹿島町と合併し「鹿嶋市」になり、大野村の名称は消滅しました。「鹿島町」から「鹿嶋市」へ漢字表記が変わったのは、佐賀県に鹿島市があったからということです。公園の入口には大野村時代からの立像やアートオブジェが飾られています。
大野潮騒はまなす公園はアップダウンがある公園です。展望室の構造は車椅子向きではありません。園内の散策路は整備されていますがアップダウンがあるので、車椅子では無理のない範囲での散策をお薦めします。
「ジーコ広場」がある鹿嶋市のショッピングセンター「SCチェリオ」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2022年6月に加筆修正しました)