特別支援学校でも、小学校、中学校、高等学校それぞれで、修学旅行や移動教室があります。小6、中3、高3で行う学校が多いのですが、学校によっては別の学年で企画されることもあります。
全国の特別支援学校の修学旅行先として一番人気は、東京ディズニーリゾート(TDR)です。東京や千葉の学校でも、修学旅行先にTDRが選ばれます。本稿では、東京の小学校が2泊3日でTDRに行った修学旅行の実例をご紹介します。
吸引などの医療的ケアが必要な重度の身体障がいがある、東京の特別支援学校の小学6年生のグループの修学旅行です。東京からTDRに2泊3日、体力的に無理が出来ない児童たちの日程はこうなります。
1日目はスクールバスでTDRの近くの宿泊所に到着。ゆっくり過ごして体調を整えます。2日目はTDRへ。夜は宿泊所に戻ります。3日目は宿泊所で前日の疲れをゆっくりとってスクールバスで学校へ戻り、自宅に帰ります。
修学旅行の体制は、マンツーマン体制以上の編成になり、医師が同行します。児童生徒が具合の悪い様子を見せると「帰宅」を指示します。保護者からみれば何でもない状況なのに、医者から迎えに来るように指示されるケースもあります。何もなくても先生たちは交代で「寝ずの番」になります。旅行中の疲労は大変なことです。
TDRは障がい者に対して、入園料の減免などの金銭的な配慮は一切ありませんが、細かい配慮をしてくれます。
ディズニーのキャラクター達は、車椅子集団に寄ってきてくれます。重度障がい者が利用できるアトラクションは限られますが、パレードやショーは、特別席から鑑賞させていただけます。
レストランの初期食対応は柔軟です。ディズニーのキャストも、どんどん声をかけてくれて、何かと便宜を図ってくれます。
この東京の学校の場合は、宿泊は東京は江東区の夢の島にある、東京スポーツ文化館「ぶんぶ」を利用しました。この施設はバリアフリーな公共施設で、特別支援学校の利用がたいへん多い宿泊施設です。予約が混みあっています。バリアフリーなツインルームから用意があり、個人の利用も可能です。
体力が弱い重度の障がいのある子どもにとって、長時間の移動や屋外での活動はたいへん負担が重くなります。特別支援学校では、ゆっくりゆっくり疲労をためない修学旅行が行われています。
(本稿は2019年11月に執筆しました)