富士山本宮浅間大社 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

全国に祀られた1,300社余の浅間神社の総本宮。創建は神代。現在の地に鎮座したのが806年と伝承される静岡県富士宮市の古社です。境内には決定的な段差を迂回するスロープなどがあり、少し無理をすれば車椅子で参拝できます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

富士山本宮浅間大社

アクセスは富士宮駅から徒歩10分の案内です。この間のルートは平坦で、ほとんどアップダウンはありません。

境内に有料の第一および第二駐車場があります。本殿に近いのが第一駐車場です。「浅間大社前」交差点から、真っすぐに進むと第二駐車場入口に出ます。第一駐車場への車のアクセスルートは、境内の西側からです。少し分かり難い道ですが、「浅間大社前」交差点から「お宮横丁」方面へ進み、境内西側の道に右折して下さい。道路沿いに道案内表示が掲示されています。

富士山本宮浅間大社

第一駐車場の入口近く、最も本殿に近いエリアに身障者用駐車区画が用意されています。

富士山本宮浅間大社

駐車場内から境内へ出る箇所に小さな段差があり、未舗装路面になります。車椅子を慎重に進めてください。

富士山本宮浅間大社

駐車場から本殿方面へ出ると、幅広い未舗装路があります。ここは流鏑馬を行う「桜の馬場」です。馬場の路面は固く、砂利は薄い箇所が多いので、見た目よりは車椅子が進みます。それでも未舗装路ですから、慎重に移動してください。

富士山本宮浅間大社

「楼門」前に置かれる「鉾立石」は、馬場から車椅子で見学することができます。

富士山本宮浅間大社

本殿エリアは段差の上です。段差を回避するには、短い坂道を上がり「忠魂碑」の前に進みます。

富士山本宮浅間大社

本殿方面へ進むと「祈祷殿」があり、その横に段差回避スロープがあります。スロープを上がると本殿エリアに入ります。手水舎は「楼門」の横にありますが、車椅子では利用できない段差のある構造です。

富士山本宮浅間大社

拝殿前のバリアフリー状況です。

富士山本宮浅間大社

本殿と拝殿を中心にして、左右に授与所と社務所が配置されています。

富士山本宮浅間大社

本殿エリアの境内は深い砂利路面ですが、十字状にバリアフリー舗装歩道が整備され、拝殿、授与所、社務所、楼門に車椅子で移動できます。

富士山本宮浅間大社

参拝所は段差の下です。車椅子でお参りができます。

富士山本宮浅間大社

楼門の下までバリアフリー歩道を通り車椅子で移動できます。

富士山本宮浅間大社

ただし楼門から先は段差があるので、車椅子では通行できません。「祈祷殿」横の段差回避スロープに戻ってください。

富士山本宮浅間大社

国の特別天然記念物「湧玉池」の周囲は、車椅子での通行が辛い、荒れた未舗装路面です。

富士山本宮浅間大社

馬場から近づき、無理のない範囲での散策になります。それでも見る価値のある風景です。

富士山本宮浅間大社

「湧玉池」から流れる「神田川」沿いは、舗装された散策路が整備されています。車椅子で清流の流れに近づくことができます。

富士山本宮浅間大社

川の流れに沿った「神田川ふれあい公園」内は、断片的で中途半端ではありますが、車椅子で通行可能なフラットな通路が用意されています。

富士山本宮浅間大社

一部未舗装な区間も、固い路面なので車椅子で移動できます。ただし通路以外は荒れた路面です。

富士山本宮浅間大社

公園の公衆トイレは名称「みたらし庵」で、バリアフリートイレが用意されています。

富士山本宮浅間大社

第一駐車場と「神田川ふれあい公園」に挟まれたエリアに、石造りの「三之鳥居」、「流鏑馬像」、「鏡池」などがあります。このエリアは段差構造で、車椅子では近づけません。

