東京都港区西麻布にある大寺院です。約30名の修行僧と10名の指導僧が修行する曹洞宗の専門僧堂で、観音堂には高さ10mの麻布大観音様がいらっしゃいます。諸堂の多くは車椅子でお参りができます。現地のバリアフリー状況を詳しく紹介します。
〇アクセス方法
六本木通り高樹町交差点の近くで、表参道駅から徒歩10分の案内です。
車の場合、境内に駐車できるスペースはありますが墓参者用で、一般参拝者は利用しないほうが無難な雰囲気です。近隣にはコインパーキングはあります。また骨董通りにはパーキングメーターが設置されています。
〇諸堂の紹介
山門をくぐると、都心立地とは思えない広くて静かな空間がひろがる寺院です。
境内の路面は、石畳風の少しゴツゴツした舗装路と砂利です。正面に本堂にあたる法堂、右手に観音堂、左手に修行の場である僧堂があります。
ほかに地蔵尊、鐘楼、大庫院、そして山門の左側手前が墓苑で多くの有名人が眠ります。
〇主な施設のバリアフリー状況
法堂は左右両方からスロープ路があります。賽銭箱は4段の上ですが、その手前からお参りをしても違和感のない短距離です。
観音堂は正面から見て左奥に段差回避スロープがあります。堂の入口は小さな段差がありますが、一般的な車椅子なら乗り越えられる高さです。
御朱印をいただける大庫院は、入口に段差回避スロープがあります。
墓苑入口近くにある手水舎は、周囲に小さな段差があります。無理をして車椅子で利用できるか、ギリギリの構造です。
〇法堂の風神雷神
法堂(はっとう)は総檜造りで、見事な造形です。仁王像などではなく、風神雷神が左右を守ります。
〇麻布大観音
空襲で焼失した観音様が昭和52年に再建されました。樹齢600年の楠を約10年の歳月をかけて一本彫りした観音様です。観音堂は多重層の入母屋造りで、建物としても見る価値があります。
西麻布の地に静寂な空間が広がります。永平寺別院長谷寺は、砂利路面を避けて舗装路を通り、車椅子で諸堂をお参りできます。
(本稿は2020年5月に執筆しました)