長野県長野市、飯縄山の南東一帯に広がる飯綱高原に、2022年4月新しいバリアフリー施設が誕生しました。大男「だいだらぼっち」の足跡と伝承される大座法師池の畔「nagano forest village」内の「森の駅 Daizahoushi」は、直売所、カフェ、大座法師池を眺望するウッドデッキなど、車椅子で利用できる新施設です。「アクティビティ棟」「グローサラント棟」とトイレ棟で構成されます。トイレ棟にはバリアフリートイレが用意されています。
飯綱高原は標高約1,000m。アクセスは長野市街から車で約35分と案内されています。「nagano forest village」は、「フォレストアドベンチャー」「キャンプエリア」などがあるコンプレックス型のアウトドア施設で、その一つがバリアフリー施設「森の駅 Daizahoushi」です。森の駅に隣接した駐車場があり、身障者用駐車スペースが設けられています。
駐車場から段差回避スロープを上がり、森の駅の施設棟へ向かいます。
先にアクティビティ棟を紹介します。入口は段差のない構造で木製ドアが開放されていました。
ここは全天候型の有料アクティビティ施設です。屋内に5棟のツリーハウスとネット遊具がある子供向けの施設で、ワークショップが開催される多目的室もあります。
アクティビティ棟入口横のスロープを上がると、グローサラント棟のカフェ入口に進みます。
カフェは9時から11時はモーニングメニュー、11時から17時がランチメニュー、17時から21時はディナーメニューになります。
カフェは食券制で可動式のテーブル席があり、車椅子で利用できます。カフェの窓からは大座法師池などを眺めることができます。
カフェ入口の先、アクティビティ棟とグローサラント棟の間が、フラットなウッドデッキになっています。
ウッドデッキの終点は、車椅子から大座法師池を眺めるベストポジションです。
ウッドデッキ以外の湖畔は未舗装の悪路なので、車椅子では大座法師池に近づくのは苦戦します。
ウッドデッキをカフェ入口方面に戻り、直売所に移動します。
直売所の売り場はカフェよりも一段低い位置にあり、階段とその横に段差回避スロープがあります。
直売所は大きなお店ではありませんが、通路は車椅子で移動できる幅は確保されています。地元農家から納品された採れたて高原野菜などが並ぶお店です。レジはスロープの上、カフェと同じ高さにあります。
大谷地湿原ほか、森の駅周辺のバリアフリー状況を紹介します。グローサラント棟の横、大座法師池の反対にツリーハウスがあります。小川に架かる橋の手前まで車椅子で移動できます。
トイレ棟の横から道路に出ることができます。道路沿いに別棟で観光案内所がありますが、段差構造で車椅子では中に入ることができません。
道路を横断すると「大谷地(おやち)湿原」があります。面積が約4.5haあり、一周する遊歩道と、湿原内に木道が整備されています。駐車場はありません。「森の駅 Daizahoushi」を拠点にするのが便利です。
大谷地湿原は水芭蕉の群生地です。今回取材時は水芭蕉が満開でした。水芭蕉の群生の先に木道が見えます。
木道は車椅子で移動できそうな構造に見えますが、木道までの道が問題です。
森の駅側の木道への道は未舗装の階段路です。車椅子での移動は困難です。
反対側の木道への道も、激しいデコボコがある未舗装路でした。道路寄りには未舗装路面ですが、無理をすれば車椅子で入り込めるスペースがあります。
そのスペースまで行けば、車椅子で近づいて水芭蕉を鑑賞することができます。
大谷地湿原は「森の駅 Daizahoushi」を拠点にして、少し無理をすれば車椅子で自然美が楽しめ高原の湿原です。ただし冬季は降雪地帯です。
大自然の中にバリアフリー施設が誕生しました。「nagano forest village」内の「森の駅 Daizahoushi」は車椅子で利用できます。
車椅子で水芭蕉を楽しむことができる戸隠高原の「森林植物公園」のバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2022年5月に執筆しました)