AIカメラで車椅子利用者をサポート 京阪電鉄祇園四条駅での実証実験

2021年2月16日に京阪電鉄から「白杖・車椅子をご利用のお客さまをIoTカメラで検知し、駅係員にリアルタイムで通知する実証試験を実施」すると発表がありました。

実証実験が行われるのは祇園四条駅で、改札付近にAIによる画像認識が可能なIoTカメラを設置し、白杖または車椅子使用者が改札を通過すると自動で検知して、駅係員が利用する業務用携帯電話などの端末にリアルタイムで通知されます。

その情報を得た駅係員が、転落防止、電車との接触防止など安全への見守りや必要なサポートの提供につなげることができるか、運用面を検証します。

2月19日からカメラを設置して検知精度を検証し、4月から駅係員への通知を開始する予定です。

このシステムはコンセントの設置工事が不要なので、多くの駅で実運用展開する場合も、短期間で導入準備ができるとしています。

京阪電鉄は祇園四条駅を先端技術の活用に向けたモデル駅と位置づけ、今回の実験以後も様々な実証実験を展開するそうです。

ITで駅の安全を守る、新しい取り組みが始まります。

《生きるちから舎ニュース 2021年2月17日付》

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

平安遷都の際に創建された「城南宮」は、京都南の方除の大社で、有料の「神苑」は春のしだれ梅、秋の紅葉など四季折々の景観が楽しめます。境内のバリアフリー状況を紹介します。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

竹田駅からは徒歩15分の案内です。

参拝者用の無料駐車場があります。身障者用駐車区画は、お祓いを受ける車両が利用する「斎館」の前のスペースに5台分用意されています。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

この身障者用駐車区画の後ろ側に、バリアフリートイレが1つあります。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

本殿拝殿のバリアフリー状況です。斎館から本殿へ向かいます。フラットな舗装路を通り「城南鳥居」をくぐります。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

その先の境内は、未舗装路面の中央部に舗装路があり、本殿方面へ車椅子で問題なく移動できます。手水舎は車椅子から手を伸ばせば浄めることができないことはありません。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

境内の中央部にある神楽殿のような舞台が「拝殿」です。祭礼の際には神楽や舞を奉納します。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

「拝殿」の周囲は舗装路です。そのまま本殿へ向かいます。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

本殿の「前殿」が参拝をする場所です。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

段差構造ですが左側に段差回避スロープがあり、参拝場所に車椅子で上がることが出来ます。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

参拝後は、そのまま本殿の裏側まで行くことができ、車椅子で本殿を一周できます。戻ってくると別のスロープで境内に下ります。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

このスロープの先は境内の砂利路面です。短距離ですが、浅い砂利路面を車椅子で進むことになります。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

神苑のバリアフリー状況です。授与所の横が「神苑」の入口です。「神苑」は7月21日から8月31日までがB期間とされ、それ以外の期間がA期間と指定されています。「神苑」の拝観料は、A期間は障がい者減免制度があり、障害者手帳の提示で本人と介助者1名が半額に減免されます。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

「神苑」の最初のコーナーは「春の山」。しだれ梅や椿が美しい庭園です。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

このコーナーの散策路は舗装路です。多少アップダウンがありますが、車椅子で散策できます。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

次のコーナーは「平安の庭」です。日本庭園で散策路が砂利路面になります。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

車椅子で移動できないことはありませんが、砂利がタイヤに絡み通行は苦戦します。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

迂回路はありません。「神苑」に入ったら、ここを通過する必要があります。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

次のコーナーへはいったん境内の道に出て、再度「神苑」に入り直します。「室町の庭」「桃山の庭」「城南離宮の庭」と続きます。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

これらのコーナーも、未舗装路面やデコボコがある石路面などが中心です。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

車椅子での移動は頑張れば可能ですが、快適ではありません。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

未舗装路面の走行が苦手な車椅子利用者には、「神苑」の散策は積極的にはお薦めしません。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

早春の「しだれ梅と椿まつり」の期間中、特にしだれ梅が満開の期間は、大変混雑します。ピーク時は終日駐車場の満車が続くそうです。

京都 城南宮 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

城南宮本殿は車椅子で参拝できます。「神苑」の散策は、迂回路がない未舗装路面散策路を通行します。

(本稿は2020年3月の取材に基づいています)

