家康公江戸開府の神 三河稲荷神社 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

東京都文京区本郷の住宅街に鎮座する小さな神社です。その名の通り、現在の愛知県豊田市にある徳川家康公が信仰していた三河稲荷の末社で、家康公が1590年に江戸入府する際に奉遷した勝運祈願の稲荷神社です。

江戸時代、江戸では稲荷信仰が広まりましたが、その基になった稲荷神社といわれています。

三河稲荷神社

舗装された短い参道を通り、車椅子で参拝ができるお稲荷様です。ご利益は勝運、商売繁盛など。小さい神社ですが由緒正しい稲荷神社です。

三河稲荷神社

現在の地には、本郷給水所の設置に伴い明治26年に遷座しました。本郷給水所は現在、公苑と水道歴史館が併設されています。別稿で掲載しているので、ご参照ください。

(本稿は2022年9月に執筆しました)

弥生美術館・竹久夢二美術館 足が悪い人のためのバリアフリー観覧情報

東京都文京区にある、2つの美術館が連結した構造の私立美術館です。素敵な美術館ですが、館内は階段構造でエレベーターはなく、車椅子での観覧は出来ません。また足が悪いレベルの人でも、階段が多いので苦戦する可能性があります。ご自身やご家族の利用の可否が判断できるように、現地の状況を紹介します。

アクセスの状況です。東京大学本郷キャンパスの弥生門の前に建つ美術館です。来館者用の駐車場はありません。車寄せもありません。地下鉄の根津駅または東大前駅から徒歩7分の案内です。根津駅からは言問通りのきつい上り坂を通り、暗闇坂を下ります。東大前駅からは、言問通りの緩い下り坂を通り、暗闇坂を下ります。坂道のレベルで比較すると、東大前駅からのアクセスのほうが、少し楽です。

エントランス周辺の状況です。石畳のアプローチを通り、手動ドアを開けて館内に入ります。

弥生美術館・竹久夢二美術館

すぐ左に受付があり、両館共通の観覧券を購入します。会計は現金のみ、観覧料の障がい者減免制度はありません。現在はコロナ対策で、入館は予約制です。1時間単位の入館時間をWebで予約します。

カフェは石畳アプローチに面しています。館内からではなく、アプローチから出入りします。館内の受付の先にミュージアムショップがあります。その先が弥生美術館の1F展示室です。

弥生美術館・竹久夢二美術館

観覧ルートと階段の状況です。各展示室内の床に段差はありません。観覧ルートは弥生美術館の1Fから2F、そして3Fへ階段で上がります。そして2Fに階段で戻ります。弥生美術館の2F展示室奥と竹久夢二美術館の2Fが通路で直結しています。

竹久夢二美術館は2フロア構造です。2F展示室を観覧してから、階段で1Fに下りて1F展示室を観覧します。

弥生美術館の1Fから3Fまでの階段は、一般的な幅と間隔の階段です。移動に負荷がある急階段は、竹久夢二美術館の2F から1Fです。この区間には手摺があります。平地は普通に歩行している高齢の方でも、手すりにつかまって慎重に下りる必要がある階段です。膝が悪い人には、かなり辛い階段かもしれません。

トイレの状況です。トイレは洋式ですが、基本的な構造は狭いトイレです。弥生美術館の2Fに男女別トイレ。竹久夢二美術館の2Fのトイレは、男性用は故障していて、女性用のみ使用可。そして竹久夢二美術館を出た先にある、弥生美術館の1Fに男女兼用の個室が1つあります。

館内に休憩室はとくにありません。各展示室内に椅子があり、座って休憩することができます。ただし展示室内の通路に、スツールが置かれている状態なので、あまり落ち着いて座っていられる雰囲気ではありません。足腰が万全ではない人は、こまめに座って休憩をとり、疲れをためないように気を付けてください。

竹久夢二美術館の1F出口の先が、屋内記念撮影コーナーです。ガラス面から綺麗な中庭を眺めることができます。ただし空間的な余裕はあまりありません。出口の開閉に気を配りながら、さっと写真を撮り、次の人に場所を譲るイメージです。

弥生美術館と竹久夢二美術館は素敵な施設ですが、5つの展示室をすべて階段で上り下りして観覧する美術館です。足腰が万全ではない人は、利用の可否を慎重に判断してください。

東京にある個性的な美術館を別稿でまとめて掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2020年11月に執筆しました)

東大本郷キャンパスの紅葉 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

東京都文京区の「東京大学本郷キャンパス」は、全学で車椅子利用ができるバリアフリー化を推進しています。そして晩秋には銀杏並木と三四郎池の紅葉などが美しいキャンパスです。現地のバリアフリー状況を紹介します。

東京大学本郷キャンパスは、入試期間など特別な時期を除けば出入自由、見学自由な施設です。キャンパス内は銀杏並木が幾つも有り、晩秋は黄金に輝きます。外国人観光客が大勢来場して、感嘆の声をあげています。

東京の紅葉黄葉 東京大学本郷キャンパス バリアフリー情報

東京大学はバリアフリーに力を入れています。もちろんその対象は学生や研究者ですが、車椅子の観光客にもその恩恵があります。自由に利用できるレストランや喫茶、売店などのコーナーはスロープ対応があり、バリアフリートイレが幾つも用意されています。キャンパス全域の主要な施設は、車椅子でなんとか利用できます。

キャンパスの紅葉名所の中で、決定的に車椅子では無理なのは三四郎池一周コースです。もみじ系の紅葉が美しい一帯ですが、段差があるオフロードです。車椅子では行けるところまで、見える範囲で諦めます。

「弥生」時代の命名由来地区にある「弥生キャンパス」は「本郷キャンパス」と言問通りを挟んだ立地です。「弥生キャンパス」の銀杏並木もとても立派です。そして空いています。晩秋に黄金に輝く「弥生キャンパス」は狙い目です。

「弥生キャンパス」と「本郷キャンパス」を繋ぐ陸橋は階段構造なので、車椅子での通行は出来ません。本郷通りから横断歩道で移動してください。

人気の銀杏並木といえば「神宮外苑」。絵画館をバックにした黄金の空間が美しいスポットです。東大本郷キャンパスの銀杏も、安田講堂など東大の歴史ある校舎群が背景に並びます。車椅子で赤門をバックに黄葉を楽しむこともできます。

車椅子でバリアフリーに移動できるフラットエリアは十分にありますが、一部アップダウンがあるエリアもあります。春日通り方面、また東大病院方面に向かっては、地形に高低差があります。無理のない範囲で車椅子散策をしてください。正門から安田講堂まではフラットです。

15名以上の団体は利用申請をするルールがありますが、現時点では手荷物チェックなどはなく、出入り自由なキャンパスです。

東大本郷キャンパスにある「健康と医学の博物館」を別稿で掲載しています。ご参照ください。

(本稿は2017年12月の取材に基づいています)