富士山本宮浅間大社

「神田川ふれあい公園」から道路を渡ると、第二駐車場があります。駐車場周辺はフラットな舗装路面なので、車椅子で問題なく移動できます。

富士山本宮浅間大社

「二之鳥居」は段差の上に建っています。車椅子では鳥居を迂回して、駐車場内を進みます。

富士山本宮浅間大社

「二之鳥居」の南側には、食事処「ここずらよ」とお土産店があります。どちらも出入口に小さな段差があり、かつ小規模な店舗でスペースが狭いので、あまり車椅子向きではありません。「ここずらよ」のお客様専用無料駐車場が、第二駐車場の大型車用の中に数台分用意されています。

富士山本宮浅間大社

「ここずらよ」の横に公衆トイレがあり、バリアフリートイレがあります。

富士山本宮浅間大社

お宮横丁のバリアフリー状況です。「ここずらよ」横の公衆トイレから道を渡った先に、人気観光スポット「お宮横丁」があります。出入口に小さな溝がありますが、車椅子は引っ掛かりませんでした。

富士山本宮浅間大社

横丁の中心部には、富士山の湧き水が流れ溜まる石桶があります。

富士山本宮浅間大社

横丁内の路面は段差がありません。各店舗の販売窓口は、車椅子から注文できる距離で、美味しいものを買うことが出来ます。

富士山本宮浅間大社

イートインスペースは、あまり広くはありませんが、車椅子で利用しやすい構造のフリーテーブルをキープ出来れば、横丁で買ったものを車椅子で食べることができます。

富士山本宮浅間大社

ただしスペースに余裕がないので、混雑していると車椅子では苦戦が予想されます。

富士山本宮浅間大社

「桜の馬場」の路面は、見た目よりも車椅子が進みました。「富士山本宮浅間大社」は、荒れた未舗装路面と段差を回避して、少し無理をすれば車椅子で参拝できます。

富士山本宮浅間大社

富士宮市の名瀑「白糸ノ滝」のバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2020年10月に執筆しました)

静岡県富士山世界遺産センター 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

静岡県富士宮市にある、2017年に開館した富士山を多角的に紹介する文化施設です。新しい施設なのでバリアフリー設計、車椅子利用者への様々な配慮があります。車椅子からみた現地の状況を紹介します。

静岡県富士山世界遺産センター

アクセスは富士宮駅から徒歩8分の案内です。

静岡県富士山世界遺産センター

来館者用の専用駐車場はありません。近隣の有料観光駐車場の利用が推奨されています。

車椅子専用駐車場が1台分用意されています。予約は受け付けずに、その時空いていれば利用できる運用ルールです。場所はセンターの前414号線沿いで、車椅子サインがあります。富士宮駅方面からアクセスしても、右折入場できます。

静岡県富士山世界遺産センター

車椅子専用駐車場の横にあるスロープを利用して館内に入ると、正規のエントランスの反対側のミュージアムショップに出ます。そこから館内を横断して、受付に移動して入館手続きを行います。

静岡県富士山世界遺産センター

いったん車道の歩道に出て、そこから段差回避スロープを通り、正規のエントランスに向かうことも出来ます。このルートのほうが、建物のデザインを鑑賞し、車椅子で浅間大社の鳥居をくぐり、館内に向かうことができます。

静岡県富士山世界遺産センター

来館者の多くが写真を撮っているのはエントランス周辺です。

静岡県富士山世界遺産センター

独創的な外観と浅間大社の鳥居が、水面に映ります。

静岡県富士山世界遺産センター

階段構造がありますが、段差回避スロープが用意されています。

静岡県富士山世界遺産センター

「静岡県富士山世界遺産センター」は、観覧料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名の観覧料が無料に減免されます。受付で障害者手帳等を提示して、無料入館券を発行していただきます。

バリアフリートイレは館内3ヵ所に各1つ用意されています。1Fはライブラリーの横。2Fは映像シアターの横、5Fは展望ホールの横です。

静岡県富士山世界遺産センター

「らせんスロープでの疑似登山体験」がテーマの観覧ルートです。通常の観覧ルートは、1Fから概ね5F相当の高さまで、193mの「らせんスロープ」を上がります。

静岡県富士山世界遺産センター

そこから同スロープを下がりながら、展示コーナーなどを見学します。またエレベーターが1基あり、自由に利用することができます。

静岡県富士山世界遺産センター

「疑似登山体験」をする「らせんスロープ」の傾斜角度は、ところどころで微妙に違いがあります。傾斜が急な箇所は、バリアフリー法が推奨する角度よりも、やや強い傾斜があります。傾斜が緩い箇所は、車椅子で問題なく移動できます。