「相国寺と承天閣美術館」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

京都 相国寺と承天閣美術館 車椅子拝観ガイド バリアフリー情報

相国寺は足利義満によって創建された名刹です。そして金閣寺と銀閣寺の「本山」です。境内にある「相国寺承天閣美術館」には、相国寺、鹿苑寺、慈照寺の宝物が収蔵されています。

相国寺の境内は、案外フラットな構造です。そして美術館は車椅子で観覧可能です。相国寺のバリアフリー状況を紹介します。

京都 相国寺と承天閣美術館 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

境内の主要施設である「法堂」「方丈」などは、毎年春期(3月下旬から6月上旬)と秋期(9月下旬から12月中旬)に特別公開されます。

※2020年の春季特別公開は新型ウィルス対策のため中止になりました。

それ以外の期間は、境内の参道から各施設の外観を見学する、そして「相国寺承天閣美術館」を観覧するお参りになります。

京都 相国寺と承天閣美術館 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

境内に参拝者用の無料駐車場があります。「方丈」の裏側の浅い砂利路面が駐車エリアで、駐車区画は整備されていません。停めやすい場所に適正に駐車します。

京都 相国寺と承天閣美術館 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

境内への車両の入口は「総門」です。「総門」を車でくぐります。その付近に管理スタッフがいるので、誘導に従ってください。境内の車両進行ルートは案内表示があります。

京都 相国寺と承天閣美術館 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

境内参道のバリアフリー状況です。境内の参道は概ねフラットな舗装路です。ただし段差路、砂利路面の個所もあります。車椅子では無理のない路面を選び、境内を散策します。外観の見学だけであれば、ほぼ境内全域を散策できます。

京都 相国寺と承天閣美術館 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

特別公開の拝観料は、障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。しかし「法堂」「方丈」などは、バリアフリー仕様ではありません。

京都 相国寺と承天閣美術館 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

美術館のバリアフリー状況です。相国寺承天閣美術館は昭和59年に開館しました。

相国寺承天閣美術館

美術館のエントランスまでは、短い区間ですが小さな段差がある砂利路面を通行します。慎重に移動すれば、車椅子で通行可能です。

相国寺承天閣美術館

相国寺承天閣美術館

相国寺承天閣美術館

美術館の正面まで来れば、舗装路面です。エントランスは段差構造ですが、段差回避スロープが用意されています。

相国寺承天閣美術館

相国寺承天閣美術館

美術館は土足禁止で、靴を脱いで観覧します。車椅子の場合、館内用の車椅子に乗りかえるか、美術館が用意するタイヤカバーを付けて入館します。入口でスタッフに声をかけて相談して下さい。

相国寺承天閣美術館

エントランスの土足を脱ぐコーナーにも、段差回避スロープ路があります。

相国寺承天閣美術館

相国寺承天閣美術館の観覧料は障がい者減免制度があり、障害者手帳の提示で本人と介助者1名が無料に減免されます。館内受付で手帳を提示して減免措置を受けてください。

美術館内はバリアフリー仕様です。車椅子で問題なく鑑賞できます。またバリアフリートイレが用意されています。

観覧ルートは第一展示室、庭を臨む回廊ロビー、東ロビー、第二展示室と進みます。中央ロビーにはミュージアムショップがあります。

美術館の周囲は、3つの小さな石庭が配置されています。

相国寺承天閣美術館

今回取材時は企画展「茶の湯」が開催中で、計108点が展示されていました。美術館の所蔵品の中には、国宝5点、重要文化財は145点があります。また第一展示室には鹿苑寺境内の「夕佳亭」が再現されたコーナーがあります。そして第二展示室には、伊藤若冲の水墨画、重要文化財「鹿苑寺大書院障壁画」の一部が移設展示されています。いつでも若冲に会える美術館です。

相国寺承天閣美術館

相国寺は車椅子で境内を散策できる名刹です。そして相国寺承天閣美術館は、名品が鑑賞できるバリアフリー美術館です。

(本稿は2020年3月の取材に基づいています)

「南禅寺」のバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ご参照ください。