山梨県笛吹市一宮町一ノ宮に鎮座する淺間(あさま)神社は、創建は神代で、この地に遷座したのが865年と伝わる古社です。現在の淺間神社は「里宮」で、神代に創建された856年以前の社は約2㎞離れた山の麓に「山宮」と呼ばれ現存し、その本殿は国指定重要文化財です。

里宮の境内は約1ヘクタールあり、ほぼフラットな地形で、舗装通路が整備されています。車椅子で拝殿に参拝ができます。現在の淺間神社である里宮のバリアフリー状況を紹介します。

近隣に複数の参拝者用駐車場が用意されています。もっとも拝殿に近い駐車場は境内駐車場です。舗装路面の駐車場で普通車26台を収容します。身障者用駐車スペースの設定はありません。

境内駐車場を起点に境内のバリアフリー状況を紹介します。駐車場から境内にむかう舗装通路が整備されています。

舗装路面上にはユニークな装飾が施されています。また通路の横には、現代アート作品が展示されています。

この通路の横にトイレ棟があり、バリアフリートイレがあります。

スペースに余裕がある個室で、ウォシュレット付き便器が備えられています。とても綺麗なバリアフリートイレです。

トイレの先に「隨神門」が構えます。隨神門は段差構造で、車椅子では門をくぐることができません。門の横から境内に進みます。

隨神門から振り返ると、一の鳥居、二の鳥居が見えます。

隨神門の先の境内は舗装通路が整備されています。路面のデコボコは小さく、車椅子にほとんど衝撃がきません。問題なく車椅子で通行できる路面です。

授与所の前には「亀の松」。その前には絵馬掛けがあります。

拝殿の手前にある手水舎は車椅子で近づける構造です。

浄水が6本のホースから流れ出ています。車椅子から楽に手を浄めることができます。

拝殿までフラットな舗装路面が整備されています。拝殿は段差のない構造で、車椅子で参拝できます。

拝殿以外の境内の状況です。車椅子では参拝できませんが、干支参りはユニークです。砂利路面を神楽殿の先に進みます。

人型にくりぬかれた石造物を通ります。

その先に干支の石像「十二支石像」が並びます。自分の干支と今年の干支にお参りをする作法です。

十二支石像の横には、「護国社」が鎮座します。

護国社は未舗装路面を通り段差を上がり参拝します。

拝殿の正面には「歯固めの石納所」があります。

歯固めの石とは、赤ちゃんのお食い初めの儀式に使用される小石です。授与所で頒布されています。

境内には「女神の井戸」があります。今回参拝時、ペットボトルで聖水を汲みに来ている方がいました。石の手水鉢は「盥盤」です。

甲斐國一宮の淺間神社は神代からの古社ですが、綺麗なバリアフリートイレがある車椅子で参拝できる神社です。
(本稿は2022年4月に執筆しました)
水に浮かぶ能舞台がある「古八ヶ岳南麓 神道本宮 身曽岐神社」を別稿で掲載しています。ご参照ください。