静岡県富士山世界遺産センター

「らせんスロープ」上りは、展示の重要な要素なので、出来れば車椅子で上がることをお薦めします。

静岡県富士山世界遺産センター

上り坂が苦手な人は、エレベーターで最上階に上がり、下りだけを通行する作戦があります。

静岡県富士山世界遺産センター

エレベーターは「らせんスロープ」の途中3ヵ所に乗降口があります。とりあえず坂上がりに挑戦して、辛かったら最寄りの乗降口からエレベーターを利用するのも作戦です。

静岡県富士山世界遺産センター

最上階は正面に富士山を仰ぐ「展望ホール」とテラスがあります。フラットな構造なので車椅子で利用できます。

静岡県富士山世界遺産センター

ホールからテラスへ出るドアは引き戸で、今回取材時は開放されていました。おそらく冬季は寒いので閉められると思います。ドア下に気になる段差はありません。

静岡県富士山世界遺産センター

テラス内もフラットな構造で、車椅子で移動できます。テラスのガラスフェンスの先は、富士山の噴石が敷かれています。

静岡県富士山世界遺産センター

展望ホールの横に、「荒ぶる山」の常設展示室があります。ここもフラットな構造で、車椅子で見学できます。

「らせんスロープ」の途中2カ所に常設展示コーナーがあります。コーナー内はフラットで、車椅子で展示を鑑賞できます。

静岡県富士山世界遺産センター

ほとんどの展示はデジタル表示で、タッチパネルを操作して、見たいコンテンツを選びます。タッチパネルは車椅子から手が届く高さです。表示はもちろん多言語対応です。

静岡県富士山世界遺産センター

2つの常設展示コーナーのテーマは「美しい山」「聖なる山」。この他に3Fに「育む山」「受け継ぐ山」、5Fに「荒ぶる山」の常設展示室があります。「らせんスロープ」から見る壁面展示のテーマは「登拝する山」です。

静岡県富士山世界遺産センター

合計6つのテーマで、富士山を多角的に紹介します。

静岡県富士山世界遺産センター

3F常設展示室のバリアフリー状況です。「育む山」と「受け継ぐ山」の2つの常設展示室があります。「育む山」は富士山の動植物の生態を簡単に紹介しています。

静岡県富士山世界遺産センター

「育む山」の展示室は、正面に富士山を仰ぐ構造です。

静岡県富士山世界遺産センター

そして振り返ると、建物内部の逆さ富士が楽しめる場所です。

静岡県富士山世界遺産センター

2Fに「企画展示室」と「映像シアター」があります。企画展示室は、フラットなフリールームで企画展開催時に使用されます。今回取材時は、企画展はありませんでした。

映像シアターは、15分毎に8分間の映像を放映します。今回取材時は3本のコンテンツを順に放映していました。

静岡県富士山世界遺産センター

映像シアターは階段式で、車椅子鑑賞スペースは最上部にあります。通常は出口に使用されるドアから入ります。スペースは車椅子2台分程度。介助者は簡易な可動式の椅子を使用します。最上部の端から見ることになりますが、車椅子からのスクリーン鑑賞は問題なく出来ます。

静岡県富士山世界遺産センター

少し頑張って坂道を上がることが出来れば、車椅子で「疑似登山体験」が出来ます。「静岡県富士山世界遺産センター」はバリアフリー施設です。

近くに1,300社余の浅間神社の総本宮「富士山本宮浅間大社」が鎮座します。情報を別稿に掲載していますので、ご覧ください。

(本稿は2020年10月に執筆しました)

朝霧高原あさぎりフードパーク 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

静岡県富士宮市、富士山を仰ぐ朝霧高原にある「あさぎりフードパーク」は、車椅子で利用できる施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

