東京都江戸川区の葛西臨海公園は、車椅子で利用できるバリアフリー公園です。主な施設の状況を紹介します。
葛西臨海公園駅から徒歩でアクセスできます。車での利用も便利で、障がい者が利用しやすい来園者用駐車場があります。
園内の主な散策路は、一部に傾斜路や路面が荒れている箇所がありますが、概ね車椅子で通行できる舗装路です。
部分的ですが、石畳風のゴツゴツした路面の端をフラットに改良した通路もあります。
有料施設の水族館、大観覧車、及びパークトレインは、利用料金の障がい者減免制度があり、かつ車椅子で利用できます。
展望施設「クリスタルビュー」は車椅子で利用可能です。
ホテルシーサイド江戸川はバリアフリー仕様です。
「駐車場」「水族館」「大観覧車」「パークトレイン」「クリスタルビュー」「ホテルシーサイド江戸川」について、各施設のバリアフリー状況と車椅子での利用上のポイントを紹介します。
駐車場のバリアフリー状況です。障がい者減免制度があり駐車料金が無料に減免されます。公園のHPなどから減免方法を確認すると、出庫時にインターフォンで障害者手帳を提示する方法が紹介されています。
週末の午後などは、駐車場の出庫が混雑して時間がかかる状況になります。そのため混雑日は時間がかかるインターフォン連絡ではなく、先に減免措置を受けることが現地では推奨されています。
公園駐車場に入庫するとすぐに、駐車場管理事務所があります。事務所付近は道幅があり、ハザードランプを点滅して停車することは可能です。直接事務所に行くか、停車して事務所に向い何らかの方法で障がい者減免を受けたい意思を伝えて下さい。減免希望者は多数いるので、事務所のスタッフはすぐに分かるはずです。無料減免措置をした駐車券にその場で交換していただけます。
駐車場の整備により身障者用駐車区画が大幅に増加されました。水族館を利用したい場合は、ホテルシーサイド江戸川横の坂道に昔からある身障者用駐車区画が近くて便利です。このスペースの近くに、バリアフリートイレだけがある公衆トイレが新設されました。
公園の散策、大観覧車の利用には、一般駐車場に整備された身障者用駐車区画の利用が便利です。
水族館のバリアフリー状況です。水族館の入館料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。水族館入口で障害者手帳等を提示します。
水族館はスロープとエレベーターの利用で、ほぼ全域を車椅子で利用することができます。車椅子ルートを案内するサインが充実しているので、バリアフリールートを間違える心配はありません。
水族館内のレストランは、セルフサービスですが、フラット構造で可動式のテーブル席、車椅子での利用は可能です。
注意点が2つあります。館内に傾斜が急なスロープがあります。元気な介助者と同行すると安心です。
入口からスロープを上り3F部に行き、そこから館内1Fへ下りるときに1基あるエレベーターを利用します。ベビーカー利用者ががとても多い施設なので、このエレベーターがベビーカーで大行列することがあります。
大観覧車のバリアフリー状況です。大観覧車の利用料金の障がい者減免制度は、本人と介助者1名が半額に減免されます。
2基のゴンドラが車椅子で乗車できる仕様になっています。大観覧車に車椅子で行くと、すぐにスタッフがバリアフリールートに誘導して下さいます。その先もスタッフの指示誘導に従って下さい。
車椅子仕様のゴンドラが廻ってくると、観覧車を停止して、簡易スロープを敷いて、車椅子での乗車をサポートしていただけます。降車時も同様です。
鳥類園のバリアフリー状況です。葛西臨海公園の東側はバードサンクチュアリ。「鳥類園」とされ、散策路が整備されています。
散策路の路面は近年経年劣化がすすみ、部分的には車椅子での移動に不向きなレベルの損傷があります。注意して走行してください。
散策路に沿い複数個所に観察所があります。木製の壁に様々な高さの観察穴があるので、車椅子からでもバードウォッチングを楽しめます。
鳥類園中央部には「ウォッチングセンター」があります。
スロープを上がり車椅子で2Fが展望台に行くことができます。
パークトレインのバリアフリー状況です。園内を走るパークトレインの運賃は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。スタッフに障害者手帳等を提示します。
車両の最後尾が昇降機になっています。スタッフの指示誘導に従って車椅子乗車してください。
クリスタルビューのバリアフリー状況です。海を見渡す展望施設です。エントランス周辺は緩い傾斜路で段差はありません。
入口から館内に入るとエレベーターが1基あります。これで最上階展望フロアへ上ります。
展望フロアはフラット構造で車椅子での利用は可能です。
展望フロアからは健常者と一緒にスロープで下りる構造です。下りスロープが苦手な方は、帰りもエレベーターを利用することが出来ます。
B1へ行く場合は、車椅子の人だけが利用を許可されているスロープ路があります。
ホテルシーサイド江戸川のバリアフリー状況です。宿泊、食事ができる一般的なホテルで、施設全般バリアフリーです。入口が引き戸になっている洋室があります。
レストランはランチとディナー営業。店内はフラットで可動式のテーブル席があります。車椅子での利用は可能です。1Fのパブリックスペースにバリアフリートイレがあります。
広い葛西臨海公園は、ほぼ全域を車椅子で散策できます。夕陽の綺麗な公園です。
湾岸エリアの都立施設「夢の島熱帯植物館」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2020年6月に加筆修正しました)