フードパークの概要です。富士宮市が打ち出した「フードバレー構想」。これにそれぞれ現状に問題を抱えていた、地元の食品会社6社が手を挙げて実現した、官民一体の企画です。約5万㎡の荒地を開墾して造られた施設で、工場を併設した独立棟の5店舗とレストラン1店舗が敷地内に並びます。ショップの利用の他に、各工場では製造体験イベントなどが開催されます。

2012年の開業で全施設バリアフリー。富士山のすそ野に広がる地元企業6社による商業施設です。

朝霧高原あさぎりフードパーク 

施設のバリアフリー状況です。共同駐車場と、各店舗の横に駐車スペースが用意されています。敷地内は緩やかな斜面の舗装路で、車椅子での移動は可能です。各店舗はバリアフリー仕様で、バリアフリートイレ、または兼用の大型トイレが用意されます。

広い敷地内に「朝霧乳業」「茶工房富士園」「上野製菓」「いも工房かくたに」「富士正酒造」「ビュッフェレストランふじさん+売店」が点在します。

「あさぎりフードパーク」から富士の頂上まで、遮るものはなにもありません。

あさぎりフードパーク

各店舗の状況を紹介します。

朝霧高原あさぎりフードパーク

「朝霧乳業」は牛乳工場併設。この地に、本社、工場を移転しました。朝霧高原の牧場で放牧されている乳牛から搾られた生乳をここで製造し、県内に宅配出荷しています。

店内に入るとスロープで登った先が工場見学ゾーン。ガラス越しに牛乳の製造現場を見ることができます。

朝霧乳業

スロープを戻ると、ソフトクリームなどを座っていただけるイートインスペース付きのテイクアウトコーナー。そして試食コーナー兼物販コーナー。牛乳の他、各種チーズ、クッキーなどがあります。店内全域車椅子での利用に問題はありません。

朝霧乳業

「茶工房富士園」は静かなお茶屋。スタッフが試飲のお茶を淹れています。

お茶処静岡の富士宮自家農園で栽培したお茶をここで生産。超高級品から普段使いのお茶まで、種類は豊富です。小さなイートインスペースがあり、ソフトクリームなどをいただけます。

茶工房富士園

「上野製菓」は和菓子屋。併設の工場は「あさぎり工房」。豊富な試食を用意しています。

名物は羊羹。大福、饅頭、サブレなど品数豊富です。冬場は「肉まん」が登場します。

上野製菓

「いも工房かくたに」の名物は「切干芋」と「芋けんぴ」。富士宮産のさつまいもを使用し、併設の工場で生産しいています。

「芋スープ」「芋コロッケ」や「大学いも」などをその場でいただく、小さなイートインスペースがあります。

いも工房かくたに

「富士正酒造」は店舗棟と酒造の二棟建て。本社と酒造をこの地に移転しました。

朝霧高原は酒造りに適した気候ということ。お酒のブランドは複数あり、伝統的なものから、ラベルデザインがモダンなブランドもあります。もちろん試飲があります。

「ビュッフェレストランふじさん+売店」は、バイキングレストラン。地産地消の美味しいメニューで高い評価があります。出店各店舗のお土産品なら売店で。「あさぎりフードパーク」全体のインフォメーションもこちらにあります。

ビュッフェレストランふじさん

広い「あさぎりフードパーク」ですが、季節の良い好天の日なら、車椅子での散策に問題はありません。

あさぎりフードパーク

厳冬期や荒天の日は、利用する店舗の横に車を停めて利用すると便利です。

隣接して「道の駅朝霧高原」があります。道の駅と「あさぎりフードパーク」間の車椅子での移動は可能です。

「ビュッフェレストランふじさん」の横に、富士山を眺望するビューポイントが用意されています。

朝霧高原あさぎりフードパーク 

広い施設に店舗が点在していますが、車椅子で散策出来ます。「あさぎりフードパーク」は、富士山と美味しいものを楽しめるバリアフリー施設です。

世界遺産富士山「白糸の滝」のバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2021年1月に加筆修正しました)